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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

エドラ・スタンダードを選んだ理由_城南R邸住戸Bでのソファ選びプロセス

城南R邸

城南R邸の住戸Bのソファ選びの変遷をブログにてご紹介いたします。
同じマンションのペントハウスにある住戸Aは家族ユースなのに対して、こちらの住戸Bはゲストを呼んで一緒に食事を楽しんで、食後はゆっくりソファで寛いで会話や映画などを楽しみたいというのがこちらのリビングの目的となります。

当初案は、上のシンプルな一直線のソファでしたが、そこからセパレートなL字を経て、変形L字へと変化していきました。部屋のコーナーの柱型と、テレビをどこに置くかでソファレイアウトのバリエーションが生まれるのですが、普段テレビを見る時間が多い訳ではないので窓際に電動スクリーンを設置して、プロジェクターから映写することにしたことで、ソファの位置は決まってきました。
3つめのソファは、B&Bイタリアのヌーヌ(Noonu)を試しにレイアウトしてみたものです。変形コーナーソファがちょうど柱型を避けてくれて良さそうなのですが、今の図面レベルでは本当に入るのかが判断できない状態でした。

ソファの奥で女性が寛いでいるこの写真、実は城南R邸のソファ選びを始める少し前、イタリアの家具ブランドのエドラ(edora)がまだ渋谷にショールームがあった頃に、懇意にしているインテリアデザイナー、utideの齊藤さんと一緒にショールーム見学をさせて貰った際のものです。小さなショールームでしたが、このスタンダード(Standard)というソファの座り心地が良いのと、変形なピースを好き好みに合わせて組み合わせられる考え方に大きなポテンシャルを感じていました。因みにこの写真、齊藤さんの了解を得ずに撮影してしまったものでしたので、リラックスした姿はモザイクにさせて頂きました。

この型紙のようなピースを組み合わせてゆくと、蛇のように色々な形に変形させることができるのです。

型紙を元に、色々なレイアウトを検討している最中のスケッチ図です。一般的なソファレイアウトだと、コーナーに大型ピースを置く程度のバリエーションしかありませんが、このスタンダードは大型変形ピースが幾つかあるのでバラエティーに富んで見えますね。

以前のブログでも書いた通り、キッチンが拡大されると共に、リビングも広くなることがほぼ決定したので、エドラの弊社担当者の針生さんにデータを貰って、エドラのソファをリビングにレイアウトしてみると、見事にフィットすることが判りました!

このCGだけでもソファとリビング空間がフィットしたラウンジ感が出てきました。さらにレイアウト図を見ているうちに、柱型部分を斜めに消す壁を作ると、まるでリビング空間がソファを抱え込むようなイメージになることに気が付きました!

紫の点線で囲んだ部分が柱型を斜め壁でカバーした案です。

それを担当スタッフの前田君がCGにしてくれたものがこちらです。壁が折れ曲がりながら一枚に繋がったので、仕上げを統一できたこと(以前は柱型で2枚の壁に分かれていたので仕上げを変えていました)でシンプルな空間にエドラのソファがゆったりと配置されたイメージになりました。
これまでソファを空間に置くことを意識してきましたが、そうではなく、ソファを包み込むように壁や造作を作ることで、本当に居心地が良いリラックスした空間ができることに気が付いた次第です。家具を置く空間から、家具を中心に構成される空間へと主従関係が反転した瞬間だったのです。

このアイデアとレイアウトはRさまご夫妻もとても気に入って下さいました!
すぐにでも発注に移りたいところなのですが、その肝心のエドラのショールームが南青山に移設することになってしまい閉じてしまい、実際のソファを体験する機会が無くなってしまっていたのです…。

そうこうしているうちに、ようやくエドラの新ショールームがオープンしたとのこと、Rさまご夫妻と一緒に南青山の新ショールームに伺って参りました。左側の鏡壁の前にあるダークグレーのソファが今回選んでいるスタンダードです。

ショールームはかなり広く、スタンダード以外のユニークなソファやチェアなどが色々あるので、大本命をトライする前に、他の色々な家具を試してみることにしました(笑)。

特にチェアは本当に座れるものなのか、不安に感じるような作りや素材なのですが、一旦座ってみると体にとてもフィットする作りで、見れば見るほど、使えば使うほど愛着が湧くような家具群なのです。

そして、ようやく最後にスタンダードに辿り着いた(笑)お二人です!
座り心地のよさと、バックシート部分を伸ばしたり折り曲げたりすることで、自分に一番快適な座り方ができることがとても気に入って下さったようです。

エドラはソファの下地となるウレタンクッションを独自開発しているとのこと、他社が使っているモールドウレタン(左)とオリジナルウレタン(右:特許取得したポリウレタン「Gellyfoam®」)を比較させてもらいました。オリジナルはより深く沈み混むのですが、そこからの復帰がとてもゆっくりで、吸い付くような弾力と、ゆっくりとした復元性がとても印象的なのです。
Rさまにも触って体感していただくことで、座り心地の良さを深く理解していただくことができました。

ここまでに何度もCGや写真で見てきたソファが、思っていた以上に座り心地も良いことが確認できたので、ほぼこのソファで決まったという流れの中で、張地選びへと移っていきます。

ウレタンフォームだけでなく、これらの張地全てが、エドラのオリジナルなのです。オリジナルといってもファブリックメーカーに依頼して作って貰ったオリジナルではなく、全て自社で開発、製造したこだわりのオリジナルファブリックなのです!

シリーズごとに違う触り心地や温かさ、厚みなどを確認しながら…、

今の時点で仮決めしてきたラグや壁素材との相性を考えて、ブルーベースの2色を最終候補として選ばせていただきました。普通であれば、これで見積もりを取って最終的に2色から絞って発注となるのですが、時間的な余裕があったので、その次の打合せ時までに、選んだ2色で再度CGを作って確認することとなりました。

こちらがソファの2色展開のCGです。ベルベット生地のように見る角度で色の濃淡が変わる生地は、CGでの再現がかなり難しく、前田君もCGの色味調整を最後まで頑張ってくれました。

この日のRさまご夫妻とのお打ち合わせは、初めて南青山に事務所を引っ越してからでしたので、打合せ室のモニターを使って、前田君がリアルタイムでCGの色味を変えながらのお打ち合わせとなりました。その中で上記のCGを見て、ソファの色味が沈み込みすぎていて、暗く感じるとのこと、もう一度エドラのショールームに行って確認しようとのことになりました。新事務所からエドラまでは歩いて7~8分、お客さまの車で5分の距離で、お客さまも事務所が南青山に移ったこと喜んでくださいました。

エドラのショールームでは展示が変わっており、スタンダードソファはより大型の白っぽいものに変わっていました。

新たに選びなおした色味は先回のものより明るめで、そこにアクセントとしてちょっと色味が違うクッションを置く形でCGを作り直すことになりました。

そして3種類の色味のソファを角度2パターン、そして昼と夜のCGを作った結果、一番明るい色味のもので進めようとのご判断をRさまご夫妻から頂きました。竣工時に間に合わせるためには、そろそろ発注しないといけないタイミングでしたので、すぐに見積もりとご請求書と発注書を用意して、発注へとの流れとなりました。
ブログでは1本の記事にまとめましたが、実際にかなり長いプロセスでしたが、何度もショールームに行って、都度CGを訂正しながらの選定プロセスだったので、Rさまご夫妻も「ここまで悩んだ分、本当に安心して発注へと進めることができました」と、感謝の言葉を伝えてくださいました。