Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

半地下の二重壁

新築住宅

大田区久が原の三世帯住宅の現場も随分と進み、半地下部分の二重壁の下地も出来上がりつつあります。半地下部分にある居室は、三世帯住宅のうち叔母様のリビングと寝室、そしてウォークイン・クローゼット(WIC)に当たります。これらの部分の部屋の外壁側(コンクリートが地面と直接接している側)は全て二重壁となっています。

地下二重壁

つまりコンクリートの構造体の内側に、10センチほどの隙間を持って、もう一枚木造の壁が立っているシステムとしています。これは、半地下の部分からの地下水の漏水を考えてのことです。現在のコンクリートの打設技術は相当なレベルまで上がっているので、地下水が滲み出してくる可能性はあまりないのですが、それでも、もし地下水が染み出してきたら、そんなイザという時のために、この二重壁を作っているのです。

イザ染み出してきた水は、まず木造の壁の手前の隙間に流れこみます。この隙間部分は、きちんと防水されているので、溝を伝わって、二重床のピットに水が流れ出し、居室部分には水も、湿気も回らないような仕組みとなっています。上の写真は、リビングから、左手奥に寝室、右手奥にWICを見ている状態です。コンクリート壁に淡い緑色に見えているものは、断熱材のウレタンフォームの吹付けです。既に天井には天井カセット式(天カセ式)の空調機が取り付けられ、コンセントやスイッチの配線や、水周りの配管も設置されています。

地下二重壁詳細

こちらの写真は、狭い二重壁の隙間にカメラを突っ込んで撮影したものです。右側にが外壁側のコンクリートに断熱材を吹き付けたもので、右側に見えるのが木製の壁の下地です。間の隙間の下部が濃い灰色に見えますが、これが防水した溝の空間です。ちょっと見にくいですが、中央辺りに黒く見えるのが、地下ピットに通じる排水の穴です。