マンションリノベーションの工事進行状況ですが、現在オーダーキッチンの組み立て中です。オーダーキッチンとシステムキッチンは、よく混同されることがありますので、その違いを、設計者の視点でまとめて見ました。以下、オーダーキッチンの特徴です。
・扉材とカウンター材をあらゆる素材から選ぶことができる
(システムの場合、決まった選択肢の中から選びます)
・金物、金具、装置類を多様なカタログから探すことができる
(システムの場合、そのメーカーが指定したものから選びます)
・クライアントの好みで、ありとあらゆる組み合わせができる
(システムの場合、提示されたユニットの組み合わせとなります)
・ミリ単位で寸法の指定ができる
(システムの場合は3〜5センチ単位で決めることになります)
・照明器具の組み込みや、建具との連動など、デザインの自由性がある
(システムの場合、特注変更の自由度はあまりありません)
・選択肢の豊富さや、デザイン性のバラエティーがあるため、時間と費用がかかる
(システムの場合は、カタログから選ぶので、時間はそれほど掛かりません、但し、費用はメーカーによってマチマチです)
システムキッチンも、各メーカーが競ってユニークなデザインや独特の機能を開発しているので、最近はオーダーキッチンなみの自由なデザインを実現しているものもあります。また、オーダーの場合、金物類は選べると書きましたが、あるシステムメーカーが開発した金物や装置類は、使えないケースがほとんどです。
今回の白金台の高級マンションリノベーション計画では、オーダーキッチンを選択しました。その理由は以下の通りです。
- 扉の面材をリビングダイニングのデザインに合わせたかったから
- リフォームで平面の寸法や天井高さから、通常のシステムキッチンが使いにくかったから
- 使い勝手と同様、デザイン性をきちんとコントロールしたかったから
特にキッチンの引き戸を開けた際、ダイニングと直に空間が繋がり、ダイニングやリビングの家具や建具で使っている面材と同時に見えてくるシーンが多いことが、一番の理由です。
既存の壁を解体した時点で、下地や配管をチェックしてもらい、更にリフォームの壁を立てた時点で、詳細な寸法確認をしてもらい、それらを基にした製作図面を設計側でチェックし、ようやく製作が開始され、現在の現場での組み立てに至るという長い道のりです。一昨日からキッチンの搬入が始まり、約四日のスケジュールで組み立ててゆくことになります。
キッチン完成後の様子はこちらをご覧ください。