築浅かつ高級マンションでは、壁や天井の下地材はLGSで作られることが、ほぼ定説となっていますが、なぜかこちら一番町A邸のマンションは、木製下地材で組まれています。
マンションリフォーム&リノベーションに特化する以前は、在来木造工法の住宅設計を得意としていたので、元々木製下地の方に愛着を感じていたので、その点では何の問題もありませんでした。
以前ぼブログ記事「LGS(軽量鉄骨)下地のメリット・デメリット」でも書きましたが、木製下地はLGS下地に比べて、現場でのフレキシブルな対応が可能だったり、既存を部分的に残しながらの工事の場合の微調整が可能なこともあるので、今回の現場では却って適していたのかもしれません。
解体時に一度取り外されていたキッチンも、冷蔵庫と仕切る袖壁の隣に再設置されていました。
既存の天井高さ(折り上げの下がった部分)とキッチン内の天井の高さが微妙に違っていたので、キッチン内の天井は組み直すことになっています。大工さんが作業しているのは、大き目に作られていたPSを有効活用して、AV機器収納を組み込む工夫を作ってくれているところでした。
PSは写真で手前に出っ張ってきている突端にあったのですが…
部分解体調査の時にも、ある程度判っていましたが、PS内部を上から覗きこむと、相当大きなスペースが隠されていました。ちょうど床にバッテリーセットが置かれている個所が使えそうでした。
壁の低い個所が少し出っ張っていますが、その一部を欠き込んで、AV機器の収納ボックスを埋め込む計画としています。
大工工事が始まってから数日経った様子です。一般にスピードが要求されるLGS下地工事では若い大工さんが多くなりがちですが、細かい細工や面倒な調整作業が必要な木製下地工事では、どちらかというと年配の大工さんが呼ばれるケースが多いのではと感じています。
床下地もきちんと組み上がって天井も折り下げ部分からキッチンまで、きれいに繋がっていました。
LDの天井にあった大きな折り上げ天井は、部屋の構成に合わせて、縮小しています。電気配線を通した後で、脚立を使って天井のボード張りが進んでいました。
浴室を設置する空間は、床下の排水管と天井裏のダクトがひかれていました。
その横の洗面脱衣スペースには、ダブルシンクカウンター用の排水管が2本と洗濯機用の排水管が墨出しされた位置まで伸ばされていました。