Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

リビングから廊下&玄関へと続く壁タイル

[青山N邸]

青山N邸の現場に、空間の質を大きく左右すると僕らが考えてきた、壁タイル張りが進んだとの連絡があり訪問して参りました。

玄関ホールから廊下越しにリビングダイニングを見た様子です。今回選んだタイルは、アドヴァンのホワイトエクスペリエンスです。大理石のホワイトカラーラをモチーフに、200ミリ×1200ミリのボーダー状のタイルです。同じ色調の中で、磨きからマット、更にはスクラッチ等の加工を加えた表情が5種類あり、それらをランダムに並べることで、光を受けて微妙な表情を見せてくれることに期待しています。

リビング壁タイル張り@青山N邸

廊下からリビングダイニングの入り口にはガラス扉とガラス製の袖壁があります。ちょうどリビングへの入り口からリビングへと120度程度の角度で曲がってゆくコーナーの様子です。自然光が壁をなめるように入ってくると、タイルの表情の違いが良く分かってきます。

リビング壁タイル張りのコーナーディテール

廊下とリビングのコーナーをダイニング側から見た写真です。右奥では、ガラス扉の吊り込みも始まっていました。

リビング壁タイル張りのコーナーディテール

タイル壁のコーナー部分は以前のブログでもご紹介した、ちょっと変則的な張り方をして貰っています。

コーナーから互い違いにタイル端部を少しはみ出させて張る考えです。因みに上記の右の写真は、事務所にあった手持ちのタイルを組んで作った簡易モックアップ模型です。きれいに仕上がるか少し心配しておりましたが、職人さんが丁寧に張り上げてくれて、とてもきれいに仕上がっていました!

 

タイルが張り上がって、ガラスが差し込まれたところから、ガラス屋さんがコーキングを打ってくれています。

廊下から玄関側を見返した写真です。壁に幾つかのスイッチやコンセントが入ってくるのですが、その部分については、事前に検討したタイル割から一部タイルを抜いて、凹んだ壁の中にスイッチ類を入れるデザインとしています。左手前にタイル壁が一部空いている箇所がプライベートエリアへの入り口となりますが、色味を合わせタイル面とフラットに納まる建具を吊って、閉めているときには扉そのものの存在感がなくなるように考えています。

浴室重ね張りタイルの目地打ち

同じタイル屋さんが仕上げてくれたお化粧直しした浴室もコーキングを打ってくれています。

 

 

 

LDKリフォームのビフォーアフター写真

[二番町I邸]

今年5月に竣工お引渡しを済ませていた千代田区の二番町I邸リフォームプロジェクトですが、写真の整理が少し進んだので、リフォーム前後を同じアングルで撮影したビフォー&アフターの写真で改めてご紹介いたします。

上がリフォーム前で下がリフォーム後です。以前は廊下からLDに入ってすぐ右側にキッチンがありましたが、今回のリフォームでそのキッチンを窓際に平行移動させました。

リビングダイニングキッチンリフォームのビフォーアフター

この平面図のビフォーアフターで比較するとよく判るのですが、以前のキッチン位置だと、下側の窓際に明るいダイニングスペースが取れていたのですが、室内側に大きく出っ張っている柱型の影響で、大きなダイニングテーブルを置くことができませんでした。
リフォームでキッチンを移動し、以前は廊下だった部分をLDに取り込むことができたことで、大きなエクステンションテーブルを置くことができるようになりました。

リビングとダイニングの関係も、以前の間取りではリビングを通り抜けないとダイニングに辿り着けない動線(キッチンを抜ける動線もありましたが…)だったのが、リフォームで突き当りのリビングとなったので、より落ち着いた生活ができるようになりました。
ビフォーの写真では、壁のガタガタや天井の高さが色々と変わっていましたが、それらがアフターの写真では随分整理できていることも判るでしょうか?

このビフォー&アフター写真では、廊下からリビングダイニングへの扉が、奥に凹んで廊下のスペースをダイニングに取り込めていることが判ります。

キッチンがほぼ同じサイズのまま、窓際へと移動しました。調理カウンターと背面収納の位置はちょうど逆転しています。因みにリフォーム後のオーダーキッチンは、エクレアさんにお願いしました。

その他、間取りはほとんど変わっていませんが、玄関は入って正面の壁をタイル張りに変更し、(ほとんど見えまませんが、)右手の壁に壁裏のウォークインクローゼットのレイアウト変更をすることで、掃除機などをしまうことができる小型の収納を作ることができました。

こちらはサイズ、レイアウト共に、ほぼリフォーム前と同じ浴室のビフォー&アフターです。当初は既存の浴室の内側にタイルを張って、浴槽を塗装し、水栓金物類を交換するお化粧案をご提案していましたが、人がずっと使ってきた浴室は生理的に受け付けにくいことや、浴槽へのこだわりがあったので、東京バススタイルのオーダーユニットバスに交換しています。

駒沢X邸プロジェクトが始まります

[駒沢X邸]

世田谷区駒沢にある築30年、165平米(50坪)のヴィンテージマンションのスケルトンリノベーションプロジェクトが始まることになりました。

お客さまのXさまは、以前こちらのマンションにずっとお住まいだったのですが、しばらく事情があって別の所に暮らすことになり、その間賃貸に出していたそうです。この度、賃借人が出ることになったタイミングと、ご家族の状況変化があって、こちらに戻ってくることになったそうです。

ヴィンテージ感のあるこのキッチンも大好きだったそうで、本当はこのまま残したい気持ちもあるそうですが、使い勝手や動線、収納量のことなどを考えると、やはり作り直すべきだとのご判断に至ったそうです。

古いマンションらしく、玄関入った所からは、リビングなどの空間が全く見えないように、わざと廊下を曲げて作っている構成ですが、照明を点灯しないと暗い玄関や廊下は、もっと明るくしたいとのご希望でした。

建具や枠は、無垢の木材をふんだんに使った贅沢な作りで、特にこの廊下からリビングダイニングに入る扉の枠は立派な作りで、是非残して活用したいとのお話でした。

水回りの洗面台も天然大理石が使われた、きちんとした作りですが、収納量が足りないことは何とかしたいとのことでした。

何よりも冬寒かったお風呂は、絶対に交換したいという優先順位の高い部位でした。

空調設備は旧式なもので、ちょうど少し前にリビングのエアコンが効かなくなってしまったとのことでした。

初回の現地でのお打ち合わせでは、このお部屋の何が好きだったのかと、どこを交換したいのかをじっくりお話させて頂きました。結果的に、ヴィンテージな雰囲気は残したいとのことでしたが、全体的にこれからの暮らしには機能的にも設備的にも適していないので、使える部材(例えば建具等)はなるべく残すが、後はスケルトン(体でいうと皮膚や肉を全てそぎ落とした骨組)まで解体してのリノベーションをなさりたいとのことになりました。

プロジェクトの難易度(特に設備の取り合い関係)や、お客さまとの相性などから考えて、株式会社青の片岡さんにお願いするのが良いのではと考えて、次回は僕らと青で現調させて頂くことになりました。

その1週間後に青の片岡さんと現場担当の石坂さん、設備屋さんに電気屋さんにも声を掛けて貰い、現地調査をさせて頂きました。Xさまがお手持ちだった、竣工図面集から特に必要な給排水衛生設備図、空調換気ダクト図、そして床伏図を眺めながら、各設備屋さんと現地を確認してゆきました。

キッチンのレイアウトを変えるためには、排水経路を調べる必要があり、納戸の中の床を剥がして、ルート確認と共に、排水管の横取り出し口の位置を調べて貰いました。

収納などの背部にある点検口は、全て空けて、中を確認してゆきました。

主寝室横の浴室とトイレから排水が流れ込む排水管を確認することができました。

水回りの位置を移設するには、床下のスペースがどれだけあるかも重要ですが、この写真のようにマンション共用の竪管の横繋ぎ込み口(チーズ)のレベル(高さ)がどこにあるかもとても重要な条件となります。レーザーを使って、排水芯の高さを測って貰い、暫定的に考えていた位置までキッチンのシンクを移設することができるかを一緒に計算させて貰いました。

天井裏の点検口から覗いた、キッチンの天井裏です。5本ほどのダクトが縦横無尽に走っており、図面なしでは何がどこに繋がって、何の役目をしているのかが判らない状態でした。

平面詳細図では躯体壁(コンクリート壁)として表現されていた壁が、他の図面ではコンクリートブロック造のように描かれていたので、壊せるのか壊せない壁なのかを確認するために壁のボードを剥がしてもらいました。ダウンライトの穴をあけるカッターで開けて貰いましたが、裏にはコンクリートの躯体壁が隠されていました。
また、各図面で整合性が取れていない個所も多かったので、現地を実測もして、図面化してゆくことになっています。因みに、部分解体することについては、全てお客さまの了承を得ており、5万円程度の部分解体調査費の実費も負担して頂いたうえで調査をしております。