目黒区O邸の大型キッチンは、早い時点でお客さまがリネアタラーラのデザインと考え方、そして担当者の牧野さんを気に入って下さったので、脇目を振らずにリネアでの打ち合わせを進めています。
初回のショールームは、土日で僕らとタイミングが合わなかったのでOさまご一家だけでのご訪問でした。当初のキッチンラフ案に、お客さまからのご意見と、リネアタラーラの牧野さんからのフィードバックを加えた案を練った上で、2回目の訪問は僕と担当の神崎さんと一緒に伺わせて頂きました。
今回は3回目の訪問となりますが、収納やシンク等の使い勝手を確認しつつ、仕上げ材を大まかに決めたうえで、概算見積りを依頼するための打ち合わせをさせて頂きました。
ダイニングに面する対面側のシンクカウンターは、天板は最初からご主人がとても気に入って下さっているステンレスのホットバイブレーション仕上げで、キッチン内側の仕上げはメンテナンスとコスパを考えてメラミンで、ダイニング側は見映えの美しさとダイニングらしさの演出の為に塗装とカラーガラスで検討しています。
コンロ側については、僕らが良く使っているイタリアのフィアンドレ社の大理石調大判タイルをお見せしたところ、金額的には高くなりそうだが、是非見積りの段階では入れておいて貰いたいとのご希望がありましたので、柱型のカバー部分も含めてスペック・インすることになりました。キッチンに於いては冷蔵庫のサイズや仕上げもキッチン本体と同様に重要なので、まだ仮の段階ではありますが、どの冷蔵庫を採用すべきかも打ち合わせをさせて頂きました。
概算見積りが2週間ほどで出て参りました。それをOさまと僕らで、金額を削りたい部分、設備で増額したい部分を打合せするために、3回目のショールーム訪問を致しました。
ご主人さまこだわりの大型の魚でも捌ける幅1100ミリのシンクに対して、水栓2つをどのようにすべきかの実地打ち合わせもさせて頂きました。
水栓は一つはグローエのJP301101、もう一つは浄水器付きのセラHGM13806Tで2本の水栓の間隔の寸法と位置関係の実験検討を致しました。こういった実験スタイルの打ち合わせは、多様な水栓のサンプルストックがあるショールームならではのメリットですね。
今回は引き出し収納の内寸も見たいとのことでしたので、巻き尺片手に設計している図面と同サイズの引き出しを実測しながら見て回りました。
奥行きの浅い対面カウンターのダイニング側の引き出しの奥行き寸法や…、
高さの浅いカトラリー用引き出しの内部有効高さも見て頂きました。扉を閉じた時にスッキリ見える手掛け引き出しの高さ寸法が浅くなってしまう理由もご説明させて頂きました。
仕上げ材のグレードの再設定と、当初キッチンで検討していたワインセラー収納部分を造作家具で作ることに変更することなどで、キッチン部分に掛ける費用の目標値も見えてきました。
早い時点で、お客さまからキッチンとしての内定(実際の発注前ですが、他社との比較検討でリネアに依頼することを決定)が出ていたこと、またコロナ禍でミーレの食洗器の先行発注をすでにしていること、僕らカガミ建築計画とリネアとの関係などから、牧野さんがここまで図面も作ってくれております(通常は、キッチンの契約をしたうえでなければここまでの図面は仕上げて貰えません)。
ここまででほぼ内容が決まったので、次回のお客さまとの現場打合せの際に牧野さんにも来てもらい、キッチンの工事契約を締結して貰うことになりました。
今回はコロナ禍の中でのスピード対応で、お客さまのショールーム訪問は3回(うち僕らが同行したのは2回)で複雑で大型のキッチンの設計と見積り額を纏めることができました。ただ、その裏では、お客さまご夫妻でミーレのショールームに行って頂いたり、施工会社の青とリネアと僕ら設計でキッチン中央を貫通するPSの取り合いや寸法確定のためのメールでの大量のやり取りがありましたが…。