Author Archives: Kenji Kagami
2025.11.06
カガミ建築計画の新事務所移転計画-4_造作家具・建具・大判タイル
[カガミ建築計画事務所移転計画]
南青山の新事務所の工事レポートの第4弾です。

造作家具と建具をお願いしている現代製作所から廊下の建具枠が届きました。トイレと物置の建具がすぐ近くに並んでいるので、2連の枠を作ってもらいました。

時間とお金があれば、上枠は一体で作りたかったのですが、今回は余裕が無かったので、枠材と同じ材で2つの塗装枠を同材で連結してもらいました。

後で石膏ボードが張られてくると2連の枠という意味が分かりやすと思います。

打ち合わせ室の2つの窓回りにはウォールナット突板で作った三方枠も取り付きました。2つの窓の間のベニヤ板張りの小壁部分には、後日大理石のオデッサベージュを貼ってもらう予定です。

その小壁には部屋への給気口がついていましたが、新しい打ち合わせ室では、野暮や給気口は見せたくなかったので、この写真の細いグリルを小壁のわきにつけてそこから給気をする計画としています。

三方枠は正面から見ると分かりにくいですが、この写真の右側のように横から見ると、しっかりとした枠の存在感が良く見えてきますね。因みに正面はビニールクロスをパネル張りして、大型のモニターを設置することになっています。

三方枠が入った打ち合わせ室にインナーサッシの部材が入ってきました。こちらのお部屋は目のまえを遮るものが無い立地で、かつ大きな窓が南西向きなので、夏の暑さが予想されるので大窓全てにインナーサッシを入れることにしていました。

左側の左右引き違い窓のインナーサッシは問題ありませんでしたが、右側は突き出し窓となっており、同じサイズの突き出し窓タイプのインナーサッシは見つからなかったので、FIX窓(嵌め殺し窓)としました。一旦FIX窓を設置してしまうと、内部の埃は取る術がなくなってしまうので、職人さんが丁寧に清掃してくれています。

玄関タタキ床、トイレ床、キッチン床のタイル張りが始まりました。まずこちらはトイレ床です。イタリア輸入タイルマラッツィのグリスフルーリーの600角をウマ張りにして貰っています。因みに正面壁には壁排水タイプの便器を使うので、その排水口と給水とコンセントが設けられており、壁仕上げ材のカラーガラスも先行して張られています。

こちらが張りあがったトイレ床です。

その後はキッチン床です。同じグリスフルーリーですが、リズムを作りたかったので、300×600サイズにカットした貰ったものを互い違いに施工して貰っています。

職人さんはキダマーブルの皆川さんです。弊社の仕事を十数件手掛けて貰っているので、こちらが求めていることをほぼ全てわかってくれている職人さんでとても頼りになるのです。

やはりキダマーブルに取り付けをお願いしている打ち合わせ室のカウンター材(左側、5年前にお手伝いした港区R邸の床材ツンドラゴールドの残りだったそうです)とトイレのカウンター材(ミストグレー)、

さらには打ち合わせ室の小壁に貼るオデッサベージュも現場に届いていました。

廊下の分電盤をパナソニックのフレキシードに交換する工事、電気屋の稲村さんが頑張ってくれています。古い分電盤から新しい分電盤に切り替える工事、全て事前に用意をしておいてくれたので、20分ほどの作業で完結してくれました。最後は日置のテスターでアンペア数(電流)とボルト数(電圧)を測定して完成です。

最後に分電盤のフタを取り付けて完成です。周りの壁は白く塗装されることになっているので、普段は邪魔者扱いされる分電盤が、周囲に違和感なく溶け込むデザインとなるハズです。

その他、トイレのクロスパネル張りの下地や、

巾木を壁とフラットに収めた面巾木(ツラハバキ、またはメンハバキ)の見切り材の収まりも出来上がってきています。後は残りの造作家具と建具と塗装待ちとなってきました。
2025.11.04
大型メゾネットリノベの解体・設備・再構成
[渋谷区L邸]
超大型メゾネットリノベの渋谷区L邸の工事は、下階の解体作業が進んでいます。

床壁天井が剥がされ、窓枠の木製サッシと天井のエアコン(まだ築浅なので再利用予定)以外がほぼスケルトン(骨組み)にまで解体されています。

ただ、イタリアの超ハイブランドキッチンのアルクリネアで作られたキッチンと、

メゾネット上階との行き来に使われるこちらの室内階段だけは残されています。

エアコンについては、新築時から一度大規模リフォームされており、その際の図面の更新記録が乏しかったので、天井を剥がしたこの段階で、再検討が必要になってきました。因みにこちらのお宅は全て天井裏にエアコン本体を隠して、ダクトで吹き出し口と吸い込み口を連結する隠蔽型エアコンとなっています。

天井裏隠蔽型エアコンを検討する際には、エアコン室内機本体が設置される個所、エアコン本体を点検する点検口とフィルター清掃用の点検口、ダクトのルート、冷媒管とドレイン管の位置、そして将来的にエアコン室内機本体が壊れた時にどのようにして交換するかがチェック項目となります。ここではドレイン管のルートを三井デザインテックの施工チームと、設計チームで確認している様子です。

エアコン室内機本体に接続される管はこれだけ沢山あるのです。

ほぼスケルトン状態の下階の階段横に打合せテーブルを用意してもらい、設計側と施工側で現場定例をしているようです。この室内階段の周囲に防火区画が設けられるので、その取り合いを現場の設計担当の見上さんが説明しれています。

下階の玄関から個室への廊下沿いに新しく手洗いカウンターを設置する箇所は、床大理石タイルを剥がしてスラブの状況と配管を確認したところ、ギリギリ排水管を設置できる余裕があることが判りました。

同時に工事進行中の上階と行ったり来たりしながら設備配管や電気配線の状況を確認しています。

こちらは洗濯機を2台並べて設置するランドリー室ですが、床下配管がほぼ出来上がっていました。

床下の配管が収まったタイミングで、オーダーユニットバスをお願いしている東京バススタイルが防水パンを持ってきて組み立て始めました。

床下に動かせないガス管があったので、変形防水パンで一部を高くした特注のパンをレーザー水平器を使って慎重に設置してくれています。

こちらの写真は、2枚の防水パンを接続して止水するための金物を見せてもらった際のものです。
2025.11.01
福建土楼の旅-2 方形楼に残る生活の記憶
[見学記]
前回ご紹介した「土楼の王」承啓楼(ショウケイロウ)のすぐ近くにも、見学可能で土楼が幾つかありました。今回はその中でも、より素朴で実際の生活が感じられる方形土楼・世澤楼(シセツロウ)を中心に、周辺の集落まで歩いてみた記録です。承啓楼が宗族の繁栄を象徴する建築だとすれば、世澤楼は、より素朴で生活に密着した土楼といえます。















