Author Archives: Kenji Kagami
2009.10.17
シンプルモダンとクラッシックモダンのインテリア
[リフォーム]
カガミデザインリフォームでお手伝いしてきた、マンションリフォームの実例が増えたので、デザインの傾向を大きく二つに纏めてみました。
シンプルモダンデザイン
常に変わらず一番人気があるのが、このシンプルモダンなデザインのようです。シンプルモダンとは、マンションのインテリア要素から、余分な飾りや無駄なデザインを排除して、使われた材料の素材感を活かし、シンプルで線の少ないデザインを追及した手法です。実際のリフォーム設計で意識していることは、
- 壁や天井に大きな面を作ること
- 柱や梁が目立たないよう、造作家具や壁の位置を調整すること
- 真っ白にしてしまうのではなく、一部に木材の素材感を活すこと
- 窓や建具周りの枠、巾木などのディテールをシンプルに納めること
などです。写真の事例は上から、白金台S邸、白金台K邸、南麻布MT邸です。
クラッシックモダン
クラッシックモダンと言い切ってしまって良いのか判らないのですが、最近特に人気であるのが、この傾向です。シンプルモダンに比べると、
- 複数の素材感がある材料を組み合わせること
- 色や照明、建具などにこだわること
- 華やかな家具やアート、調度品をコーディネートすること
などが特徴です。高級感あふれる調度品や華やかな家具に、インテリア空間が負けないように、枠飾りや目立たないモールディングなどのディテールや、色・素材感などにしっかりとしたデザインが必要となります。海外のリゾートや、高級ホテルなどの写真を参考にしながらデザインすることも多いのですが、非日常的なデザインを日常の生活とどのようにあわせるかに、設計者としての手腕が求められます。
写真の事例は上から、高輪M邸、ニューヨークS邸、広尾H邸です。これら以外にも、数多くのマンションリフォームの事例を紹介していますので、どうぞご覧ください。
2009.10.16
リビングダイニング ビフォー&アフター
[白金台S邸]
白金台のマンションS邸のリノベーションの様子を工事前と後で比較しやすい写真にまとめて見ました。リビングルームのリノベーションで大きく変わった点は以下の通りです。
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東側の窓を幾つか塞いぎ、壁を増やしたこと
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床をフローリング仕上げにしたこと
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折り上げ天井を塞ぎ、フラットな天井にしたこと
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窓枠を交換し、アルミサッシの内側に木製の頬立て(ホオダテ)を付けたこと
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造作(作り付け)のカウンター収納を作ったこと
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照明を変更したこと
中でも空間的に一番大きな影響を与えたのが、窓を塞いだことでしょう。
この写真の上下で比較していただくと、空間の落ち着き度の違いが判ると思います。今回のこの東側(写真正面)の窓は、隣のマンションが丸見えで、プライバシー的にも、ブラインドを常時閉めておきたくなる窓でした。
一般に窓が多い方が歓迎されますが、この窓は床まで開いており、家具を置く場所もなかったので、塞ぐこととしました。よく見ていただくこと、左側のダイニングにあった窓も、塞いでいることが判るハズです。
かつてリビングと隣接し、ガラス製のパーテーションで区切られていたダイニングが変わった点は以下の通りです。
- リビングとのパーテーションと壁を撤去したこと
- 玄関ホールとの間仕切り壁も撤去し、建具を設置したこと
その他、フローリングや照明、天井についてはリビングと同じです。
ダイニングで一番大きな影響があったのは、パーテーションを撤去したことです。高級住宅が増えてくると、リビングとダイニングが別室になっているケースが増え、それがステイタスとなってきているようです。
確かに、リビングとダイニングが別部屋になっていると、食事する空間とリラックスするスペースが分かれて、落ち着くことが考えられますが、その為には以下の条件も必要なハズです。
- リビングが広いこと(3〜40平米は欲しい)
- キッチンの中に家族が気軽に食事ができるスペースがあること
これらが揃っていないのにリビングとダイニングが分かれると、結果的にダイニングがファミリールーム(”家族室”)となり、子どもの遊び道具や、家事の書類などが散乱してしまうことになります。
また使い慣れていないと、どちらかの部屋が使われなくなったり、折角のパーテーションが開きっ放しとなり、そうであれば、最初から一室にしておけば良かったことになってしまいます。
今回はご夫妻お二人の住居で、お子様がいる訳ではありませんが、一室にすることで、見渡しが効き、お互いの存在を確認しやすい間取りとしています。
2009.10.14
ダイニングテーブル到着
[白金台S邸]
引越しも終わり、無事生活が始まった白金台のマンションリノベーションS邸にようやくダイニングテーブルが到着しました。
引越しが終わってから約2週間が経ちましたが、それまでの間、Sさまご夫妻には食卓代わりに小さなコンソールテーブルで我慢して頂いておりました。ダイニングテーブルは発注と搬入のタイミングがずれてしまったことで、ご迷惑をお掛けしておりましたが、ようやく待望のダイニングテーブルが搬入されました。
今回購入していただいたのは、アイ・スタイラーズ社のダイニングテーブルです。イロコというアフリカ産のクワ科の広葉樹で、別名アフリカンチークとも呼ばれている非常に硬い木材を剥ぎ合わせて作ってもらったものです。塗装は、ウレタンクリアーのオープン塗装仕上げで、パッと見はオイルワックス仕上と間違うほどの木質感でした。
無垢のような質感ながら、ウレタン樹脂にて導管をつぶしている為、湿度による変形を抑えることができることに加え、メンテナンス(お手入れ)も楽だそうです。
造作家の材・色味を食卓のコーナー周りで変えていましたが、このイロコの濃い色のダイニングテーブルが入ったことで、ようやくインテリアも纏まってきました。
一般に、お客様から床材や造作家具、果ては置き家具まで色味をそろえた方が良いのだろうか?といご質問を頂くことが多いのですが、この写真を見て頂ければ、色々な木材の色味が混ざることで、却ってシックな空間に仕上がることが判って頂けるのではないでしょうか。
Sさまご夫妻、ダイニングテーブル大変お待たせいたしました!