Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト・成城Z邸が始まるまでの経緯

成城Z邸

新しいプロジェクト、成城の低層マンションリノベーションプロジェクトZ邸が始まります。お施主さまのZさまから初めてメールでご連絡を頂いたのが2015年の5月ですから、約2年前のことになります。頂いたご相談メールは以下のような内容でした。
「初めまして。先日、成城に約160㎡の中古マンションを購入しました。〇月中の引っ越し目標に不動産仲介会社が候補に挙げたリフォーム会社の中から選んだ会社とリフォーム内容を進めている段階です(リフォーム会社とはまだ契約はしてません)。生活形態が一般的ではないのか、彼らが作ってくれたリフォーム案がどうもしっくりきません。自分の中で好みやイメージはあるのですが知識がないので具象化できない状態です。」とのことでした(メール文章は、プライバシー保護の為に、一部改変しています)。

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具体的な引っ越しのスケジュールがあるので、基本的にはここまで相談してきたリフォーム会社で工事は進めたいとのことで、この案に対して有料で構わないのでアドバイスが欲しいとのご依頼でした。基本的には、初回にこちらの事務所に出向いて頂いてのお打ち合わせは無料としておりますので、事前に送って頂いていた資料を見ながら、何が問題なのか、僕らがアドバイスをするとすれば、どのようなことが可能かをご説明させて頂きました。
それに対して、Zさまから「今日はありがとうございました。人さまのリフォームなのに真剣で親切な対応感謝します。特に全体像のバランス、細かい造作(モールディングのお話)など眼からウロコでした。短時間でリフォームを終わらせようということ自体が間違えなんでしょうね。少し考えてみます。
今後、アドバイスを賜るかどうか改めてお返事させてください。本日は本当にありがとうございました。」とのご連絡を頂きました。その後、幾度かスケジュール感覚や具体的な費用等についてもメールでやり取りさせて頂きましたが、どうしても引っ越しのスケジュールを動かせないので、今回は諦めますとのご連絡がありました。

その後、3か月ほど経ってから、再度以下のようなメールがZさまから届きました。
「お久しぶりです。以前、成城マンションのリフォームのことで相談させていただいたです。お願いがありメールさせていただきました。
その後、リフォーム会社さんに基本設計料をお払いし、プランを練ってきました。リフォームプランも大筋が決定し、ショールーム巡りをしています。マンション組合からのリフォーム許可も出ました。まずは解体をしてみないとわからないことがあるので今月△日くらいから解体が始まる予定で、その前に工事契約をすることになっています。
しかし、どうもひっかることがあり本当に契約してよいのかな、とこの後に及んで躊躇しております。一度、各務さんに有料のご相談をお願いしたいです。」との内容でした。

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もうそのリフォーム会社との打合せも4か月以上続けてきたそうで、図面も見積りも出来上がっており、マンション管理組合への申請・許可も下りており、あとは契約を結ぶだけで、工事着工時期まで決まっているとのことで、この段階から何か有用なアドバイスすることは難しいのではと考えて、当日はお返事をためらっておりました。

メールを頂いた翌日に、他のお客さまと一緒に青山にあるミノッティのショールームに伺ったところ、何とそのZさまと偶然鉢合わせになったのです!

元々Zさまは、少しクラッシカルな雰囲気の空間に、モダンでスタイリッシュなミノッティの家具を入れたいとのご要望で、ミノッティの家具を採用した経験が豊富な建築家をインターネットで探して、僕らのことをお知りになったそうです。そういった意味では、ミノッティのショールームでお目に掛かる可能性はあったのでしょうが、ご相談メールを頂いてお返事をどうお返ししようか迷っているタイミングでしたので、何かのご縁を強く感じました。その場では、ご案内をしたいたお客さまもいらしたので、お返事を致しますとだけお伝えして、事務所に戻ってからすぐにご連絡して、お打ち合わせの日程を決めさせて頂きました。
(写真は、その後にミノッティ・ショールームにご一緒した際のもので、参考写真です。)

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改めて、リフォーム会社が作った図面と見積りを拝見しながらお話をさせて頂きました。残念ながら図面は平面図とイメージ図的な展開図が数枚しかなく、お見積りもZさまが指定した部材だけはスペックされていましたが、それ以外は一式見積りばかりで、全体的に経験不足なことがすぐにわかるような内容でした。Zさまが不安に感じていた内容と、こちらが指摘したことがほとんど一致したこともあり、リフォーム会社との契約はひとまず見送ることになりました。
そこから先は、①お施主さま側のアドバイザーとして打ち合わせに参加しながら、その会社と計画を進めることにするか、②スケジュールを大幅に伸ばしたうえで、僕らがデザイン・設計をゼロベースからやり直すか、或いは③僕らが良くお願いしているリフォーム会社の幾つかの候補の中から選んだ会社に設計施工でリフォームをお願いして、僕らがデザインアドバイスで入るか(こちらの方が②よりスピーディに工事に入れます)の3つの方針を比較検討して、最終的には③の方針で、かつリフォーム会社はリフォームキューで担当者は岩波さんと森井さんで進めることになりました(写真は後日、スタッフの竹田さんと一緒に成城のお宅を訪問した時のものです)。

ここまでのリフォーム計画を進める際には、ずっと僕らのブログを参考にしてきてくださったそうで、お願いすることになったリフォームキューの担当の岩波さんのこともブログでご存じだったことも信頼関係を築く上では大いに役に立ったようです。

以上のような経緯を経て、改めて成城Zさまのお宅の全面リフォームのお手伝いをすることになりました。Zさま、どうぞ宜しくお願いいたします!