Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

解体でセミ・スケルトン状態になった成城Z邸

成城Z邸

リフォームデザインがほぼ決まり、見積りもOKを頂いた成城Z邸では、工事契約が無事締結され、管理組合からの承認が貰えたので解体工事が始まりました。

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解体が終わり、清掃も済んでほぼスケルトン(骨格)状態にもどったお宅で、お施主さまのZさまとリフォームキューの担当森井さんとの打合せを行いました。ちなみに、スケルトンとは生物学的な用語で「全体的骨格」を意味する言葉だそうですが、マンションリフォームでは、皮膚ともいえる内装材、筋肉ともいえる間仕切壁、血管ともいえる配管やダクト類、内臓ともいえる設備機器類をすべて撤去して、コンクリートの骨組みだけが残った状態まで戻した(解体した)ことを指します。
実際には、こちらのお宅はまだ築浅なので、床には配管類が残っていますし、天井裏のダクト類も使えるものは残してあり、間仕切壁の下地LGSも壁位置の変更がない箇所については残してもらっていますので、正確にはセミ・スケルトン状態ですね。

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床に見えているのは、ヘッダー配管された給水(水色の管)と給湯(赤色の管)です。築10年のいわゆる築浅(ちくあさ)マンションなので、さや管ヘッダー方式が採用されており、配管そのものも架橋ポリが使われており信頼性も高いので、水圧を確認して問題がなかったので残すことになっています。

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こちらに灰色に見えているのは排水管です。薄い灰色の管は耐火二層管(別名:トミジ管)と言われれているもので、その先少し残っている濃い目の灰色の管は硬質塩ビ管(VP管)です。このお部屋はロビー階にあり、天井高さが高く、玄関から階段なしで直接アプローチできるようになっていますが、雁行型のマンション構成のため、排水管がスラブ下で竪管に結ばれるスタイルとなっています。コンクリートスラブが上下階の防火区画になるので、区画貫通する配管類は横引きされた長さが1m以内については耐火二層管にすることとされています。

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こちらは天井裏の様子です。雁行式なので、天井スラブに吹かれている断熱材(黄緑色のボアボアしたもの)が梁を超えて、部屋うちまで入ってきているのが判りますね。ダクト類も非常にきれいに配管されているのが判りました。ダクトの内部も目視で覗いて汚れがある箇所については高圧ブロア清掃する予定でしたが、前の方が殆ど使っていなかったようで、フィルター類の清掃だけ問題がなさそうだとのことになりました。

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天井で写真左下から梁に平行に手前まで伸びてきているのが天井カセット式エアコンの冷媒管とドレイン管でした。天井カセットの位置は、天井デザインにあわせて付け替えることになっているので、エアコン室内機は取り外してもらっています。

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大きなリビングダイニングがセミ・スケルトン状態になった様子です。天井高さが梁下で2800ミリほどあるので、スケルトン状態になると、写真では却って部屋が狭く見えてしまっていますが、実際にはとても大きな空間です。

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LGSの壁や配管位置のチェックをお願いしているお施主さまのZさま、リフォームキューの森井さん、うちのスタッフの竹田さんたちの背丈と天井高さを見比べると、空間の大きさが判ってもらえるのではないでしょうか。

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こちらは北側にかつて3つのお部屋が並んでいたプライベート空間です。真ん中に残った上下階を貫通する設備竪管を除いて、間仕切壁は撤去されています。

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翌週からはLGSの下地工事が始まりました。大工の内原さんは、もともとがLGS屋さんだったそうで、下地作りから大工造作工事までを担当してくれることになりました。

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設備配管工事とLGS工事が進む現場に、Zさまも何度も現場視察に来てくださいました。現場でPSが縮小できることが判った来客用トイレは、広さを活かしてレイアウト変更をすることになりました。

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プライベート空間の洗面や書斎、寝室についても、現場で展開図を見ながら確認してゆきました。大工の内原さんたちは、お施主さまが現場にくることが判っている際は、いつも材料を片付けて清掃してくれるので、とてもきれいな状態で現場打合せができています。

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LGS工事が終わると、遮音床下地工事です。こちらは際根太(キワネダ)の施工状況です。マンションリフォームで良く使われる遮音床の二重床工法は、床の荷重を点で支える防振ゴムのついた支持脚部材、面で床を支える床パネル部材、そして壁際から音が上下階に伝わるのを防ぐ際根太(防振システム根太)の3つが揃って遮音性能を確保する仕組みとなっています。以前は置床といって、際根太で床位置を固定して、支部部材そのものはスラブ上に置くだけのシステムが主流でしたが、壁際から音が伝わりやすいことや、地震で支持部材が動いてしまうことなどから、現在は際根太は壁と隙間を空けて、支持部材を接着剤で床スラブに固定する固定床システムが主流となっています。

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床パネルが敷かれつつある中、設備配管も設計図通りにレイアウトされていました。