Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

造作家具 デザイン+使い勝手の打合せ

[高級高齢者向けサービスアパートメントS邸]

設計の段階でも、いつも一番楽しんでしまう、造作家具の打合せです。

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今回は高島屋スペースクリエイツが元請けで、その下請けの建築工事に株式会社、造作家具に現代製作所とお馴染みの会社に入って貰ったので、現場打合せで決めきれない部分を青と現代に事務所に来て貰って、細かい打合せをさせて貰いました。

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現代製作所の担当の吉岡さんが頑張って描いてくれた造作家具と建具+枠図です。ここまでにもこちらの担当者の前田君と岸本さんでチェックして貰って、2度ほどやり取りをしていましたが、建築工事の青も一緒になって、約3時間かけて問題点をチェックしてゆきました。

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単純な造作家具だけでなく、他の家具と一体になったオーダーキッチンも含んでいるので、打合せの内容は多岐にわたっていました。使い勝手とデザインを設計側で検討し、それに対して現代が製作上の問題やコスト、青が建築工事との絡みでさらにアドバイスと、三者で上手く意見交換しながら造作家具の内容を昇華させることができました。

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こちらはチェックした図面の3分の1程度ですが、皆が頭を振り絞った造作家具図チェックの内容です。

見積り調整&着工準備@番町H邸

[番町H邸]

リフォーム計画の取り纏めをお馴染みのリフォームキューにお願いすることになった千代田区番町のビンテージマンションリフォームプロジェクトH邸ですが、幾度かの見積り調整を経て、工事内容を纏めることができました。

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当初想定していた工事予算から見積り金額がオーバーしてしまっていたので、以下のような項目を見直しながら、プライオリティー(優先度)をご家族内でお話しして頂きました。

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概算用に僕らが描いた造作家具用のスケッチです。キッチン横からユーティリティーへとお子様たちがくぐり抜けられる隠し扉や、明り取りの小窓のデザイン、窓下に工夫した造作ベンチは厳しい見積り削減の中、実施して頂けることになりました。

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こちらの素材サンプルで、天然木の突板を一部メラミンに変更することになりましたが、初めから気にって下さっていたスカンジナビアン・リビングの幅広三層オークホワイトオイル仕上げのフローリングは使って頂けることになりました。

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Hさまご一家には色々と我慢して頂くことになり、リフォームキューにも最大限の減額で協力して頂くことで、何とか見積り金額を当初の予定金額に近づけることができました。リフォーム工事の着工スケジュールも決まったので、Hさまご一家とリフォームキューの石原さんと坂本さん、皆一緒での記念撮影をさせて頂きました。

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こちらはオマケ(?)ですが、ダイニングに入れる2.4メートルのダイニングテーブルの搬入実験の様子です。エレベーターには入らないことが判っていましたが、階段を使えば搬入できるかを、段ボールで実寸で作ったダミーをお子様たちに協力しながら階段室で回転させてみました。あまり余裕はありませんでしたが、何とか搬入できることが分かったので、これまでも幾度かダイニングテーブルを作って貰った広島のマルケイ木工に発注することになりました。

 

 

中央区の高級サービスアパートメントの墨出し、施主の現場確認

[高級高齢者向けサービスアパートメントS邸]

解体が終わったMレジデンスのS邸の現場に墨出し確認に伺ってきました。

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こちらの図面は、僕らが書いた設計図を元に、施工側が書いてくれた現場墨出し用の図面です。実測したデータに木製下地の位置まで書き込んでくれた精度の高い図面です。

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これらと現場を見比べながら、設備配管ルートやスプリンクラーの位置などを確認しながら、曖昧だった寸法を現場で決めてゆきます。

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墨出しとほぼ同時に、建具の枠造作に入らなければならないので、枠形状についても打合せをさせて貰いました。4枚の引き戸が交差する難しい箇所や、家具と建具がデザイン的に絡む箇所があるので、建具枠は造作家具屋さんに作って貰うことになっています。

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設備配管の取り回しもギリギリのラインを狙っているので、どこで排水管を曲げることができるかを指定設備業者のNさんと細かく打合せさせて貰いました。

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これは給水・給湯のヘッダーです。全部交換すれば、このような大きなものがトイレと玄関収納の間にポッコリと出っ張ることがないのですが、床暖房パネルとの絡みや、賃貸が終わった際の現状復帰の問題などから、既存のヘッダーを再利用することになったので、この寸法を基準に壁や造作家具の位置を墨出しして貰いました。

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新規に作り直す洗面カウンターの位置には、こちらが指定した位置に合わせて、給排水管が既に立ち上げられていました。

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墨出しが一通り終わる時点を見計らって、お施主さまのSさまご夫妻に現地を確認して貰いました。お施主さま好みのクリーンで整然とした空間になりそうだと、とても喜んでくださいました。