以前からキッチンでお世話になっている、クチーナ(株式会社モーリコーポレーション)の家具ブランド、カッテランイタリア東京ショールーム(目黒区鷹番)の最上階に、プレミアムキッチンショールームができたとのこと、見学に伺って参りました。
予約のみでの見学が可能な特別ルームとのこと、2つのモデルタイプが設置されていました。こちらは和のイメージのアイランドカウンタータイプです。
一番驚いたのは、花崗岩(御影石)製のアイランドカウンターなのですが、一枚のスラブの半分を磨き仕上げに、半分をバーナー仕上げにしていることでした。それをサイド面にまで回しています。同じ石材を2枚に分割して、それぞれ仕上げを別にして貼り合わせるのであれば分かるのですが、関ケ原石材の協力で一枚のスラブで仕上げを変えてみることにトライしてみたとのことです。素晴らしい出来でした!
サイズとしてはそれほど大きなキッチンではありませんが、アイランドカウンターの蹴込み部分には御影石に模様を彫り込んでいたり、シンク上の吊戸棚にはラタンを採用したりと、かなり野心的なデザインでした。因みに冷蔵庫は背面トール収納の向かって右側でリープフェルのビルトインタイプとなっていました。
もう一つはピンタレストの世界から飛び出てきたような優雅なデザインのキッチンでした。
やはり富裕層をターゲットとしたキッチンの定番になりつつある柄の美しい石材(石英岩)をふんだんに使っており、カウンターはバックスプラッシュだけでなく、レンジフード周りにも同材を貼っていました。因みに、甲板(カウンター)とバックスプラッシュは無垢のスラブ材ですが、レンジフード周りに重量やメンテナンスのために取り外しができるように同じ材を薄く切って背面をアルミハニカムで補強した材料で取り外しができるようになっているそうです。
大型キッチンならではの構成で、背面に大きなパントリーが設けられており、手前には冷蔵庫やビルトインオーブンなどの機器類が見えてこない作りとなっていました。
全てがオーダー物のオーダーキッチン屋とは違い、それぞれが凝った作りではありますが、素材や作り方などを将来的にシステム化して展開することができるように考えられている点が、クチーナならではのオリジナルな視点だと感じました。
因みにこれらのキッチン及び最上階ショールーム全体のインテリアはリブラデザインの手塚由美さんにお願いしたとのことでした。
実は、この日ショールルームは、モーリコーポレーションの陣内社長が今後のクチーナの展開のことでお話をしたいとのことでの訪問でした。陣内社長とはコロナ前の2019年の年末に一度お話をしており、それ以来ですので、約5年ぶりにお目に掛かりました。
5年前にお話したことも良く覚えていて下さり、それ以降弊社のブログも定期的に見てくださっているとのこと、今後建築家がデザインしたキッチンにもクチーナなりのスタンスで取り組んでいきたいことや、そのための足掛かりとして社内、そして建築家向けのセミナーをして貰えないかとのお話でした。こちらから、キッチンだけでなく、洗面キャビネットにもトライしてはとのお話をさせて頂きました。これらのことについては、また今後も継続してお話をしてゆくこととなりました!