先日8〜9年前に設計し、引渡しを行った建物を偶然二つ見る機会がありました。
一つはちょうど9年前に竣工引渡しをした住宅、上野毛T邸です。僕にとっては、独立後始めての新築住宅でしたので、とても思い入れのある住宅です。お施主様がランドスケープのデザイナーで、奥様もインテリアデザイナーでしたので、とてもきれいに使ってくださっていました。外壁に多少の汚れは見られましたが、外構もご自分達で手掛けられたので、今でもきちんとしていました。時々ご夫妻にはお目に掛かる機会があるのですが、最近は中は拝見しておりませんでした。
二つ目のこちらは8年前に竣工引渡しをしたクリニック仙川Tクリニックです。その後、近所に引越しをされた事は伺っていましたが、クリニックの後がどうなっているかを拝見したのは、車で通りかかったこの日が初めてでした。見事にカフェにリフォームされていました。よく見ると、僕等が設計した鉄骨製庇は上手く再利用されていましたが、後は全て解体されてしまっているようでした。自分もリフォーム設計をする立場ですので、
いかにリフォーム前とリフォーム後が変化するかを見るのは楽しみなのですが、自分が以前に設計した空間が、ガラリと変わってしまっているのを見るのは、不思議で、少し寂しい気持ちになります。ただ、ご近所に引っ越して開業し続けているT先生のクリニックはとても繁盛している事を聞いておりますので、その点は安心です。
どちらも偶然通っただけなので、180度違う不思議な体験が重なったので記事に致しました。