解体時に色々と問題が判った品川区Y邸ですが、まずはスケジュール通りに外壁に面した 壁部分への断熱材の施工が行われています。
RCマンションの断熱施工には、発泡ウレタン現場吹付方式と貼り付け方式がありますが、今回は貼り付け面が比較的平らで凹凸が少ないことと、地上7階で道路面に駐 車場もなかったので、施工が容易な貼り付け方式を採用してもらいました。
旭化成のネオマフォームを大工さんが貼り付け作業中の様子です。カッターで簡単に切断でき、専用の接着剤で隙間なく詰めて行きます。と、書くと簡単に思えますが、実はこの隙間なく貼り付けるのが一苦労なのです。
施工が簡単な貼り付け方式の一番の問題は、施工不良による隙間の発生なのです。写真のように隙間なく、ピッタリと寄せて張ってもらえると良いのですが、裏面のコンクリート素地がガタガタで、裏面に空気が通る層ができてしまったり、1センチ以上の隙間が生じて、そこに湿気を含んだ空気が入り込めば、その部分に結露が発生してしまうので、如何に隙間をなくすかが一番重要なポイントになります。
以前ご紹介した杉並区S邸では、このような吹付方式を採用いたしました。加圧コンプレッサーを近所に置く場所があり、そこから当該マンションへの管を通すルートがあり、かつ面積が大きい場合は、この方式で断熱材を施工すると、隙間なく発泡ウレタンを充填することができ、さらに施工のスピードも速くとても便利です。反対に上記の条件が揃っていない場合は、貼り付け方式を採用することになります。
張り付けでもどうしても隙間ができてしまった場合は、一液性の発泡ウレタンを隙間に詰めてもらうことで、マンションの外壁に面した部分すべてが断熱材でくるまれているように注意します。
リフォーム前は北側の収納などの結露に悩まされていらっしゃったYさまも、これで安心し て温かく温度差の少ない住宅で暮らせることになりそうです。