Author Archives: Kenji Kagami
2019.10.15
解体後の墨出し位置確認@品川N邸
[品川N邸]
解体工事がほぼ終わり、墨出し作業で重要な壁位置を決めたいとの連絡が現場監督の中川さんからあったので、担当スタッフの岸本さんと一緒に、品川N邸の現場に伺ってきました。

玄関扉を開けて見えたのが、このすっかり壁と床が撤去されたほぼガランドウの空間です。幾つかの柱が残っているのは、天井のボードを支える箇所やPSです。

かつての寝室だった個所からキッチンやトイレなどを透過して、リビング方向を見たアングルの写真です。最上階住戸(ペントハウス)で、3方向に開口があるので、少し窓を開けただけで風が室内を気持ち良く通り抜けていきます。

こちらはリビングダイニングルームです。先回持ち帰ったブラインドの寸法変更が可能なことが判ったので、ベランダに面した掃き出し窓上にあった、カーテンボックスは撤去することができました(緑色の吹き付け断熱が見えている個所です)。右側が天板を取り外した既存収納です。

天板撤去の後は、このようになっています。ここまできれいに撤去できていれば、後から大理石製の天板を壁のボードを大きく痛めずにうまく差し込むことができそうです。

リビングダイニングから寝室側を見返したアングルです。左側に壁下地のLGS(軽量鉄骨下地)が残っているのは、ご主人さまの書斎部屋の壁です。LDや廊下に面した壁仕上げは大理石張りとなり、壁掛けテレビを設置したりするので、LGS下地状態となっています。

床下を縦横無尽に走っているのは、給水管(水色)給湯管(赤色)と電気配線(オレンジ)と床暖房のペアチューブ(緑色)を通す管です。給排水では「さや管」と言い、電気配線では「CD管」と呼ばれるものです。
水色と赤色と緑色の管を辿ってゆくと…、

洗面脱衣の床下に行きます。収納の下へと入ってゆきますが、実はこの収納裏の外壁側(ベランダ側)にガス給湯機があるのです。灰色の太い管が排水管で、銀色の細い管がガス管です。

その横には、かつて浴室があった空間があります。外壁側(写真向かって右側)には吹き付け断熱が施され、内側壁(写真正面)にはLGSの隙間にグラスウールが充填され、きちんと遮音用の仕様となっていることが判ります。

さて、こちらが本日の打ち合わせの本題の墨出し確認です。床スラブのコンクリート面に鉛筆で描かれた線が壁の位置を示しています。

現場監督の中川さんと、弊社の担当スタッフの岸本さんが、どこを基準にして、どこの寸法を詰めるかを打ち合わせをしています。今回は当初から、もし解体後に寸法のずれがあった場合は、主寝室の寸法を切り詰めてゆくことが決まっていたので、比較的スムーズに作業が進みました。

ちょうど電気屋さんがPS壁に元々取り付いていたインターフォンを取り外してくれていました。リフォーム後はキッチン背面カウンター上で、吊戸棚下に着くので、寸法を岸本さんが指定してくれました。

天井裏を走っていたダクトもほぼ図面通りでした。幾つかの天井段差もどこを基準にしてフラットにするかの相談もすることができました。

玄関ホール横のこちらの収納は、箱内部は活かして、扉はダイノックシート張りで再活用することになっているので、取っ手も取り外して完全養生して貰っています。

主寝室は柱横のボードを明けてみたところ、少し壁を付加せば、エアコンの冷媒管とドレン管を壁裏に隠すことができることも分かりました。
2019.10.11
外苑前C邸のお引渡しとビフォー&アフター
[外苑前C邸]
お客さまのご都合で、マンションリフォーム完成後しばらく時間を明けてのお引渡しとなった外苑前C邸の取り扱い説明に立ち会って参りました。

まず最初に、ザっと補修工事の内容をチェックしたうえで、リフォームキューの工事完了届にサインをして頂き、お引渡し書類を一通り説明して貰いました。

まずはジーマティック社のオーダーキッチンの説明からです。弊社の担当で、今回も最初から粘り強くキッチンを取りまとめて下さった神蔵さんが、Cさまに説明してくれました。

ミーレの食洗器については、ミーレの担当者が来て説明をしてくれました。

レンジフードの清掃の説明は、神蔵さんでは届かないので、長身を生かして僕、各務が実際に整流板を外し、シロッコファンまでの取り外しをご説明させて頂きました。

キッチンの次は東京バススタイルにお願いした浴室です。

ジェット機能付きの浴槽の説明以外は、ほぼ掃除、メンテナンスのご説明となります。

最後は、リフォームキューの岩波部長から、給湯器や床暖房、照明スイッチ等の説明でした。今回はルートロンのシーン調光システムを使っているので、そのスイッチを丁寧に説明してくれました。
以下は、リフォーム工事の前後を比べたビフォー&アフターの写真のご紹介です。

リビングダイニングのビフォーアフターです。玄関・廊下とキッチンの機能を整理し直すことで生まれた余剰空間分、リビングを広くすることができました。以前は扉の開き勝手で家具レイアウトの制限がありましたが、引き戸にすることでラウンジチェアを置くスペースが生まれました。
従来は壁天井ともに白いクロス張りでしたが、壁にはクラシカルなモチーフのパネル壁、左側のテレビ&ワインセラーコーナーは黒い素材とメリハリをつけることで、空間の奥行き感を演出することができたと思っています。

TV&AVコーナーとワインセラー置き場を合体させた、リビングの壁面収納のビフォーアフターです。リビング壁に唐突に立っていたコンクリート躯体の柱柄を一枚のフレームの中にデザイン的に取り込み、凹凸調整することで柱の存在感を消すデザインとしています。

洗面脱衣のBefore&Afterです。浴室と洗面のレイアウトは基本的に同じままですが、洗面カウンター横にも半透明のガラス入りの窓を設けたことで、全体的に明るい空間となっています。大理石柄の大判タイルで作った伸びやかなカウンターと、収納量を確保したメディスンキャビネットなどで使い勝手も向上しています。浴室をオーダーユニットで作り直したことで、洗面から浴室の入り口はフラットになったこともお客さまはとても喜んでくださいました。

玄関ホールの改造前と後です。以前は腰高だった靴収納を天井まで伸ばす代わりに、カラーガラス張りの扉で存在感を和らげています。SICやトイレのレイアウト変更で生まれたニッチに、靴の脱ぎ履きや荷物の仮置きなどに使えるミニベンチを設けています。
弊社ホームページ上にも外苑前C邸紹介のページを作りましたので、どうぞそちらもご覧ください。
2019.10.07
モルテーニの壁面収納システム505
[麹町K邸]
現在設計プロセス進行中の麹町K邸では、リビングの壁面にテレビ収納とライティングビューロー( writing bureau、つまりライティング=書き物をするとビューロー=引き出し収納が合体した引き出し式書斎机)と飾り棚を設けたいとのご要望がありました。そこで、お客さまご夫妻と青山にあるイタリアブランド家具のモルテーニのショールームに一緒に伺って参りました。

以前、Kさまご夫妻だけでも、こちらのショールームに伺ったことがあったそうで、この世界観や色味がとてもお好きだとのことでした。

モルテーニは元々が壁面収納専門のメーカーでしたので、収納式の書斎コーナーであるライティング・ビューローシステムも幾つかの種類があります。

こちらは、上部はガラス扉をせり上げて、テーブル部分は立ち上がっていた板をパタンと90度手前に倒すタイプです。

こちらは、テーブル部分は最初から出っ張っておりますが、テーブル奥に物を押し込むと、上からスライドして落ちてくる扉板で隠すことができるシステムとなっています。

今回は書斎コーナーとテレビ収納と飾り棚を組み合わせたデザインを検討しておりますので、幾つかの事例をショールーム内で拝見させて貰いました。今回は全てモルテーニの505シリーズで検討しております。

こちらは事例としてはテレビは置いておりませんが、中央左部分の間接照明が入ったオープン棚は縦サイズを大きくすればテレビも置けるレイアウトに変更可能とのことでした。

ショールーム見学の流れの中で、ウォークイン・クローゼットのマスタードレッシング・システムもご覧になって、こちらもとても良いので、提案して貰えないかとのお話しになりました。

やはり流れの中で、僕らが良く採用させて貰っているフィリグリーというエクステンション型のダイニングテーブルをご覧になって、Kさまご夫妻は一目惚れなさって下さり、これは絶対に欲しいというお話しになりました。

また、最後の打ち合わせで使わせて貰ったこのコーナーで使っているダイニングチェアのアウトラインも、コストとデザインのバランスが良い優れた椅子であることをご説明したところ、こちらも気に入って下さりました。

アウトラインも多様な張地の中からお好きなものを選べるですが、レザーがお勧めなので、僕らが良く使っているレザーを見て頂きました。ベースはブラウン色と決まりましたが、一つは書斎コーナーでも食卓でも使えるようにして、そこに赤い色をアクセントカラーとして入れてはどうかという話にまで発展致しました。

モルテーニがこちらの要望を纏めた提案書案が届き、幾度か間違っていた箇所の訂正や、使い勝手や色味の確認を行った後で最終的に纏めて貰ったのが、こちらのプレゼンシートとなります。飾り棚の背面板にも、アクセントカラーの赤を使おうとのお話しになっております。