大仰なタイトルになってしまいましたが、ヴィンテージマンションと呼ばれるそれなりの築年数が経っているマンションは、解体してみると床・壁・天井ともそれぞれに歪みがあることが多々あります。
築40年越えの港区三田A邸も、解体した時点で床スラブの歪みを実測してもらったところ、5センチ以上の歪みがありました。天井や梁にもタワミがあり、カネ(直角)が出ていない壁もあり、まずは腕の良い大工さんにそれらの歪みを補正しながらの木製下地を作って貰っています。
廊下の基準にしている梁の横面も歪みがありましたが、直線の廊下にすべく、大工の上野さんがレーザーと墨を使いながら補正してくれています。
梁下も、このようにガサガサに斫られた跡があったりと、色々な箇所に現れる歪みを木製下地でフレキシブルに吸収しながら床&壁&天井下地を作ってゆきます。
空間のボリュームが大きいリビングダイニングでは、細かい寸法の誤差は問題ありませんが、廊下や水回り、キッチン等は壁下地の寸法によっては、内部に入ってくる造作家具の寸法も変わってくるので、リフォームキューの設計・営業の上山さんが現場に頻繁に来て、現場監督の滝川さん、大工の上野さんと連携を取りながら下地寸法を確定してくれています。
特に先行発注しているキッチンは作り直しが効かないので、寸法の優先順位が高くなります。玄関ホール側からキッチンを仕切る壁を見たアングルの写真ですが、この壁には仕上げ材としてカラーガラスを張るので、やはり歪みは厳禁なのです。
その壁が引き戸や開き戸を途中に挟みながらプライベート空間へと続く廊下へと流れてゆきます。
途中に挟まってくる納戸や大型のウォークインクローゼットで寸法調整することで、大きな変更なしでほぼ当初の設計通りに工事が進められるようにできたとの報告を受けております。
大きなリビングダイニングが、天井と壁を2段に切り替えて、間の隙間にLEDの間接照明を入れるボックスを作って貰っています。
天井の2段の切り替わる部分の木製下地ディテールです。
今回はスポットでのデザインアドバイスでのお手伝いでしたが、現場が近いこともあり、頻繁に現場に寄っています。現場に行くことを伝えると、設計の上山さんからが細かい納まりや素材の色味のことなどの相談がきます。本日は壁紙提案をどうすべきかのアドバイスをさせて頂きました。