友人の建築家、寛建設・溝部さんが設計施工した「寛ぎの家72‐鎌倉極楽寺の家」のオープンハウスに伺って参りました。以前のオープンハウスで伺った家も素晴らしかったですが、今回のお宅は何もかもがスケールが上でした。
南東に海を見下ろす、崖上の絶好の敷地に立つ端正で、開放的で、そして礼儀正しい寛建設らしい住宅でした。一階は玄関、和室と水回り、二階がLDKというオーソドックスな構成でした。
玄関入って正面に見えるのが、二階への階段です。鎌倉の鶴岡八幡を模したとのことで、正面の階段向かって左側の柱は、珍しい銀杏材を使っているそうです。暗めの玄関に二階からの光が落ちてくる様子から、二階空間への期待が高まります。
二階のダイニングからリビングを見た様子です。正面の木製サッシと手すりなしのベランダ越しに、海と空を分かつ地平線が見えています。大きく手を広げて深呼吸したくなるような堂々とした空間です。アートコレクターでもあるお施主様が集めている現代日本若手作家のアート作品が正面右奥に飾られています。
こちらはダイニングの奥に位置するキッチンです。無垢のローズウッド材(!)を建具に使った、見事なオーダーキッチンです。ステンレスのカウンター上に、黒御影の石が載せられており、重厚さと使いやすさの両面を追及されたほれぼれするようなキッチンでした。
僕らもお付き合いのある、リブコンテンツに作ってもらったそうです。
リビングの奥には和室もあります。一階にも和室がありますが、ここでも寝ることができるそうです。右側のニッチにはアートが飾られていますが、奥行きのある壁全てがアートのコレクターでもあるお施主様の収納となっています。
和室の横、階段の上には隠れ部屋のような小さなロフトがあります。細い梯子を上った先には、書斎としても使える、絶景の小部屋が現れます。
こちらは1階の浴室です。シックな黒で纏められた浴室からも、勿論鎌倉の絶景が見下ろせます。視線の先には人家はありませんから、覗かれる心配もありません。
こちらは最初に通り過ぎた玄関です。黒いモルタルの上に、大きな新鞍馬石が置かれ、無垢ウォールナットの上がり框、ローズウッドのフローリングと、和と洋がうまく組み合わされています。
敷地の特性、お施主様のライフスタイル、豊潤な材料使いが寛建設の洗練されたディテールの下に見事に一体化された素晴らしい住宅となっていました。お施主さまのSさま、素晴らしい住宅の完成おめでとうございます!