Author Archives: Kenji Kagami
2016.12.26
サァラ麻布のダイニングテーブル&ミノッティのソファ搬入設置
[元麻布I邸]
一通りの工事が終わり、その後の補修工事が終わった元麻布I邸ですが、低温ベイクアウトと同時進行で、大物の家具の搬入&組立て、設置が始まりました。
大物家具は一度設置すると、移動するのも大変なので、二日間の期間を確保して、こちらが考えた順番で入れて行って貰いました。まず最初に来てもらったのは、ベイカー@東京にお願いしたTufenkian(トゥフェンキアン)のラグです。
次が、サァラ麻布にお願いしたセンチュリーのダイニングテーブルです。
梱包も小型ですし、組み立てみても、空間の大きさに対して結構小さく見えて心配になります…。
設置すると、きちんとした大きさになっていました!実はこのテーブルはエクステンション機能付きで、間に2枚の追加リーフを入れて伸ばせる机なのです。最少で1920ミリ、最大で3040ミリ、中間で2480ミリという寸法に調整できるテーブルです。今回は空間も大きいので、マックスまで伸ばして約3メートルの机として使っていただく予定です。ラグとテーブルと照明の組合せで、とてもエレガントな空間に仕上がってきました。
次に届いたのが、ミノッティのソファです。シックでエレガントな雰囲気のダイニングに対して、リビングはモダンテイストで仕上げています。
ミノッティは担当の早坂さんが手慣れているので、小一時間で組立てを終えて、設置してくれました。こちらにもラグを敷いていますが、これはかつて寝室に敷かれていたカーペットを現地で簡易縁加工して貰い、ラグとして転用しています。お子さまが生まれたばかりなので、汚れて捨てることになっても無駄にならないようにとの配慮です。
リビングダイニングとは絡まない主寝室では、シモンズのベッドの搬入組み立てが同時に煤でいました。
こちらも比較的スムーズに組立てが終わり、リネン類も含めて全て現地に置いていって貰いました。
搬入設置で一番苦労したのが、冷蔵庫でした。大手家電量販店で、洗濯機や掃除機、電子レンジなどと一緒に購入して頂いたのですが、事前の家電搬入時にエレベーターの扉幅と冷蔵庫がギリギリ過ぎて、エレベーターをキズ付けてしまう可能性があるとのことで、一度持ち帰って貰っていました。リフォーム工事が全て終わってしまっていたので、前田君が現地でプラ段(プラスチックダンボール)の板を使って、エレベーター内を養生したうえで、搬入して貰いましたが、この搬入予定日が二転三転したうえ、搬入時間も当日になってから3度も変更があり、最終的に搬入されたのは夜7時頃になってしまいました。
室内に入ってからも開口部が結構ギリギリの寸法だったので、最後に無事キッチン内の指定場所に収まった時には、前田君も涙しておりました(嘘ですが…)。
こちらは少し恥ずかしい写真ですが、プライベートの洗面脱衣室の奥に設けたガラス張りのトイレです。当初から、乳白色のフィルムを貼る予定でしたが、どのくらいの透過度が良いかが、判断しにくかったので、一通り出来上がったこのタイミングで、ガラスにフィルムを貼って、透明度を確認して頂きました。
そして、後日フィルムが貼られた状態のトイレのガラス間仕切りです。左側の透明部分が扉ですが、こちらは透明のままでしばらく過ごして頂くことになりました。
家具が一通り入ったところで、お客さまにも立ち会って頂き、リビングと寝室のカーテンを現地で決めて頂きました。いつもお願いしているマナ・トレーディングの松ケ下さんに大判のサンプル生地を持ってきてもらいました。まずはこの時点では取り急ぎレースのカーテンを選んで頂きました。
次の機会で、中目黒のマナ・トレーディングのショールームで、カーテンのサンプルを幾つか選んで頂き、
それらのサンプル帳と大判のサンプルを松ケ下さんに現地に持ってきてもらい、
窓際に掲げながら決めてゆきました。
最後の写真は、夜暗くなってから、リビングダイニングの照明のシーン設定をルートロンで調整している様子です。6つのグループの照明セットを、全部全開でオンから、全部オフまでの間で、リビングでテレビを見るシーンや、ダイニングで食事をしているシーン等を想像しながら、前田君に手伝ってもらって5つのシーン設定を致しました。
2016.12.23
二つの折り上げ天井を繋げる工夫@横浜伊勢山Y邸
[横浜伊勢山Y邸]
解体が一通り終わった横浜伊勢山Y邸では、壁下地の作り込みが始まっていました。
判りにくい写真ですが、床にしゃがんでLDの天井を見上げた様子です。既存ではリビングとダイニングの二つの折り上げ天井が別々に関係なく並んでいましたが、それらを繋げて関係付けるようにデザインしています。ただ、写真中央に横切っている梁型が問題となるので、そこの左右に下地を流して、なるべく薄い天井下地を組み上げようと考えています。
折り上げ天井が段差になって繋がってくるので、その段差部分をどのように組んでもらうかを、リフォームキューの坂本さんと一緒に現場でボードの切れ端で説明している様子です。
現地の床では、木製の梯子のようなものが組まれていました…。
こちらは後日の現場の様子ですが、床で組まれていたのは木製格子パネルで、梁下をまたぐ形で二つの折り上げ天井を繋げるための下地だったのです。梁の横に渡したLGSの下地と、梁下に接着剤で貼った木製のコマで、このパネルを梁下にピタリと取り付けたのです。
手前がリビングの折り上げ天井で、奥がダイニングの折り上げ天井、木製パネルが二つの折り上げを繋いでいる様子がわかるでしょうか…。
こちらは、さらに現場が煤電からの様子です。小型の折り上げ天井部分には木製パネルを張って白拭き取り仕上げとして貰っています。
また、以下当日の様子に戻ります。
玄関部分も天井を折り上げて、間接照明用のボックスを作ってもらいました。
構造柱のを中心に四辻となるキッチン周辺の壁下地が立ち上がっていました。
柱の反対側から見た様子です。右側がリビングダイニングで、正面奥がキッチンになります。
リビングから玄関ホールとキッチン側を見返した写真です。電気屋さんの配線工事も進んでいます。
キッチンの裏には、来客用トイレを広げて作る予定です。
電気関係は毎回お馴染みの望月さんが担当してくれているので、ちょっと難しい配線もこちらのリクエストに応えて対応してくれています。
2016.12.20
大理石とラインストーンの壁張り分け@麻布台M邸
[麻布台M邸]
麻布台M邸のリビングと書斎を間仕切る大理石張りの壁ができてきました。
大理石の石種は、モナコグレーです。うちの事務所では、グリジオ・ビリエミ(ムルシア・ブラウン)という石種を比較的良く使ってきたのですが、この大理石がどこの石材屋にもほとんどないとのことで、似たような石種で探してもらったものが、このモナコグレーです。スラブ材と呼ばれる大判の板材から、壁のサイズに合わせて切り出してもらったものです。
この壁を左側に周ると、引き戸を入れるスリットがあり、その先にも大理石壁が続いています。
その先には、廊下側から書斎へと入る扉の枠材があり、そこで大理石が止まっています。枠材は、チークも無垢材で作ってもらったものです。
壁の右側にも引き込み扉のためのポケットが作られています。
工務店の青とは幾度も同じようなディテールの引き込み扉を作ってきましたが、扉が少しでも歪むと、ポケットの枠と擦れてしまうという問題に当たったことがあったので、ポケットの入り口部分と、扉が一番孕みやすい、中央部の横桟にモヘヤを貼ってくれました。
写真では分かりにくいのですが、モナコグレー張りの反対側の壁には、ライムストーンのモカクリームを張って貰っています。ライムストーンと大理石は、化学組成の点では同じものだそうですが、ライムストーンに熱が加わって再結晶したものが大理石と呼ばれるそうです。ただ、色味や触感は大きく違っており、ライムストーンはサラッとした触感で、柔らかく優しい雰囲気があるのに対して、大理石はダイナミックな柄とユニークな色で個性が強く、(磨き方によって大きく違ってきますが)本磨きにした場合は特にツヤがでて華やかな雰囲気になります。
こちら麻布台M邸では、少し暗めのリビングでテレビを壁にかける壁はダークでシックな大理石張り、明るくオープンな雰囲気のダイニングにはライムストーンを使って、空間の様相を変えてみました。
ライムストーンは直角に曲がった壁まで貼ってありますが、それだけではちょっと静かに見えるので、後で絵画や写真を飾れるように、最細のピクチャーレールを天井との接合部に仕込んで貰っています。
リビングダイニングの南北の壁は上記の石張りで、東側は窓となり、西側には玄関とキッチンが並んでいます。この写真の右が玄関ホールで、左側がキッチンです。
キッチンの既存アイランドカウンターを変形させた、壁付けのペニンシュラカウンターの一部が壁から出っ張るデザインとなりますが、そのカウンターを支える壁ができてきました。
ここからは、細かい枠建具枠、異種素材の見切り枠を付けてゆく段階となります。
できてきた建具枠に合わせて作る建具(扉のことです)の採寸のために、建具屋さんも来てくれていました。
この箱から取り出した見慣れぬものは…
収縮式の定規でした!
大工さんや造作家具屋さんは巻き尺で寸法を図るのが一般的ですが、より正確な寸法が必要な建具屋さんは、途中で曲がらないこの特殊な定規を使った方が良いのだそうです。
最後のオマケの一枚は、床を張り替えた洗面所です。玄関と同じシルバーギャラクシーという石種ですが、浴室扉前の床には、床下に置いた漏水センサーをチェックするための点検口が必要なので、400ミリ角の石のコーナーに200ミリ角の孔をあけ、シールでそのサイズの石を固定することにしました。