Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

LDとキッチンを間仕切る4連引き戸の吊り込み

白金台E邸

お客さま検査後、お引渡しまでの工事が再開している白金台E邸にて、リビングダイニングとキッチンを間仕切る4連引き戸が吊り込まれました。

天井のレールは工事の早い段階から仕込まれているものですが、そこに吊り込み用のローラーを設置してゆきます。

空間の間仕切りの引き戸では、床にレールが取り付かない上吊りのシステムを使いますが、引き戸が4枚となると、引き戸同士がズレてぶつかったりすることが怖いので、床にマグネット式のピンを付けて扉がフラつくのを防ぎます。

そのマグネット式のピンも、手探りで位置を探りながら設置するようないい加減さではいけないので、建具取り付けをお願いしているアルノの鵜飼さんたちは、この写真のようなベニヤ板のガイドを事前に作って、床フローリングにマークしながら取り付けを行ってくれました。

全部で28個(!)のマグネット式ピンを正確な位置に取り付けて貰いました。

こちらが、当初僕らが描いた図面をもとに施工会社のスタイル・イズ・スティル・リビングが描いてくれた施工図で、そこに現場を見ながら細かい変更納まりをチェックした図です。

訂正して戻ってきた図面に、またコンセントや照明スイッチ等位置変更に伴って、変更を指示いたしました。

建具が吊りこまれた後も、扉を動かしながら、ピンの位置を調整してゆきます。

扉4枚を全部引き出した後にも、扉と同じデザインのパネルが壁に乗っているデザインとしているので、実質上5枚の建具を吊り込んで貰ったようなものです。

まだ上レールのストッパーの位置が決まっていないので、建具がずれていますが、4枚の引き戸を閉めた際のリビングダイニング側からの様子がわかってきました。

閉じた状態をキッチン側から見ると、このような様子になります。戸先の壁はには腰壁を設けており、少し段差があるため、引き戸がピタリとは寄らないデザインとなっていますが、そのことについては事前にお客さまと相談済みで、今回のこの引き戸は目線を隠すためのもので、密閉するためのものではないので、この程度の隙間はOKとのお話になっておりました。

引き戸の横の玄関ホールからリビングダイニングへの木製扉もほぼ同じタイミングで吊りこまれています。

上記の図面にも、4連の引き戸とこの扉は違ったデザインのものが隣接しあうので、一緒の図面に描かれていましたが、両袖のガラス入りの袖壁や玄関ホール側の靴収納とも絡んでくるデザインとなっているので、こちらも細かく製作図のチェックを繰り返してきました。

まだガラス養生の紙が貼られていますが、玄関ホール側から見るとこのような様子になっています。重厚でいながら、光を適度に玄関ホールに透過する、イメージ通りの出来となっていました。

建具関連では、廊下に2枚設けた納戸とSICの扉の特注金物取っ手とクロスの納まりがおかしかったので、施工側には申し訳ありませんでしたが、特注金物の作り直しとクロスの貼り換えをお願い致しました。

その他では、先日お客さまに現地で設置高さを確認して頂いたテレビはボードに取り付いて、横のキャビネット内に置くDVD機器との接続のされていました。

玄関ホール横の来客用トイレでは、鏡の取付はまだですが、ペンダント照明の吊り込みも終わり、

家族用浴室内のシャワーや金物類の取付も終わっていました。

検査時には取り付けの歪みを指摘した書斎の本棚は、一度取り外したうえで、壁下地を調整してもらった上で、取り付けを待っています。