Author Archives: Kenji Kagami
2015.12.15
新プロジェクト 赤坂S邸リノベーション計画の調査解体
[赤坂S邸]
昨年ご相談を頂いた赤坂のマンションリノベーションプロジェクトS邸ですが、現地確認やリフォーム提案などを経ていよいよプロジェクトが具現化してきました。
築年数は十数年ですが、エントランスロビー部分はスタイリッシュにリノベーションされているのですが、Sさまがご購入なさったお部屋は元々の賃貸仕様のままでした。
築十数年の100平米超えのお部屋なのですが、元々は1LDKの間取りとなっています(一般的なマンションであれば、100平米あれば2~3LDKの間取りとなります)。
その分、キッチンの通路部分が広かったり、
玄関や廊下が広く、広さがあまり有効活用されていないことで、お施主さまのSさまは全面リノベーションを決意なさったそうです。
ご家族が3人なので、2LDKにしたいとのことで、上記のようなリフォーム案を2案考えてみました。各寝室の構成はほぼ同じですが、キッチンのレイアウトや水回り・収納の位置は細かく調整してみました。
B案のイートインカウンターとキッチンが一体化したようなリフォーム案で進めたいとのご意見を頂いたので、その使い雰囲気が判るように立体的なスケッチを描いてみたものがこちらです。
比較的築浅(築10年ちょっと)だと竣工時の図面もすべてCAD(コンピューターで書いた図面)化されており、優秀なゼネコンが作ったマンションであれば、図面と建物の一致度が高いので、ほぼ図面通りに建物が作られています。ただ、それでも細かい設備配管のルートや壁・天井裏や床下には不確定要素があるので、Sさまに実費を出してもらったうえで、大工さんに半日現地に入ってもらい、調査解体を行いました。壁のボードを部分的に撤去して貰った様子ですが、外壁側はきちんと吹き付けウレタンで断熱されていることが確認できました。
判りにくいですが、洗面所の壁の位置と浴室の壁の位置がズレていたので、浴室の裏に使われていないスペースがあることを、壁に穴をあけて覗き込みことで確認いたしました。
キッチンのレンジフードのダクトのルートと、天井段差の理由を探るために、キッチンの天井もボードを割いて貰いました。
天井と壁で合わせて8か所ほど開けて貰い、孔から内部を覗いて図面通りに作られていることや、
図面だけでは分からなかった配管ルートなどを探ることができました。
こちらは非破壊検査でわかる箇所ですが、ベランダのガス給湯器の下のカバーを外した内部の様子です。リフォーム前は追い焚きや床暖房がありませんでしたが、外壁にコアを開けずにそれらの配管を室内に引き込むことができるかをチェックいたしました。写真で、オレンジ色の配管が壁に刺さっている個所は、当初から躯体に開けられていた開口部なのですが、この隙間にさらに何本かの管を貫通させそうなことも判り、管理組合に諮らなければならない大きな工事をせずに、お施主さまのご要望を満たせることが判りました。
こちらは実測調査後に行った、お施主さまとの打合せ風景です。マンションロビーとお部屋のインテリアのギャップが大きかったので、室内側にもある程度のグレード感が演出できる大理石やタイルを使うべきだと思っていたので、それらのサンプルを見て頂きました。
2015.12.08
レザー張り特注建具の吊り込み@南麻布K邸
[南麻布K邸]
仕上げ工事が継続している南麻布K邸の現場ですが、建築工事の最後の大物のレザー張りの特注建具の吊り込みが行われました。
まずは完成時の特注建具の様子ですが、フロアヒンジを使った扉で、横の造作家具との高さを揃えたりといった細かい調整もあるので、簡単にここまでできる訳ではありませんでした。
まずはフロアヒンジの調整から始まります。
何度も仮吊り込みをして、ヒンジを調整してゆきます。この状態でも、まだ建具の下はフロアヒンジに載っていません。
建具は鉄のフラットバーで四周フレームを組んで、ガラスや鉄焼き付け塗装の特注取っ手などを組み込んだ重量のある扉なので、吊り込みの度に他の作業をしている職人さんたちを呼んで3人掛りで吊り込んでゆきました。
他の建具の吊り込みも同じタイミングで行われました。こちらは廊下から主寝室への扉ですが、オランダの金物メーカーFORMANI(フォルマーニ)のレバーハンドルで、ピエット・ブーン氏がデザインしたONEというシリーズを使っています。ただ、日本での採用実績がほとんどない金物なので、こちらも調整に手間取っておりました。
メインの洗面室から主寝室裏のシャワーコーナーに繋がるエリアも、造作家具に鏡やカラーガラスなどが取りついて、徐々に完成形が見えてきました。
後は、細かい作業の積み重ねです。こちらはキッチンの天板に取り付け中の家具用コンセントです。通常であれば家具用コンセントにはプラスチック製のカバーがついてしまうのですが、陶板のきれいなカウンター上でしたので、特注でステンレスプレートを作って貰い、それがカウンタートップとフラットに取り付けられるようにアムスタイルが調整してくれています。
そうこうしているうちに一足先にダイニングには家具が到着し始めました。イタリアはポリフォーム社の大理石テーブルが置かれ、天井にはやはりイタリア製のバロビエール&トーゾのシャンデリアが吊るされました。因みに薄くて軽やかに見えるダイニングテーブルの大理石天板ですが、天板だけで200キロ相当で大人6人掛りで階段で荷揚げして貰ったものです。
これから4日ほど掛けて、ソファーやチェア、書斎テーブルやベッドなどを順番に入れてゆく予定です。
2015.12.01
シンダーコンクリートの斫り&解体工事@白金台P邸
[白金台P邸]
バルコニーから緑しか見えない白金台P邸プロジェクトですが、設計内容が詰まってリフォーム会社との見積り調整もできたので、いよいよ工事着工となりました。
管理組合へのリフォーム申請、近隣にお住いの方々へのご挨拶を経て、解体工事が始まりました。既存の建具や造作の家具は塗装し直して再利用するのですが、キッチンや設備関係は大幅に手を入れることになっています。
写真でスッポリと穴が開いているように見える箇所は、壁型のエアコンが設置されていた場所です。今回のリフォームでは梁型をフカして(膨らませて)天井カセット式エアコンに変えるので、この場所には飾り棚を作ることでできます。
キッチンキャビネットが撤去されて、ガランドウになったキッチンエリアです。ただ、このエリアの解体はこれだけでは済みません…。
床下に隠れている排水管などの配管類をできる限り交換するために、シンダーコンクリート(軽量コンクリート)を斫る(ハツる)作業があるのです。同じマンションをかつて同じチーム(カガミ建築計画+リフォームキュー)で工事したことがあるので、大よその構造や設備が判っているので、こういった段取りはスムーズに進んでいます。その時も現場監督をしてくれた富田さんが職人さんと一緒にハツリ工事を手伝ってくれていました。
嵩上げされていたシンダーコンクリートを全て撤去したところ、このような配管類が出てきました。室内型給湯器があるので、ガス管と給水・給湯管があり、そこに勾配を取りながら排水管が流れている、このすべてがコンクリートの中に埋設されていたのです…。
勿論撤去できない部分は出てしまいますが、築古マンションなので見える範囲の配管類は全て交換する予定となっています。
同じキッチンの床でもキャビネットが置かれたいた部分の下にはシンダーコンクリートがなく、床下にベニヤ板を開けるとこのように配管が整然と並んでいる個所もありました。
ハツリ工事は浴室でも行われました。一度リフォームされてきれいになっていた浴室ですが、お施主さまの好みとは違っていたので、水回りもほぼ全面やり直すことになっています。
浴槽を撤去すると、このようにコンクリートブロックが積まれていました。
そのコンクリートブロックを撤去して、シート防水されていた部分も撤去すると、このようになります。新しく設置する浴室エリアについては、シンダーコンクリートまで撤去して、その他は配管が交換できる部分だけ斫り工事を行いました。
リフォーム前は二つ浴室がありましたが、一つは洗濯機をなどを置くユーティリティーとして使う予定なので、こちらについても浴槽を撤去して、シンダーコンを斫って貰っています。
設備の配管ルートに沿って斫っている途中の様子ですが、何か古い遺跡の発掘作業のような景色ですね…。
ただ、実際は騒音が発生する時間帯をなるべく少なくするために、3か所で同時にハツリ工事を行っていたので、室内で道路工事をしているような大騒音で、打ち合わせもできず、ホコリで写真も上手く撮れないような状況でした。
まだ少しホコッた錠多雨ですが、概ね解体工事が終わった現場の様子です。
現場の廃材搬出が終わった所で、墨出し作業に入りました。今回は大きく間取りを変更する箇所は少ないので、墨出し寸法のチェックもとてもスムーズに進みました。
この間にも、お施主さまのPさまとはインテリアデザインを詰める作業をしています。原宿のアドヴァンで水回りに使うタイルや大理石を見比べている様子です。
因みに机の上に載せてある黒いパネル状のものは…
こちらです。既存で使われていた家具の扉をリフォームキューに持ち帰って貰って、こちらが指定した色とツヤにサンプル塗装して貰ったものです。4種類の色ツヤを作ってもらいましたが、Pさまとの打合せで右手前の一番黒い色で進めることに決まりました。


































