先月ご相談のあった杉並区S邸マンションリフォームの現場に、設備関係の業者さんと事務所スタッフ一同で現場調査に伺って参りました。
緑色でしゃがんでいるのが私各務で、そこから時計回りの事務所スタッフの渡辺、ガス関連(ガスエアコン+ガス給湯)の4人、陰で隠れたところに工務店の現場監督、水道設備、茶色のジャケットの方が電気設備で、写真を撮っているのがスタッフの竹田です。事前にマンション管理組合から手に入れいてた竣工時の設備図と、現在考えているリフォームプランを比べながら、何が問題になりそうかを説明している様子です。
電気に関連するのは、分電盤の位置変更や、手前に見ているインターフォンの移設、キッチンの熱源をIHにするかもしれないので、その可否や自動火災報知機のレイアウト、躯体に打ち込まれた電気ボックスがもう一度使えるか等を確認させてもらいました。元々がハイスペックの住宅なので、分電盤の容量は十分にありそうで、他もこちらが考えていたことはほぼ全て実現できそうです。
こちらは水道屋さんと、給水と給湯のルートを確認している様子です。玄関扉の上に5つの穴が空いていますが、右二本の太めの管は東京ガスのHEATSを使った空調機の冷媒管、真ん中の細い管はガス管、左の二本の管が給水と給湯管です。給水・給湯管共に二つの系統に分かれて天井裏で配管されていましたが、リノベーション後は玄関横にヘッダーを設けて、そこから床下で架橋ポリエチレン管で各所へと配管することを考えています。水廻りについては、キッチンは問題がなさそうで、浴室部分は床が20センチ程上がりそうです。ユーティリティーはスラブ上のシンダーコンクリートをハツって配管ルートを変更する必要がありそうだとのことが判りました。
こちらではガスに関連したエアコンを調べて貰っています。キッチンの直上のみは天井カセット式で、他は天井裏スペースををダクトとして利用した(ダクトレス)の天井埋め込みユニットを使ってシステムとなっています。東京ガスのHEATS(住棟セントラル・暖冷房システム)を応用したシステムのようで、現時点では電気が通っていないので、動作確認(試運転)はできませんでした。
デザイン的には、室内のちょうど中央に位置するこのコンクリートブロックを、どのように見せてゆくかが、このスケルトン空間の魅力を引きだすポイントになりそうです。
設備調査後には事務所スタッフ3人で、実測調査を2時間ほど掛けて行いました。こちらの紙は竣工図面を基に一度CADで起こした図面に、赤ペンで実測値を書き込んだシートです。レーザー測量器で大きな寸法を拾った後は、二人一組で細かい寸法を拾ってゆきました。事務所に戻ってから、これらの細かい数字を元に実測図を起こしてゆきます。
最後は、これらの調査の前にお施主様のご自宅で行われた打合せの様子です。リノベーションのイメージ写真を見ながら、床フローリングのニュアンスをお施主様に見て貰いました。とにかく大きな空間なので、幅広で厚突き(表面の単板の板が厚いもの)の三層フローリングを中心にお貸しして、ご主人さまと一緒に考えて貰うことになっています。午前10時半の打ち合わせから、夕方5時半までの現調+採寸で長丁場の打合せ+現場となりましたが、色々なことが判ってきたので、これでリノベーション設計を前に進めてゆくことが出来ます。