Author Archives: Kenji Kagami
2024.06.21
スケルトンで分かった2種類のコンクリート天井仕様と墨出し確認
[新宿区T邸]
新宿区K邸の解体が終わったとのこと、現場定例打ち合わせに行って参りました。
マンション最上階のペントハウスで、天井高が高く、小さな体育館のようなガランドウの空間になっていました。
施工をお願いしている青の現場担当の樋口さんから、天井のコンクリートがプレキャスト仕様になっていることを教えて貰いました。
そう言われて天井のコンクリート躯体を見ると、確かに現場打ちのコンクリートでは出せない滑らかな仕上げと精度が出ていることが分かります。
そして、また樋口さんから一か所だけ大梁を超えたこちらの箇所だけは現場打ちのコンクリートになっていることを教えて貰いました。コンクリートの表情が違うので、良く見るとわかりますが、ずっと現場に常駐して細かいところまで観察しながら施工図を描いてくれている樋口さんからの指摘に感謝です。
というのは、プレキャストコンクリートでは、後施工でアンカーを打つことはお勧めできないので、新しく建てるLGS下地やエアコンや設備類を天井スラブから吊る方法が変わってくるのです。こちらのマンションでは管理規約に躯体へのアンカー打ちを禁止する条項が無かったので、当初は全てにアンカー打ちをする予定でした。ただ、規約にないからと言ってプレキャストコンクリートに後打ちアンカーは容易に打てないので、代替えの工法を検討することになりました。
こちらは現場側が用意してくれた大判の図面で壁位置について確認している様子です。
輸入物のウォークインクローゼットが入る箇所などは壁内の有効寸法が決まっていますが、玄関や廊下などは現場の状況に応じて寸法を調整する調整代(チョウセイシロ)を用意していたので、現場での測量寸法に応じて微調整させて貰いました。
床スラブに、樋口さんと現場補助の池田さんが出してくれた墨出し線です。
スケルトンにすると、新築当時(約18年前)の墨出しがされており、混乱してしまうので、墨の色を変えてくれています。緑の線とブルーのマーカーが新しい墨となっています。因みに、普通のマンションリフォームの現場では、床スラブはここまできれいに清掃されていません。青では墨出しする前に簡易的な清掃をするだけでなく、床スラブを水をつけたモップで清掃してくれるので、ここまできれいなのです!
先回の現場打合せで実測してもらっていた水回りのエリアもすっかりきれいになっています。右側には壁下地となるとLGS(軽量鉄骨)が積まれていますが、これは既存を解体する際にきれいに取ることができたLGSを再利用するために保管してもらっているものです。仕上がりで天井高さが3メートルある現場ですので、床スラブから天井スラブまでを届かせる長物(ナガモノ)のLGSはエレベーターでは搬入できないことが分かっていたので(階段での搬入は可能ですが、階数がかなりあるのです…)、解体時からなるべくきれいに取り外してもらうように依頼しておいたものです。
水回りとの床スラブ段差付近の排水ルートの打ち合わせもさせて貰いました。
雑排水と汚水は合流式になっているので、キッチン以外の排水はどこに繋いでもよいのですが、結局は元の通りに雑排水と汚水をつなぐことに決まりました。
こちらは新しユーティリティーを設ける箇所の壁貫通口の確認です。
内側から見るとこのサイズの四角い貫通口が2か所空いています。
こちらが外壁側からの貫通口です。給水給湯管、床暖房や追い炊き用のペアチューブが多数通りますが、それらを整理することで、ガス乾燥機の乾太くんの排気スペースを確保することができることを再確認することができました。
2024.06.17
オーダーキッチン&造作家具取付工事@元麻布J邸
[元麻布J邸]
デザインアドバイスでお手伝いしている元麻布J邸の現場でオーダーキッチンと造作家具の取り付け工事が始まりました。
元麻布J邸のキッチンは、目黒区柿の木坂のリビングプロダクトさんです。デザインアドバイスではショールームへの同行はしないスタイルでのお手伝いなので、ショールームには設計施工でお願いしているリフォームキューの坂本さんと大久保さんがJさまご夫妻に同行してくれています。仕上げ材についてはLDKのインテリアと密接に絡むので、何度も確認させてもらっています。
今回のJ邸キッチンは、コンロが入るカウンターと調理機器を置くカップボード、そしてまだ組み立てられていないペニンシュラ(アイランドは壁から独立していますが、ペニンシュラは壁と一面で接しています)カウンター、そそして写真中央に開口が開いているパントリー収納の組み合わせとなっています。
コンロカウンターとバックスプラッシュの壁、そしてペニンシュラカウンター材としてセラミック素材のデクトン・トランスを使っています。大理石柄で青と灰色の柄が斜めにドラマチックに入る印象的な素材です。その柄を生かすためにあえて他の扉材は墨黒の艶消し仕上げを使っています。
こちらは造作家具のアルノにお願いしている洗面廊下の長い洗面カウンターの組み立てです。
ダブルシンクとビルトイン洗濯乾燥機、リネン収納まで含めて3500ミリ(3.5メートル)の超ロングカウンターです。
カウンターの甲板はカルチャードクオーツ(中外交易)のアランネロを使っています。この写真では甲板は逆さまに置かれて、陶製のシンクを接着する前の状態です。
こちらは同じ素材を使ったトイレ内の手洗いカウンターです。サンプルで見るよりさらに力強いイメージに仕上がりました。かなりカッコよいです!
トイレはブラックをテーマ色にしていますが、便器背面の大理石調タイルの壁も仕上がってきています。
担当スタッフの松藤さんが苦労していたリビングのTV壁の横のトール収納家具もきれいに組みあがっていました。
内部の棚にDVDプレーヤーを置いて作業ができるように、L字型に組まれた扉が大きく開く作りとなっています。収納内部にテレビ設置から壁裏を通してCD管が繋がっています。
大きな棚が固定棚でDVDプレーヤーを置く棚で、その他は奥行の浅い可動棚となっています。
間接照明を入れた梁型と同面(ドウヅラ)に収まっており、右端のPSを隠すように作られています。棚の背部の黒い仕上げは、まだ目地材を詰める前のハイテグラ壁です。
ハイテグラはタイルと目地材を組み合わせた特殊な仕上げですが、これについては次回のブログでまたご紹介予定です。
玄関ホールのオデッサベージュ仕上げの壁も仕上がっていました。その左奥に見えているのはシューズインクローゼットの造作です。
まだ組みあがっていない家具や建具がこれだけ残っているようですが、難しい部分から先に施工してくれていますので、ここまでくれば完成までもう少しです!
2024.06.13
目立たないけど実に重要な下地造作工事について
[ザ・ライブラリー]
ザ・ライブラリープロジェクトの紹介ブログです。
千代田区O邸の工事は順調に進んでいます。
リビングダイニングの一番クライマックスとなるテレビ壁の造作が進んでいます。と言われても、何が進んでいるのかよく分かりませんね…。既存の梁型の石膏ボードをはがして、門型の木製フレームを挿入する準備をしている段階です。ウォールナット柄の木製フレームを取り付けるのですが、ビスで固定する際に表からビス穴が見えないように梁型の表の石膏ボードをはがして、上から引き寄せるように固定しようと考えています。
バルコニー側から見ると、このような様子になっています。右手前下を見て頂くこと、この部分だけ石膏ボードがはがされているのが分かるでしょうか?実はこの個所のボードと下地LGSを外すことでAVボードの奥行きを確保する算段となっているのです。
テレビ壁の反対側、納戸と洋室2への入り口側の壁です。納戸は扉も扉枠も内部造作も全て撤去していますが、洋室への扉枠はそのまま残しています。ただ、元々は白かった枠ですがトープ色のダイノックシートを張っています。中央の壁も腰辺りに線状にシートが貼られていますね。
それをアップで見たものがこちらです。このボードの背面は洋室2のクローゼットになっているので外せないのですが、納戸と洋室2の扉を一体のデザインに見せるために、この石膏壁を残しつつ、門型フレームやカラーガラスを貼ることで一つのデザインみ見せる工夫をしているのです。ちょうど帯状になっている箇所はカラーガラスの継ぎ目の箇所にあたり、正面から見たときに名刺一枚分透かせて張ったカラーガラスの隙間にボードの色が見えないようにこの帯状のシートを張っているのです。
こちらはキッチン側の壁です。一番右がキッチンへの入り口、その左にパネル壁、収納(扉は外してあります)そして廊下への開口と並んでいます。
同じ壁を斜めから見た写真です。キッチンの扉は、リフォーム前はアウトセット引き戸(壁の前(キッチン側から見ると外側)に扉があり、その位置で開閉する引き戸)だったのですが、それだとダイニングから一番よく見えて、絵などを飾りたくなる壁の前を引き戸が通ることになるので、引き戸レールはそのままに、アウトセット引き戸の前に薄い壁を立てて、引き込み戸(戸袋の中に戸を引き込むタイプ)にリフォームしたのです。
右手に見える白い枠が元のキッチンの枠で、その手前の天井にシルバーの吊り戸レールが見えます。そのレールの手前側(写真左側)に薄壁を立てて、引き込み扉変えたのです。扉自体は交換しますが、元の枠と上吊りレールはそのまま再利用するのです。
以下、続きはこちらのブログをご覧ください。