上下隣接住戸からの音、そしてこちらのお部屋からの音漏れを気になさって、部屋全体を遮音仕様で作っている駒沢X邸の天井工事の第二弾です。
リビングの折り上げ天井の形に添って、まずは普通の石膏ボードが張られています。この上から遮音ボードが張られるのですが、その前のボード継ぎ目処理が一つのカギになっています。
フラットな部分をよく見ると、石膏ボードの継ぎ目に何かが塗られているのが判るでしょうか?通常の塗装仕上げ用のプラスターボード二重張りでは、下地のボード継ぎ目は何もしないのですが、ここからの音漏れを防ぐために遮音用のコーキングを詰めているのです。
全ての天井の隙間を埋めるので、配線類やダクトなどの設備が天井を貫通している個所も全て遮音コーキングを詰めて貰います。
通常は壁下地を先行して建てて、そのあとで天井と床を張るのですが、遮音仕様となると、床と天井先行で、壁が後になるので、特に壁内にコンセントや照明スイッチ用の電気配線をする箇所には大量の線が現れ、それらを全てコーキングしてゆくという、中々面倒な作業になります。
一枚目の天井下地が出来上がった所で、二枚目の遮音ボードを張ってゆきます。これが普通の石膏ボードの3倍ほどの重量があるので、職人さんも三人掛かりでの作業となります。配線のための穴も余分に開けないので、配線位置を全て事前に墨出しして孔をあけたうえで張ってゆくという大変な作業になります。
一枚目のボードの継ぎ目と二枚目の遮音ボードの継ぎ目が重ならないことも重要です。
その他の工事としては、玄関扉の枠とコンクリート躯体の間に隙間があり、音漏れだけでなく防火区画としても問題があることが判ったので、その隙間も詰めて貰っています。
普通のモルタルでは乾燥時に収縮して隙間が空いてしまうので、無収縮モルタルを詰めて貰いました。
このように仕上がりました。玄関扉から共用廊下への音漏れを気になさっていたお客さまのXさまも、モルタルを詰めた後に音を体感してもらったところ、随分良くなったと喜んでくださいました。
キッチンの据え付けの配管チェックに、リブコンテンツの鈴木さんが僕らとタイミングを合わせて現場に来てくれたので、吊戸棚などを天井ボードにビス止めすることができないこと(遮音仕様の天井に穴をあけられないため)なども説明させて貰いました。