Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

ガラス張りのカッコよい個人邸サウナがインテリア雑誌I’m home.に掲載

[南平台N邸]

8年前に竣工お引渡しをしてるマンションリノベーション、南平台N邸のガラス張りのカッコよいサウナをインテリア雑誌「I’m home.(アイムホーム)」に取り上げて貰いました。

雑誌アイムホーム 家庭用スタイリッシュサウナ

最近、うちの事務所でもマンション内に個人邸用のサウナを作りたいというご要望が多くなってきており、8年も前から取り組んでいたこと、それも木製のサウナユニットではなく、欧米の高級マンションで見られるようなガラス扉のスタイリッシュなサウナを作っていたこと、今さらながら誇らしく思っております(笑)。

雑誌I'm home. 家庭用サウナ

掲載号は2022年3月号no.116で、くつろぎのプライベート空間特集の中の「リラックスして過ごせるバスルーム」というミニ特集の中で取り上げて貰っています。

バスタイムの居心地の良さをデザインする

今回は事例写真だけでなく、バスタイムを居心地よく過ごすためのデザインについて、あの豪邸設計事務所で有名なバケラッタの森山さんと共に取材にご協力させて貰っています。

雑誌アイムホーム 家庭用サウナ

元々は在来工法で作られた大きな浴室で、とにかく洗い場が広く寒々しい浴室でした。

こちらがリフォーム前の浴室のだだっ広かった洗い場です。在来工法の浴室は解体するのにも大きな騒音が発生し、これだけの大きな浴室をオーダーユニットバスで作り直すと、解体工事費も併せて1000万円ほどの費用が掛かることが分かりました。それであれば、浴槽や洗面からの扉を活かして、無駄だったスペースにサウナを作ろうとの話で、このようなスタイリッシュな乾式サウナを作ることができました。
因みに、壁一面は大理石張りにして、水栓も全交換、天井のバスリブも張り替えています。

雑誌アイムホーム 家庭用サウナ

乾式サウナの良い点は、防水が不要なので、既存の浴室の上に、防水性能の無いサウナユニットを載せて、内壁の張り直し時に一体見えるように加工することで完成しました。

南平台N邸 家庭用サウナ

ここからの写真は、8年ぶりにこちらで撮影させて頂いたものです。きれい好きなNさまはお手伝いさんに清掃して貰っているそうですが、それにしても本当にきれいで、8年経ったサウナとは思えませんでした。
サウナの機械はスウェーデンのティーロヒーロの物で、ロウリュウもできるサウナマシンです。温度計や砂時計、テレビの上にある安全装置(長時間高温になると自動で電源を切ってくれる)もオストコーポレーションから購入したものです。
因みに、テレビはサウナの高温に対応するものが無かったので、ガラス扉の後ろ側に設置し、いざ故障等があった場合はガラス扉を外せば交換できるような造りにしています。

南平台N邸 家庭用サウナ

一人用のサウナですが、2色のサーモアスペン材を張り分けて、モダンでカッコよく見せています。以前は自宅にサウナがあるといつでも入れるというお気軽感のため、月に2~3度しか使っていなかったそうですが、コロナ以降は自宅にいる時間も長くなったので、気分転換にもなるとのこと、週に2~3回楽しむようになったとのことでした。

インテリア雑誌アイムホーム取材撮影

以下、雑誌の取材撮影時の様子です。I’m home.編集部の尾崎さんが、仮撮影したカットを確認しながら、サウナ内部の小物の位置を調整している様子です。

インテリア雑誌アイムホーム撮影風景

広い浴室ではありますが、引きが中々取れないので、カメラマンさんは靴下まで脱いで浴槽の中からカメラを構えてくれました。

インテリア雑誌I'm home.取材撮影

撮影の間も、ライターさんがNさまと僕に、どのような経緯でサウナを入れることになったのか、そしてどのような使い方で楽しんでいるのかを丁寧に聞いてくださいました。

雑誌アイムホーム 浴室特集

今回の浴室特集では、以前取材撮影して貰った外苑前C邸の浴室も取り上げて貰いました。

入浴スタイルに合った使い心地の良い機器と家具選び

また「入浴スタイルに合った使い心地の良い機器と家具選び」の文章でも取材協力させて頂きました。

南平台N邸 家庭用サウナ

最後のこちらの写真は、こちらで手持ちカメラで撮影した8年経ったサウナの全容です。因みに、扉下のステンレス製のルーバーは一部が錆びてしまったとのことで、ちょうど今回の取材の直前に交換させて頂いております。長時間の取材撮影にご協力くださったNさま、どうもありがとうございました!

突板ベニヤ工場の見学

[代々木上原I邸]

代々木上原I邸では、階段室の吹き抜けや造作家具などでかなりの数量の突板ベニヤを使う予定です。突板(ツキイタ)ベニヤとはあまり聞かない言葉ですが、天然の木材を薄く(0.2~0.4ミリ)スライスしたものです。弊社であれば、ウォールナットやチーク、或いは今回使う予定のオーク(ナラ材)を薄く突いたものとなります。そのままだとお寿司を包む経木(キョウギ)よりも薄くふにゃふにゃで建材としては使えないので、柄を揃えてベニヤ板に張って家具や建具などに使います。

突板工場見学

上の写真の細長いものが突板となります。今までは、突板選びで埼玉方面の突板屋さんを訪問したことは何度もありましたが、今回はその突板を建材として使えるようにベニヤ板に張る工場を、施工をお願いしているの現場監督の石坂さんと造作家具をお願いしている現代製作所の藤田さんと一緒に見学して参りました。

突板工場見学

こちらが突板ベニヤ工場の丸考天然木化粧合板さんです。会社名にもなっている化粧合板とはきれいな木目や柄、色合いの天然木の突板をきれいに張った突板ベニヤの別称です。

突板工場見学

工場の内部は大型の機械が所狭しと並んでおります。

突板工場見学

働いている方の数はあまり多くありません。やはり中国などの労働力の安い国の製品に押されて、中々商売も厳しいようです…。

突板工場見学

暗い話はさておき、突板ベニヤ工場のプロセスを順に見せて貰いました。こちらは突板の裁断機です。

突板ベニヤ工場見学

重ねた突板の束を正確な寸法に一気に裁断してくれる機械です。

天然木化粧合板工場

こちらがオークの柾目の突板が正確な寸法でカットされたものです。

突板工場見学

突板を張る基板となるベニヤ板も並行したラインで処理が行われていきます。こちらは何の液体か書いたメモを無くしてしまいましたが、何らかの液体をベニヤ板に塗布する作業機械です。

突板工場見学

似たような機械ですが、こちらは基板ベニヤ板に接着剤を塗布する機械です。

突板工場見学

こちらが突板工場のクライマックスになります。二人一組のチームとなって、基板ベニヤに張っていくのです。特殊な接着剤を使っているので、一度張り合わせてから多少ズラすこともできるようですが、この張り方の精度で化粧ベニヤ板のきれいさが決まってくるので隙間が空かないように慎重に作業が進められます。僕らが周りから撮影している最中も脇目も振らずに作業に集中していました。

突板工場見学

こちらの大きな機械がプレス機です。熱を加えながら高圧でプレスして、突板とベニヤ板が剥がれないように一体化させます。何枚もの突板を重ねてからプレスするそうで、残念ながらこの日はこの機械が稼働している様子は見ることができませんでした。

突板工場見学

こちらの作業はプレスが終わった化粧突板の補修工程となります。突板同士が重なってしまった部分は板厚が厚くなってしまうので、紙やすりで削り落とし、反対に少しでも隙間が空いてしまったカ所がある場合は…

突板工場見学

この同じ材料で作った裏にノリのついた突板を極細にカッターで切って、隙間に張ってゆくのです。

そうすると、上の写真のような極細の隙間がきれいに埋まるのです!天井から吊るされたアイロンとサンドペーパーを使ってみるみる補修が進んでいきます。このようにして補修が終わった板をサンダー機械に掛けて、スムーズにしたところで天然木化粧合板の完成となります。この補修過程については、こちらのYouTube動画が参考になります。

突板工場見学

こちらの工場の上階には、天然木の突板が沢山保管されています。

突板工場見学

今回の見学の主目的は、実はこちらでした。良い柄の突板を選んで張り方を指示するのです。

突板工場見学

工場で作られていた化粧突板は柾目の素直ながらをシンプルに並べたものでしたが、今回代々木上原I邸で考えているのは、ランダム張りです。基本は板目柄のものを三種類ほど選んで、半割にしたものを混ぜながら、全体をランダムに張るスタイルです。こちらで選んだ3枚を写真に撮影して、

それぞれの突板に名前を付けて、

その張り方を指示したのがこちらです。本当はもっとズラしたい気持ちもあったのですが、ここまでの化粧ベニヤ板の製造過程を見てしまうと、あまりに複雑なことをすると、工場に迷惑も掛かりますし、それ以上に手間が掛かって費用も高くなってしまうことが分かったので、今回はここまでとしました。

突板工場見学

突板のロールサンプルを貰って持ち帰ったので、後日、青の片岡社長も交えて、最終的な塗装イメージも含めて確認させて貰いました。

突板工場見学

写真下の正方形のサンプル板のように、すこし白い塗料を上から掛けて、拭き取ったイメージで仕上げて貰うように依頼致しました。

高層マンション上層階なのに在来工法浴室とは…

[渋谷R邸]

渋谷R邸の解体工事が始まりました。

高層マンションリノベーションの解体工事

こちらのお宅は30階以上の高層マンションの上層階のお宅です。マンション竣工時の図面集から、このお部屋だけ特別に在来工法で浴室が作られていることが分かっていました。

高層マンションリノベーションの解体工事

築20年未満のマンション、それも高層マンションの高層階の浴室となると、防水の安心性だけでなく、施工のスピードのこともあって、ほぼユニットバス、それも高級なオーダーユニットバスで作られていることが一般的です。ただ、このお部屋のオーナーだった方は浴室の広さ、そして高さ(床を嵩上げして、窓から街を見下ろしたかった?)を特注で作りたかったからなのか、本当に珍しく在来工法で浴室が作られていました。

高層マンションリノベーションの解体工事


解体工事が始まって3日目の様子ですが、かつての浴室だった場所に、大きな床スラブが残っていました…。

高層マンションリノベーションの解体工事

壁の黒い部分はアスファルト防水層です。壁に張られていたタイルはきれいに剥がせたのですが、床の大きな塊が残っています。

高層マンションリノベーションの解体工事

床の嵩上げ部分を間近で見た様子です。下から発泡スチロール、現場打設の嵩上げシンダーコンクリート(茶色い髪は発泡スチロール型枠の剥離紙?)、その上に壁の防水層と一体で繋がったアスファルト防水層。その上に小石が見えているところから上が「押えコンクリート」です。押えコンクリートで水勾配を取っています。

高層マンションリノベーションの解体工事

発泡スチロールが下面全面に敷き込まれているので、その下にバールを差し込んで、何人かでコジ起こせば、嵩上げコンクリート全体が、ゴボッと取れるのではと思いましたが、そのように簡単に解体することはできないようでした…。

高層マンションリノベーションの解体工事

嵩上げコンクリートにはご丁寧にメッシュの鉄筋まで入っているようで、ハツリ機2台ともう一人鉄筋を切る職人さんの3人掛かりで解体をしていました。

高層マンションリノベーションの解体工事

一枚の壁を挟んで、右側では大騒音でホコリだらけの工事が行われているのに…、

高層マンションリノベーションの解体工事

その左側の(かつての)部屋はきれいさっぱり解体されていて、シュールな景色でした。

高層マンションリノベーションの解体工事

この時点で、今のペースで解体工事を進めることができれば、あと2日で在来浴室部分を解体することができるとの話でしたが、僕らが現場から去った後、マンションの防災センター(管理事務所)から、近隣の方からとても我慢できない騒音なので、工事をしばらくストップして欲しいとの依頼があったとのこと、解体工事をストップすることになってしまいました。
幸い、ストップして欲しいとの依頼があったのが1軒の方だけでしたので、工事会社プレステージプランニングの現場監督の森川さんと設計担当の阿部さんが防災センター経由でご挨拶に伺いたい旨伝えて貰いました。2度ほど騒音のお詫びと今後の方針をご説明させて頂いたところ、その方から指定して頂いた日程であれば、解体工事を進めても良いだろうとのお話しになったので、他の近隣の方々にも解体工事日程の変更をお伝えしたうえで、何とか工事を進めさせてもらうことできました。

こちらが1週間後に現場に寄った時の様子です。浴室の床の立上りがきれいさっぱり消えて無くなっていました。

奥の壁の部分には水漏れがあったようで、壁下地に錆が回っていました…。後日この部分は錆を撤去して錆止めを塗布して貰うように森川さんにお願いしておきました。下の階にまで回り込むような大きな水漏れでなくて良かったです。高層マンションは上層階になると、地震時に予想できない揺れが起こることがあり、その揺れが原因で防水層が切れても、水漏れが発覚するまで誰にも確認する方法がないという怖さがありますので…。

高層マンションリノベーションの解体工事

その他の部分の解体工事は順調に進んでいました。180平米超えの広さが実感できる解体時の様子です。

高層マンションリノベーションの解体工事

天井裏に隠されていたダクトやエアコンとその配管、そしてスプリンクラーの配管は複雑に絡み合っていました。今回キッチンを大移動するので、そのための配管整理が大変です。

高層マンションリノベーションの解体工事

絡み合ったように見えるダクト類を図面と照らし合わせながら役割を理解して、それらがなるべく交差しない形で設備を移設する計画を立てていきます。

高層マンションリノベーションの解体工事

今回のリノベーションは使える部分は再利用しようとのことで、かつてのトイレや納戸収納の扉はそのまま残すことなっており、これまたシュールな現場となっています。

高層マンションリノベーションの解体工事

他にも移設する扉は枠ごと取り外して貰い再利用することとなっており、現場の床に養生された状態で枠が保管されていました。

高層マンションリノベーションの解体工事

昔の解体工事と違って、今のマンションでの解体工事は、とにかくきれいで丁寧なのです。特に廃材を捨てる際に、きれいに分別されていないと、膨大なコストが掛かってしまうので、このように金属類は金属類で木質は木質ときれいに纏めて分けられているのです。

高層マンションリノベーションの解体工事

まだ、この時点では在来工法浴室の解体の行方は見えていませんでしたが、その部分以外の解体は概ねきれいに進んでいたので、何とかなるだろうと思いつつ、現場をあとにしました。