Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

造作家具の取付け設置-2

[高級高齢者向けサービスアパートメントS邸]

中央区の高齢者サービスアパートメントS邸の造作家具の取付けの2日目(実際には3日目)ですが、既に造作キッチンと一体になった収納家具の箱も取り付いておりました。

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こちらMレジデンスでは、上階に入居者が使える食堂があるので、それほど料理はしないだろうとの判断で、小さなキッチンを造作家具に組み込んでいます。どちらかといいうと、朝食やランチを楽しんで作れる程度の軽いキッチネットのイメージです。

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小型のシンクにIHヒーターがついた、全長2m程度のキッチンとなっています。それでも炊飯器の収納や、壁組み込みの電子レンジ、普通サイズの冷蔵庫を入れる場所、更にはキッチンのゴミ置き場もあるので、引き出しを中心に収納力はきちんと確保しています。

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キッチン背面と側面の壁にはキッチンパネルの代わりにカラーガラスを張りますが、張る形にそって切断されたカラーガラスが現場に届いていました。

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ちょうどカラーガラスの設置が始まったので、しばらく取付け方法を見学させて貰いました。設置位置から少しでもずれると、ガラスが割れてしまう可能性があるので、とても慎重な作業となっています。

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ガラス位置とガラスに穴をあけたコンセントの位置にズレが無いかを確認するために、仮置きしている状態です。

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こちらがプロが使うガラス用吸盤です。ガラス面にこの吸盤を付けて、金色の部分を押して接着面に真空状態を作り出すことで60キロ近い重量のガラスまで持ち運びができます。下の写真は撮影するために特別吸盤面を下に置かせて貰いましたが、この面がきれいなことはとても重要なので、本来はこのような形で置くことはない道具だそうです。

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キッチンと収納家具が一体に並んだ様子です。左から寝室への出来り口、玄関への出入り口、飾り収納、引き出し収納、冷蔵庫収納、そして造作キッチンと並んでいます。

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主寝室では腰壁部分にウォールナット材を張る準備が進んでいました。壁の右側の開口にはガラスが入って、裏面のダイニング側からコーキングを打っている様子が判ります。

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玄関横には大きな造作ベンチと握り棒が既に設置されていました。手前の三和土部分のベンチは、お施主さまが車椅子を使うようになったときには撤去できるように特別な工夫をして貰っています。

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ベンチ横の収納内部の白い箱部分には、先日のブログでお見せした給水と給湯のヘッダーが隠されています。

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造作家具の設置が終わると床の仕上げ工事が始まるので、その為の準備も進んでいます。カーペットと塩ビタイルの区切り線の箇所に、見切りの真鍮部材が設置されています。

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敷き込みスタイルのカーペットを壁際までしっかり固定するためのグリッパーも設置されていました。

石膏ボード張りで見えてきた空間構成@番町H邸

[番町H邸]

ヴィンテージマンションリフォームのH邸の現場は、石膏ボード張りが始まっていました。

LGSが骨組みとすれば、石膏ボードは皮膚のようなもので、表層である皮膚が張り上がってくることで、一気に空間の構成が見えてきますね。

リビング床には、温水式の床暖房マットが敷かれています。

ご主人さまのコダワリのAV&TVコーナーも大工さんの作り付け家具として組み上がってきていました。

まだキッチンが入っていないキッチンエリアを内側から覗いた様子です。今回は立上り壁で隠したキッチン本体は既製品を使い、背面のリビングダイニング側から見える部分は造作家具として作る手はずとなっています。

弊社担当スタッフの竹田さんが、施工会社のリフォームキューの坂本さんと下請けの造作家具屋ライフウッドの谷山さんと打合せ最中です。

こちらはキッチン奥のユーティリティーからダイニングへの子ども専用の抜け道部分です。H家のまだ小さなお子さまたちが、楽しめる秘密の抜け道をプレゼントする計画を練ってきました。

こちらはその抜け道を洗濯機置き場側から見た様子です。お子さまたちが小学校高学年になれば、サイズ的にも使えなくなることをご説明の上、その時にはつぶして収納を作る将来計画を立てたうえで、この5~6年間をお子さまたちが友達に自慢できる秘密として考えてきました。

洗面所内にレイアウトし直した家族用トイレの入り口は、ポケットの中に引き戸が入る引き込み扉しようとしています。

ユニットバスはすでに組み込まれており、その手前のダブルボウル仕様の洗面カウンターの給排水の準備も進んでいます。

こちらは来客用トイレと手前の手洗いコーナーです。トイレ入り口部分にベニヤ板が立てかけられていることで、ちょっと空間構成が分かりにくいですが、ふつうはトイレ内に入れてしまう手洗いをトイレの扉外に出して、お子さまたちが幼稚園や学校から帰宅した時に、すぐに手が洗えるコーナーとしています。

新しくなった分電盤も洗面の横の壁に取り付けられています。

変形タタキの玄関周りでは、木製框(カマチ)の取り付けが行われていました。

フローリングと同材のオーク(楢材)無垢の框を接着剤と隠し釘を使って固定しています。ちなみに、タタキ部分の既存タイルは、お客さまの好みではないので、この上から新しいベージュ系のタイルを増し張りする予定です。

今は接着剤が強力なので、このように木製の手作りクランプのようなものを大工さんが作って丁寧に固定してくれています。

奥の部屋には、スカンジナビアンリビングのフローリング材に並んで…、

お客さまがマルニ木工に依頼していたダイニングチェアのヒロシマが届いていました!

造り付け家具の取付け@中央区S邸

[高級高齢者向けサービスアパートメントS邸]

壁と天井のボードが張り終わった中央区高齢者サービスアパートメントMレジデンスS邸の現場に、造り付け家具(造作家具)が運び込まれています。

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天井もスッキリとした空間ですが、右側に積まれ始めているのが、これから組み立てられる造り付け家具のボックスたちです。

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今回はオーク(ナラ)材の白拭き取りと、クルミ材のオイルステイン(油性の塗料を沁み込ませて色調整したもの)の2種類が複雑に絡むデザインとなっています。

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玄関脇のコート収納(手前)と来客用トイレ(奥)が並んでいます。双方にデザインを合せた扉と建具を取り付ける予定です。写真では伝わりにくい、複雑なディテールを考えましたが、全ては仕上がりがスッキリ見える為です。

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キッチンも造作家具屋さんにお願いしています。こちらは裏返しで置かれたキッチンカウンターです。中央の白いふくらみ部分がシンクを裏側から見たところです。

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作り付け家具と同時にクロス屋さんも入ってくれています。手前の天井にはクロスが張られていますが、奥はまだパテをしごいている段階です。家具の取付け順番に合せて、クロス屋さんの張っていってくれています。

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主寝室とダイニングの間に設けた開口の枠もきれいに嵌められていました。ご夫婦のお互いの雰囲気が伝わるための小さな工夫です。

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当初は交換する予定だった浴室ですが、費用が掛かりすぎる為、工事契約直前で既存のユニットバスに新しい仕上げ材を張って内装リフォームすることとなりました。既存のUB壁には重たいものは張れないので、表面に大理石柄模様を印刷したアルミニウム、芯材に樹脂を使用した3層構造からなるアルミ樹脂複合板のアルポリックという製品を接着剤で張っています。写真はパネルが剥がれてこないように、木材でバリをかっている様子です。

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浴室の手前には便器を設置するのですが、横面が浴室へのサッシになっているので、手すりを兼ねた棒と紙巻器を取り付ける横板を取付けて貰いました。