Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

照明スイッチ&コンセント位置の現場確認

[新宿区T邸]

新宿区T邸の現場にてお客さまご夫妻と一緒に照明スイッチとコンセントの位置を確認させて頂きました。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

スイッチとコンセントの位置確認を現場で行うには、以下のような条件が整っていないとうまく出来ません。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

実はこのタイミングを現場と見計らって、お忙しいお客さまのご都合と合わせるのが中々大変なのです。

今回は日程調整がうまくいき、Tさまご夫妻と一緒にお家の中を歩きながら、どこで照明スイッチをオンにして、どのようなシチュエーションで照明をオフにするかをご説明させて頂きました。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

最初の設計段階では、このような迷路のような謎の図面でスイッチやコンセント位置を確認させて頂くのですが、図面の読み方が分かっていないお客さまでは理解するのが難しいので、現場でこのような打ち合わせをするようにしています。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

担当スタッフの岸本さんが廊下からリビングダイニングに入った壁にスイッチだけでなく、インターフォンと床暖房のスイッチがある壁を説明してくれています。これをアップで見ると…、

このように壁に実寸サイズで切り抜いたインターフォンと床暖房コントローラーや照明スイッチ類を壁に仮止めして、お客さまが実感しやすいように工夫しているのです。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

こちらはお客さまが来る前に、施工会社・の現場監督補助の池田さん、電気設備工事・ムラデンの井上さんと一緒にすべての壁下地にスイッチやコントローラーのシートを張って回っている様子です。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

まだ壁が無く、造作家具もない空間で、お客さまには想像力を膨らませて頂きながらの作業になりますが、スイッチ類だけでなく、携帯電話やアイパッド充電用のコンセントや、空気清浄機&加湿器&除湿器を置く場所を想像して頂きながら回ると、僕らの発想を超える場所にコンセントを設置しておいてもらいたいとのご要望が出てくることがあるのです。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

個室のコンセントやスイッチ位置は比較的簡単なのですが、今回は二つの個室の間に通り抜け型のウォークインクローゼットを設けていることや、しばらくの間はお子さまが使う予定の洋室は、近い将来は奥さまのお部屋になるかもしれないので、そのことも踏まえて照明スイッチやコンセントを考える必要がある訳です。
因みにこの部屋の左側の壁はリビングとの間仕切り壁で、この壁の裏側にテレビが設置されるので、遮音性能を高めるためにグラスウールを充填しているため、こちらの壁には遮音性能を低めるコンセントの穴あけはしないことに当初設計からなっていたので、すでに石膏ボードが張られています。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

この段階であればスイッチを移設したり、コンセントを増設するのはまだ比較的容易ですが、それをキチンと図面に残しておかないと後で混乱してしまいます。岸本さんがこの日の打ち合わせで決まった変更事項を電気図に書き込んでくれています。

これは当初はリビングのソファ下に設ける床付けコンセントを、照明スイッチと連動してオンオフできる仕様にしていたものと、2口の床コンセント(床コン)の一つはそのまま連動し、もう一つは連動させずに携帯の充電用に使えるようにすることしようとのことになりました。そのために床コンまで新たな配線を通す必要があり、その作業を電気屋の井上さんと現場監督の樋口さんが共同して頑張ってくれているところです。
写真手前に見える井上さんが握っているコードの左手前にオレンジ色のCD管(合成樹脂製の可とう電線管(自由に曲げられる管))に新たな線を通そうと苦心してくれているところです。奥の樋口さんが引っ張ろうとしているのは、CD管の中に事前に通しておいたリード線です。

このように左側のリード線(通線ワイヤー)に通したい電線を結び付けて…、

左側に立ち上がっているCG管に通して、床コン側から引っ張って通線するという仕組みです。最初からこのように計画していれば楽だったのですが、後から通すことになったので一苦労だったようですが、青とムラデンの協力で20分ほどの作業で通線することができたようです。

出張料理人を呼んでの竣工お祝い食事会

[ザ・ライブラリー]

TAGKENとの共同リノベブランドのザ・ライブラリーの告知ブログです。
新築リノベーションの千代田区O邸のOさまご夫妻が、お引っ越しをして落ち着いてきたタイミングで、設計工事関係者を呼んでの竣工お祝い食事会を開催してくださいました!

ご自宅に出張料理人を呼んでの竣工お祝い食事会

以前よりOさまご夫妻がお付き合いがあるという、出張料理人「成城の食卓」の山口高シェフを呼んでの食事会です。僕らザ・ライブラリーからは各務、田口さん、設計担当の岸本さんがお邪魔させて頂きました。テーブルの端部でエプロン姿で笑っていらっしゃるのが山口シェフです。

ご自宅に出張料理人を呼んでの竣工お祝い食事会

まずは最初に本日の食材ということで、軽井沢から直送のお野菜とフルーツ、兵庫からの魚介類とお肉を見せてくださいました。

ご自宅に出張料理人を呼んでの竣工お祝い食事会

食材のお皿を撮影している食いしん坊(笑)の各務です。

ご自宅に出張料理人を呼んでの竣工お祝い食事会

そして出された料理の数々がこちらです。飯倉片町のキャンティで修行なさったシェフの料理は、オイル控えめで素材の味が良くわかり、そしてとにかく食べやすく胃もたれしない優しい料理でした。
食事後の歓談の様子や、食事会のちょっとしたお手伝いのことは以下のザ・ライブラリーブログ記事をご覧ください。

木製フレーム枠(三方枠)の造作

[渋谷区N邸]

弊社デザイン事例で良く使っている木製フレーム枠(三方枠)の取り付け工事が渋谷区N邸で始まりました。

普段は木製の大きな枠の材料を造作家具屋さんに工場で作ってもらい、それを現場で当てはめてゆくような作り方が多いのですが、今回は全体のサイズも大きく、奥行きが大きいこと、さらにスプリンクラーの位置なども絡んでくる為、現場でウォールナットの突板を組み立てる方法となりました。

こちらの図面は設計側の展開図です。上が正面から見たもので、下が断面形状を示したものです。この図面をもとに、施工側で作ってくれたのが…、

こちらの図面となります。茶色く色づけられている部分が木製フレームとなります。図面で見ると、なんということのないものなのですが、現場で組み立てるのは中々の難作業なのです。

竪枠だけは仕上げられたフレームを立てて、横枠は現場で組み立てるのですが、そのための下地を大工さんが組んでくれています。

下地に突板を目透かし(隙間を少し開けること)で貼ってゆくので、目透かしの目地底部分には、事前にウォールナットの突板テープを張っておくのです。

熟練組立工の根津さんが突板を張っている様子ですが、一人での作業となるのでサポートリフター(、またはプッシュポール、要は突っ張り棒)をうまく使いながら、仮当てをしてスプリンクラーの穴を現場調節しながら開けて、最後は接着剤を隠し釘で固定してゆきます。

スプリンクラーヘッドは繊細な部分で、強くたたいたりすると誤作動して、現場が水浸しの大惨事になるので、慎重に作業をしてくれています。

僕らであれば、なるべく早くに接着したくなるところですが、熟練工の根津さんは何度も仮当てしてカンナで削り合わせて微調整してゆきます。

こちらが2週間後の現場の様子ですが、ウォールナットの木製フレームが正確に組みあがっていました。さすがです!

その他の現場工事も佳境に入ってきています。前田君と話しているのはカーテン屋さんのバウハウス鈴木社長で、手前に立てかけられているのは建具、右側の壁タイルも貼られていますね。

玄関からリビングダイニングに入る建具です。

横にすると、上にスリットが空いているのが判るでしょうか?ここからガラスをはめ込むためのスリットなのです。通常は押縁というものを使ってガラスを固定するのですが、今回は押縁なしですっきりとさせたかったので、この手法を使っています。

斜め壁のブログで書いていた斜め壁部分も出来上がってきました。こちらにも塗装仕上げのフレームを上部にまわしています。

こちらのフレームは横幅はありますが、奥行きがあまりないので、工場塗装したものを現場で組み立てているので、窓側の木製フレームに比べると簡単に取り付けることができたとのことです。

リビング・インの子ども部屋の建具は隠し丁番を使っています。通常の隠し丁番は吊元側も建具側も両方に彫り込む必要があり、色々な制限がありましたが、スガツネが最近販売を始めたこちらの枠側面付け隠し丁番HES2Sシリーズは、吊元の枠の掘り込み加工が無いため、とても使いやすそうです。

斜め壁も含めた塗装フレームを玄関側から見た写真です。フレームの下には壁と建具と収納扉が混在していますが、それらを一体で見せるための工夫をしているので、完成が楽しみです。

斜め壁の裏側の子ども部屋側はこのような感じになっています。斜め壁の先にベランダに出ることができる掃き出し窓が開いているので、かなり明るい部屋になりそうです。

カラーガラスを貼る壁のステンレス見切りなども抜かりなく設置されていました。