明治大学理工学部建築学科、三年生第二課題の最終講評会にクリティックとして招待されました。大学時代の先輩で建築設計の良き相談相手でもある明治大学準教授の田中友章さんが指導している授業です。
川崎市の台地に小学校と放課後に使える学童保育所、そして近隣の人たちが使える施設を複合化した建築を設計するという高度な課題でした。久しぶりの学校で、上手く喋れるか不安でしたが、学生たちの頑張りと若々しいフレキシブルなアイデアを見ることで、とても楽しく、勉強にもなる時間を過ごすことが出来ました。以下、特に気になった学生たちの模型写真です。
大友君の二つの円弧を使った、力強いデザインの課題です。ただでさえ難しい円弧を二つ組み合わせたうえに、斜面地にあわせてスロープを計画したことで、課題としては未完成と思えましたが、デザインのポテンシャルの高さには驚きました。
大野君の三本の棒状建物を互い違いの「ハ」の字型に並べた案です。一見無謀にも思えるレイアウトでしたが、地域との繋がりや午前中と午後の学校の使い方と日差しの関係、そして立体的にデザインされた学校らしさには納得してしまいました。
こちらは菊池君の作品です。斜面地に整然と置かれた端正な建物が、知的で静謐な空間を感じさせる課題となっていました。学校の要素の分析にも優れ、デザイン・コンセプト共に破綻のない、完成度の高い課題でした。
三浦君の課題は、まるでギリシャの白い村落のような構成のきれいな空間構成でした。一見バラバラに見えるレイアウトですが、四角い教室をあるリズムによってバラけることで、内部と外部が貫入しあう面白い空間が発生することを上手く表現してくれています。特別教室などを配置した、写真右奥の建物もダイナミックな力を感じました。
最後の写真は、田中友章先生の研究室です。田中先生、一緒に講評してくださった香山壽夫建築研究所の土屋先生、どうもありがとうございました。そして学生の皆さん、どうもお疲れ様でした!