赤坂S邸の工事は、フローリングが張り終わり(すでに養生済みです)、ボードも大分仕上がってきました。
今回の工事では、LGS(軽量鉄骨)工事もボード張りも、造作工事もひとりで作業ができる、大工の内原さんが担当してくれています。これまでも幾つかの工事でお世話になっていますが、これまでの経験から色々な細かい工夫をしてくれたそうです。
新規の窓枠と幅木がフラットに収まった所に、3ミリの目地をあけてまた塗装仕上げの壁がフラットに収まる仕上げを考えてくれました。石膏ボードだけだと角が崩れてしまうので、通常はプラスチック製のコーナー見切り材を入れるのですが、そうすると、その見切り部分がパテ処理で2ミリほど膨らんでしまうので、目地際の3センチ部分を特殊な素材で作ってくれました。
その特殊建材が、こちらの伊藤忠建材の地球樹Mクロスだそうです。表から見ると普通の合板ですが、裏にライナー紙を張り付けたものだそうです。コーナー部分に合板を使うと、仕上げ塗装をした際にベニヤ板のアクが浮いてきてしまうのですが、ライナー紙を貼ってあることで、合板から染み出るアクやシミを防止してあるそうです。また、石膏ボードと併用できるように、コーナーを面取りしてあるため、塗装下地を作る際のパテ作業も楽になっているスグレ物だそうです。
こちらかリビングと寝室を間仕切る壁と引き込み扉の吊枠、クロス巻き仕上げの壁下地にピクチャーレールが絡んだコーナーの下地ですが、こちらでも地球樹Mクロスを使ってみたそうです。
違う箇所の引き込み扉の吊レール埋め込み個所ですが、こちらでも普通のベニヤ板は使っていませんでした。
こちらも普通の納まりに見えますが、奥の室内側はダクトを隠す分だけ天井が下がっています。縦面と横面でクロスを張り分けるために、出隅にクロス用の巻き込みコーナーを埋め込んでくれています。
リビングと寝室は引き込み扉で仕切られていますが、床がフローリング(リビング側)とカーペット(寝室側)と分かれているので、ステンレス製の見切りを挟み込んでくれています。壁も塗装(リビング側)とクロス(寝室側)と分かれているので、幅木や枠の納まりもきちんと仕上げられるように作り込んでくれています。
こちらも同じようなディテールですが、左側が床タイル張り仕上げの洗面で右側がフローリング張りのリビングですが、ステンレス製の見切りがきれいに通っていることが判ります。
キッチン側から見た寝室と洗面への扉が入る開口部です。それぞれの開口部が少しずつ違った条件になってくるのですが、それを図面からきちんと読み取って、仕上げ工事まで考えた下地を作ってくれている内原さんに感謝あるのみです…。
玄関ホールの壁と建具の枠下地も出来上がってきていました。
こちらがスタッフの前田君が描いてくれた玄関ホールの二つの建具をフラットに収めるためのディテールスケッチ図です。今回はデザインアドバイスとしてお手伝いしているので、本当はディテールまでは図面化しないお約束でしたが、リフォームキューの現場担当の石原さんと鈴木さん、そして大工の内原さんの頑張りを見て、僕らも頑張らざるを得ない状況になっていました。
寝室部分の下地も仕上がってきています。正面壁の左寄りにコンクリートの柱が見えますが、これを造作家具で隠して、雰囲気のある寝室に仕上げるデザインを考えていますが、何とかうまく行きそうです。正面壁の右下と左下には、壁裏の免震ダンパーを避けて、追加でお願いした収納が入る孔が空いています。
リビング側から玄関ホール側を見返した写真です。キッチンを収めるための壁が仕上がり、天井のエアコンの移設も完了していました。
玄関ホールとリビングの間には、木製建具が入りますが、そのためのフロアヒンジも無事埋め込まれていました。
そして、数日後には玄関ホールには大理石のグリジオカルニコが張られ始めました。
同じグリジオカルニコのスラブ(石の板材)で作られた、トイレのカウンター材も搬入されました。右側のベージュ色の物体が、手洗いシンクを裏返してみたところです。接着剤などでしっかりと固定されています。
洗面所のタイルを張っている作業中です。正面左上の方で、二枚同じ柄のタイルが同じ向きで並んでいる個所があったので、その分だけは職人さんにお願いして、張り直してもらいました。
照明計画も、お施主さまのSさまと最終確認が取れました。キッチン上部だけ少し変更がありますが、照明器具の取りつけの準備も終わりました。
建具の取っ手の色や、建具のツヤなどについても、一度お打ち合わせで決めた後、前田君が混乱しないようにそれぞれの部屋の仕上げ材と並べて写真で記録を作って、お施主さまと施工会社に送って確認してくれています。