白金台のマンションリフォームに、いよいよ建具が吊り込まれ始めました。まずは、玄関を入って直ぐの玄関ホールから、リビングへと導く箇所の建具です。何といっても、一番最初に目に入る建具なので、この扉に求められた条件は、
- マンションインテリアに合わせて、シンプルモダンであること
- 同時にある程度の重厚感があること
- 閉じた時も開けた時も、サマになっていること
- 暗めの玄関への明り取りも兼ねていること
等でした。
開いている時でも、閉まった時でもサマになるように、ヒンジはフロアーヒンジを使っています。フロアヒンジは、床下に大きな仕組みを埋め込み、天井にピボットの芯となる金具を仕込みますが、どちらも上手くカバーすれば、複雑な機構を全て隠すことができるからです。
シンプルモダンでありながら、重厚感を持たせるデザインを実現させることが、一番の苦労でした。面材には他の造作家具にも使ったオニグルミを採用していますが、家具では薄い突き板のところを、厚み6ミリほどの無垢板を貼りこんでいます。通常は、板材の厚みを表現するために、板と板の接合部をV字目地にしたいところですが、すっきりと見せるために、あえて他と揃えるように突き付けとしています。
高級感と重厚感を明かり演出するために、明かり取りと引き手を兼ねた特注の金物を作りました。上部は強化ガラスをはめ込んで明かり取りとなり、下部は、写真のように引き手となった金物です。
スチールのフラットバーを組み合わせた金物に、濃い茶色の焼き付け塗装を施して、建具と組み合わせて貰いました。普通のドアハンドルやレバーのように、出っ張る部分が無いので、閉じた時でも開けた時でもフラットでシンプルに納めることができました。
他の建具も続々と取り付けが始まっています。