Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ライトグレーとライトベージュのニュアンスカラーで塗り分け@成城Z邸

成城Z邸

建具が取りついて、部屋によって塗装工事や造作家具の組立て工事が入り始めた成城Z邸の現場の様子です。

DSC_0306_pt

先回吊り込まれた建具、壁天井、そしてモールディングとケーシング類も全て、現場塗装で全体のトーンを一緒に仕上げて貰ています。とはいえ、壁・天井はAEP(アクリルエマルジョンペイント)、建具・モールディング・ケーシング・幅木はSOP(合成樹脂ペイント)と用途によって使い分けており、さらに部屋毎によって色も変わっているので、丁寧にマスキングしながらの大変な作業になります。

DSC_0305_pt

リビングダイニングの床仕上げの寄木張り(IOCのカンタベリーオーク)もとてもきれいに仕上がっていました。

DSC_0307_pt

玄関ホールから廊下を見返したアングルの写真です。モールディングとケーシングと幅木は共通して白のSOPとなっています。灰色(ライト・グレー)ベースのリビングダイニングと比較すると、ライトベージュ調の優しい色の玄関ホールと廊下は温かみを感じますね。

DSC_0311_pt

長い廊下は、お施主さまのZさまも仕上がりをとても楽しみに待っていてくださった空間ですが、空間全体を柔らかいコーブ照明(折り上げ天井と間接照明をミックスした照明)で照らして、さらに柔らかい雰囲気になっています(ニュアンスカラー(微妙な色合い)なので、照明の色や、外の光の入り方によって色味が変って見えますが、一枚前の写真と同じライトベージュ色です)。

DSC_0322_pt

廊下突き当りにある書斎には、飾り棚も入り、二重壁も仕上がってきました。チーク突板で作った飾り棚は中央と左側で棚下照明の種類を変えてみたのですが、明るさに違いがあり過ぎるので、これから照明器具を変えるか、明るいライン照明の方にフィルムを貼るなどして、調整してゆくことになっています。

DSC_0323_pt

扉なしで繋がる書斎と寝室の窓際は、カーテンを隠す二重壁になっています。カーテンが入らないと、この効果が見えにくいと思いますが、とても良い仕上がりになっていました。

DSC_0318_pt

寝室は、柱型に合わせたニッチの壁に、ウルトラスエードをパネル張りする予定になっています。因みに、書斎と寝室は壁のみライトグレーで、天井は白く仕上げて貰っています。

DSC_0308_pt

キッチンもクチーナでオーダーしたキッチンが入り、壁の大理石調大判タイルも無事取りついています。

DSC_0314_pt

キッチンから裏動線を進むと、このユーティリティーが現れます。左右には可動式の棚板とカウンターがあり、正面部分にはビルトイン型の洗濯機がはいり、その横には洗濯物を折りたたんだりするカウンターがついています。因みに、こちらの部屋のテーマカラーはライトブルーです。

DSC_0338_pt

廊下を挟んでユーティリティーの反対側にある来客用トイレは、ライトグリーンの塗装に大理石モザイクがアクセント壁に張られています。こちらの色合いも上品に仕上がってきました。

DSC_0364_pt

ユーティリティーと書斎の間にある、通り抜け型のウォークイン・クロゼット(正確には、ウォークスルークロゼットですね)では、造り付けのクロゼット家具の取付けが始まっていました。こちらの天井もユーティリティーと同じ薄いブルーになっています。

DSC_0316_pt

洗面所には、大理石(グリジオ・ビリエミ)の甲板の洗面家具が入ってきました。シックな濃いブルーグレー塗装の扉との相性も良さそうです。キッチンの壁、浴室のアクセント壁にも使った大判大理石調タイルの余りを、メディスンキャビネット下の壁に使ってみました。

R0056081_pt

何度も色や素材についての打ち合せを致しましたが、これが最後に色決定打合せの際の様子です。

カラーパレット

そして決まったのが、上記のインテリア・カラー&素材ボードです。上から順に、リビングダイニング、書斎&寝室、洗面&浴室、来客用トイレです。

それぞれニュアンスカラー(微妙な色調)で塗り分けられた空間が、そこに合わせた突板や大理石、タイルなどによって、少しずつニュアンスを変えながらその部屋らしい雰囲気を作り上げてくれています。完成した暁には、お施主さまお手持ちのオリジナルのアート作品やアンティークの家具などが並んでゆく予定ですが、とてもきれいに仕上がりそうだとZさまも喜んでくださっています。