Author Archives: Kenji Kagami
2022.12.20
電動リクライニングベッドとリネン選び@代々木上原I邸
[代々木上原I邸]
もう検査お引渡しが目の前に迫ってきた代々木上原I邸ですが、リビングダイニングにテレビを置かない代わりに、寝室に大きなテレビセットを壁掛けで設けることになっています。ベッドに寝転んで映画を見たいとのことで、背もたれの角度を調整できる電動リクライニングベッドを入れることになりました。

担当スタッフの神崎さんが試し寝(?)しているのが、フランスベッドのエゼックスフレームシリーズです。

こちらが当初にIさまと一緒に見学、体験に行ったフランスベッドのショールームの様子です。マットレスは最上級モデルの高反発ハードタイプとなりました。

今回はヘッドボードは造作で壁と一体型で作っているのですが、ベッドの構造上最初に組み上げる際にはどうしてもヘッドボードが付いてしまうので、一度組み立てたうえで、ヘッドボードだけ取り外すという実に面倒な設置方法となっています。

可動部はモーターが2つのタイプ(背上げと脚上げ)と、3つのタイプ(背上げと脚上げと昇降機能付き)がありますが、3つのタイプを選んでいます。

こちらが組み上がったベッドですが、電動ベッドは可動部の重要性が高く、その分デザイン性が落ちてしますので、ベッドリネンでカバーすべく…、

壁紙やカーテンでも幾つか採用させて貰っている京橋のトミタのショールームに伺って選んできました。幾度伺ってもこの天井高さのあるショールームは気持ちがアップします。

いつもはリネン類はお客さま主体で選んで貰って、ある程度候補が絞れてきてからデザイナーとしてアドバイスをするのですが、今回は各務が直感的に選んだ柄をIさまが気に入って下さるという珍しい進め方となりました。

同じ柄で色違いのピエール・フレイ(フランス)のファブリックで、最後まで色味を迷わていましたが、ダークな灰色ベースのリネンで進めることになりました。

これへ別日の打合せの様子ですが、一応2種類のリネンを借りて現地に持ってゆき、最終確認を致しました。

ファブリックでのベッドスカートの取り付け方をトミタに確認するために、担当の神崎さんが描いてくれたスケッチです。

ベッドを実測してから作って貰ったリネンを被せた様子がこちらです。

寝室奥のライブラリーコーナーのジャンポール・ゴルチエのカーテンと合わせると如何にもIさまらしい空間に仕上がりました!

トミタのショールームではベッドリネンと一緒に、カーテンのレース地も選ばせて頂きました。

トミタの担当の佐藤さんたちにレース地を窓際に吊るして貰い、透け具合を確認させて貰いました。
2022.12.19
モダンリビング・ラグジュアリーマンション号に関西M邸掲載
[関西M邸]
ラグジュアリ―住宅&インテリア雑誌「モダンリビング」(ハースト婦人画報社)の266号(2022年12月発売号)のラグジュアリーマンション特集号に、僕らがお手伝いしたマンション内装プロジェクト、関西M邸が掲載されました。

モダンリビングでは、これまでも第2特集としては、マンションリフォーム&リノベーションの特集を組んだことがあったそうですが、今回は都市部を中心に利便性やセキュリティの高さなどの理由によりマンション需要は高まり続け、市場もますます活況の一途をたどっているとの分析から、戸建て住宅よりも制約の多い条件下において、より一層その設計力やコーディネート力が求められるのが、マンションリノベーション設計と捉え、空間をより魅力的に変貌させたラグジュアリーな実例を通じて、マンションならではの上質な暮らしの在り方、その最前線を探りたいとのことで、関西I邸を取り上げてくれたとのことでした。

サブタイトルとして「ライフスタイルと空間の中心を象徴するコアのダイニングキッチン」と題して、お料理が大好きで、人を招いて食事をすることを生活の中心とした関西I邸のインテリアとIさまご夫妻のライフスタイルを読み解いてくれました。因みにキッチン造作は東京のリネアタラーラで、印象的な石材はイタリアのポルフィード・ペドレッティ社にお願いした製作ものです。

通常の弊社のプロジェクトとは少し違い、新築マンションの最上階フロア(ペントハウス住戸)の間取り案から内装・家具レイアウトまでお手伝いしたプロセスを分かりやすく説明してくれています。

ダイニングキッチン、リビングだけでなく、堂々とした玄関ホールや、大型の浴室や洗面まで細かく撮影してくれています。

こちらは約2か月前に関西I邸にての取材撮影時の風景です。Iさまご夫妻とモダンリビングの編集部からは左近さんが、撮影は以前も一度お世話になった下村康典さん、松本佳津江さん、弊社からは副所長でこちらのお宅の担当だった竹田さんと僕、各務でした。

最初のカットには、Iさまご夫妻が写り込むパターンと無人のパターン2通りで撮影して臨んだのですが、最終的には撮影された写真をご覧になって人が特定されてしまう可能性がありそうだったので、人無しの写真を採用することになりました。

人ありのパターンで演技指導(笑)をしている左近さんの様子です。

こちらがモダンリビング266号の表紙です。表紙写真は、虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーのペントハウス住戸です。現在、僕らもこちらのマンションの高層階(スカイスイート)で何軒かのお宅のリノベーション、インテリアのお手伝いをしています。東京いや日本で最先端のハイグレードマンションの素晴らしさを活かした空間を作ろうと奮闘中です。
2022.12.12
ワンちゃんにも適した高級フローリング張り
[関西I邸]
関西I邸のIさまご一家は、ご夫妻にお子さまが3人にワンちゃんが1匹の大家族です。お子さまたちだけでなくワンちゃんも快適に過ごせるようなお宅になさりたいとのこと、フローリングはしっかりとワンちゃんのツメが引っ掛かりながらも、自然系のUVワックスオイルが効いて耐水性及び耐汚性に優れたものをとのことで、ノルド(ADワールド)を採用しました。

UVワックスオイル仕上げとは、フローリングの表面に特殊な天然系ワックスオイルを塗り、紫外線を照射させて硬化させた仕上げのことです。三層フローリングならではの表面の無垢感、表面仕上がりもツルピカではなく、細かくザラついており滑りにくくなっています。

こちらが現場に置かれていたノルドの箱詰めされたフローリング材です。ノルドシリーズの中でも僕らが一番良くお願いしているモハベでと考えておりましたが、ADワールドからウクライナの戦争のことで、モハベが間に合わなくなってしまったとのこと、モハベより少し明るめのカフィーラをリビングダイニング側で採用することになりました。

ちょうど現場ではフローリングを張っている最中で、梁終わった個所から順次養生シートが仮置きされていきます。ワンちゃん用フローリングで検索すると、大手メーカーのペット用に特化した床材が幾つか出てきますが、それらは仕上げ材としてみると、どうしても安っぽいので、人が暮らすうえでの上質感がありつつ、ワンちゃんにも対応しているということで、弊社ではこのノルドシリーズをお勧めしております。

こちらは玄関エリアのフローリングです。コンクリートがむき出しになった部分がタタキで、こちらには大理石調タイルを張ってゆきます。

タタキ側から見返した玄関ホールの床です。立派な玄関框(カマチ)は設けず、段差部分にステンレスのヘアライン仕上げの板を張ったシンプルでモダンなライン框とする予定です。

床仕上げもまだリビングダイニングの3分の2程度しか張られていませんし…、

床以外の仕上げ材が張られていないので、空間の全容は見えていませんが、広々とした伸びやかな空間が着実に出来てきていることを感じました。

デザインもスタイリッシュで、仕上げ材も凝っているリビングダイニングキッチン側に対して、プライベート空間はシンプルにして、費用も抑えようとしているので、フローリングも途中からリーズナブルなものに切り替えています。この写真のピンクのテープが張ってある側がLDKのノルドで、それに直行しているフローリングはIOC社のオーク20イザベルマットコート仕上げです。

こちらは、お客さまのIさまにモハベ色から代案のカフィーラに変更する際に、併せてIOC社のフローリングの色合わせも確認して頂いた際の写真です。因みにノルドシリーズのフローリングをIOCのフローリングに50平米(プライベートスペースのフローリング面積)分変えることで、約23万円程度の減額をすることができました。フローリングの幅も長さも違う製品ですが、空間の大きさも違うので、ほとんど違和感を感じませんでした。
因みに、安価なIOCのフローリングはノルドに比べるとツルっとしており、ワンちゃん対応としてはあまり良くありませんが、日中も夜も基本はワンちゃんはLDKに居ることになるので、こちらでOKとのことになりました。

フローリング以外にも、木工用の部材が現場に入っていました。こちらは天井の折り上げ部分に間接照明を隠すための見切り材です。切断面を見ると集成材であることが分かりますが、仕上げにはオークの突板が張ってあるので、仕上がってくると無垢のように見えるのです。

冬の日中の日差しが入ってくると、低層で緑に囲まれたお宅ですが、西側の窓から燦燦と日が差し込んできます。こちらの窓には日差し対策でスクリーンを入れる計画となっています。

吹き抜け上部にみえる箱状の物体(笑)は、従来からあった屋根裏収納ですが、自然光も入らず、空気も淀んでいたので、吹き抜けに面した壁対角の2カ所に写真のような開口枠を設けて、自然光が入り、風の流れができるように工夫しました。

現場視察の後は、毎回の工務店との詳細打ち合わせです。