玄関ホール床にご提案したイタリア製天然大理石製のモザイクタイルのシチス(SICIS)が港区R邸の床に実際に張られましたので、そのプロセスを纏めておきます。
モザイクというと、一般的に細かいタイルをモザイク状に張ったものと考えられがちですが、タイルに限らず本物の天然石や大理石をはったものもモザイクタイルと総称されます。「モザイク」という小さな破片を組み合わせて図柄を表現する考え方は、古くはギリシア・ローマ時代から始まり、イスラム文化で華開いたものですが、今でも地中海沿岸地方にはその影響が色濃く残っているそうです。
イタリアで最も質が高いモザイクタイルと言われているシチス(SICIS)のショールームを最初に訪問したのが昨年の11月でした。
僕らがイメージしている色味やデザインに合う柄がショールームには無かったのですが、カタログに掲載されていたこの柄と色味がとても良さそうでしたので、こちらをお客さまにご提案することになりました。
このサンプルを同じ柄なようですが、色味が違うと見映えも全く変わってくるようでした。
このモザイク大理石を落とし込んだ玄関ホールのCGをお見せしながら、お客さまと一緒に青山のシチスショールームでのお打ち合わせの様子です。モザイクの質はショールームで確認し、全体のデザインはCGで見ることでご納得の上で決定して頂くことができました。
イタリアに確認した貰ったところ、元となる大理石は在庫があることが判りましたが、納期が5カ月半掛かることが判っていたので、この場でお客さまのご承認を得て、サイズ確定後に発注する運びとなりました。
シチス・ショールームを運営しているTOYOキッチンの弊社担当営業の兵庫さんから貰った、こちらのタイルのパターン寸法図です。こちらは柄がの切れ目がきれいに入るようにしたかったので、赤字の寸法を出してもらったうえで、2000×2000ミリの寸法で発注することとなりました。
そして5カ月半後に届いたモザイク大理石がこちらです。
幾つかの予備ピースと一緒に入っていたモザイクのビニールシートを剥がしてみた様子です。
玄関ホールの床の周囲の大理石とボーダーの石が張り終わったところから、モザイク大理石張りが始まります。
一度、全てを仮敷きしてみたうえで、寸法の大きな狂いがないことを確認後、二人の石屋の職人さんがコーナーから順次張ってゆきました。
張り上がった途端に傷つかないように養生されてしまっていましたが、現場監督の織田さんにお願いしてチラ見させて貰ったのがこちらでした。
その後、養生を外して、出っ張っていたり、凹んでいた箇所を補修してもらった上で、きれいに清掃しても貰った状態がこちらです。とてもきれいな色味と柄で、品のよい上質感があり、これはお客さまにも喜んで頂けそうな仕上がりになりました!