Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

新規プロジェクト:白金台H邸

[白金台H邸]

新しいプロジェクトが、事務所近くの白金台で始まります。築37年で約140平米のヴィンテージマンションの全面リフォームです。

最上階住戸で、三面が外部に面した、日当たりも良く、風通しも良いお部屋です。

バブル前に建てられた、外国人仕様のマンションなので、キッチンスペースもご覧の通り、とても広く、ユーティリティやイートインスペースが作れる余裕があります。

トイレが3つに浴室が2つありますが、メインの洗面がシングルボウルで、トイレ隣となっており、この面積の新しいマンションと比べると、ちょっと貧弱に感じてしまいます。

主寝室に付随した水回りも洗面とトイレと浴槽と一通り揃っていますが、こちらはつぶしてウォークインクローゼットに改装してはとご提案中です。窓があるお部屋なので、小さなお化粧コーナーも設けることができそうです。

マンションの管理事務所の保存してある青焼きの図面集を拝見させて頂きました。

図面がきちんと保管されており、比較的細かくに描かれた平面詳細図や給排水の図面を確認することができました。これから、お客さまとの打合せを重ねて、リフォームデザインを検討してゆくことになります。Hさま、どうぞ今後とも宜しくお願いいたします!

 

特注スチール製サッシの取り付け@横浜伊勢山Y邸

[横浜伊勢山Y邸]

リノベーション再販用プロジェクトとして工事が進行中の横浜伊勢山Y邸の現場に、オーダーで特注したスチール製のサッシが運び込まれました。

今回は、写真で壁に立て掛けられている鉄製のサッシ扉以外にも、これと同サイズのものが他に2枚、さらに子扉を加えて4枚のサッシを設計デザインさせていただきました。

まだガラスが入っていない状態ですが、特注取っ手も組み込まれ、このようなディテールとなっております。

これまでの事例では、シャープさと重厚感の両方を演出するために、太めのフラットバー(平たい鉄の板)で構成して貰っていましたが、今回は重量を軽くして、扉の開閉がしやすいように、角パイプを組み立てて溶接して貰っています。

スチールサッシの吊り込みがあるとのことで、朝早くから現場に乗り込んで、吊り込み(建て込みともいいます)の様子を見学しようとしていましたが、最初の2時間はレーザーを使って、建付けの正確な位置出し作業だけでした…。

このレーザー墨出し器を使って、床のレベル(水平性)、壁のカネ(垂直性)を測った上で、どの位置にそれぞれのサッシを固定してゆくかを慎重に墨出ししてゆくのです。

午後になってから、ようやくスチールサッシの取り付けが始まりましたが、ここからは一気の仕上げで、アレヨアレヨというまに吊り込みが進んでゆきました。作業してくれているのは、スチールサッシをお願いした関根工業の関根社長と関根専務(いとこ同士だそうです)にリフォームキューの現場監督の織田さんです。

左から、固定の子扉、フロアヒンジで可動の扉、つり込み中のものも固定の扉、一番右は柱型の手前を隠す、やはり固定の扉という構成となっています。

すべてのスチールサッシが取り付けられた様子です。吊り込み始めてからここまでは、30分ほどでした!

しかし、ここからまた2時間ほどかけて、細かいレベル調整をしてゆくのです。それぞれの建具の隙間が揃って見えるように、そして横サッシのラインが通るように、写真のような薄い金属板を指し込みながら調整をしてゆくのです。

このように、薄さ1ミリと1.5ミリの金属板を沢山用意しており、床を傷つけないためのプラスチックプレートと工具を使いながらゆっくり時間をかけて調整してくれました。

最後の一枚はオマケです。まだスチールサッシがつく前にチェックしていたキッチンの様子です。シンクカウンタ―の下から、ダイニングの壁下を通して、ステンレスヘアラインの板を張って貰ったキッチンがほぼ完成していました。ブルーのフィルムはステンレス板を傷から守る養生フィルムです。

 

 

 

リネアタラーラのオーダーキッチン@世田谷区Y邸

[世田谷区Y邸]

世田谷区の高層マンションリフォームのY邸では、キッチンを世田谷区の用賀にあるリネアタラーラにお願いすることが決まりました。

素材や質感にこだわりをお持ちのYさまご夫妻との相性、そして同じ世田谷区内であることの利便性、そして何よりY様ご夫妻がリネアタラーラのショールームのデザイン性とコンセプトの賛同してくださったことが、決定の大きな理由です。

最初に伺ったのは、まだ暑い夏の最中でしたが…

それ以降も僕らと一緒に4度ほど、そしてご夫妻だけでも3度ほど訪問してくださったとのことで、年が明けてからようやくキッチン設計の内容も詰まって参りました。

Yさまご夫妻と僕らで図面を見ながらチェックして、それをショールーム伺って、実物をチェックしながら検討してゆくという時間が掛かる作業を重ねてゆきました。

打合せで決まり切らなかった部分については、宿題としてお客さまに持ち帰って頂きましたが、その度に新しい考え方が出てくるというサイクルで、どんどんグレードアップしてゆきました。

時間を掛けていることで、リネアタラーラのショールームも新作キッチンが入ってグレードアップしたり、

キッチンだけでなく、他の部屋の建具や家具にもリネアタラーラのショールームに飾られている部品が採用されるようになってきました。こちらで廊下とクローゼットを間仕切っているスチールフレームでガラスが入った建具は、イタリアのリマデシオ(リマデジオ?)社のものですが、こちらも採用されることになりました。

実際に採用されるのは、こちらの(右側)の黒いスチールフレームの扉で、ガラスは上の写真の金属メッシュが入ったものになります。

ガラスやパネルもこれだけの種類があります。どれもが美しくて、皆どこかで採用してみたい素敵な仕上げ材でした。

他にも、書斎の家具一式もリネアタラーラにお願いすることになりました。何度もの打ち合せ、提案、そして図面修正に快く応じてくださったリネアタラーラの担当者の徳永さんに感謝です。どうぞこれからも宜しくお願いいたします。