Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞!

[ニュース]

12月6日(水)に高級住宅&インテリア雑誌「モダンリビング」が主催する、モダンリビング大賞の授賞式がありました。その1年間で掲載された作品から読者アンケートで選ばれた作品がベストシックス賞となり、さらにそこから審査員の方々と人気投票でモダンリビング大賞が選ばれるというスタイルとなっています。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

弊社、カガミ建築計画は、昨年の12月号に掲載頂いた、新築マンションのペントハウスインテリアの関西I邸が候補に選ばれ、そこから改めての読者投票にてベストシックス賞を頂くこととなりました。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

投票スタイルも今年から変わり、同じ12月のマンション特集号から2つの候補が選ばれ、その中から読者投票で1つが選ばれるという仕組みとなりました。なんともう一つの候補が、森ビルの虎ノ門レジデンシャルタワーのペントハウス住戸インテリアのトニー・チー・スタジオとの1対1のガチンコ対決(笑)となったのですが、何とその対決に勝ってのベストシックス賞だったのです。
ベストシック賞までは事前に聞いておりましたが、この授賞式の当日の6つの作品の中から唯一のモダンリビング大賞が選ばれるとのこと、ドキドキの瞬間が近づいてきました…。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

授賞式パーティーは以前、ザ・ライブラリーのスタッフ全員で見学に伺った横浜のNODEAギャラリーでした。NODEAギャラリー見学の過去ブログはこちらをご覧ください。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

パーティー当日は、受賞者だけでなく雑誌モダンリビングによく掲載される有名建築家やインテリアデザイナーの方々もいらして、授賞式の前にNODEAの超ハイスペック窓サッシを案内されていました。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

そうこうしているうちに会場の準備が整ったとのことで、会場に着席いたしました。関西I邸は僕、各務とカガミ建築計画副所長の竹田怜未さんとの共同設計ではありましたが、僕が筆頭設計者なので、受賞者席には僕が座ることとなりました。今回のライバルはバケラッタの森山善之さんやUIDの前田圭介さんIKAWAYAの井川充司さん、さらには気鋭の若手建築家の小野寺匠吾さんやSWAY DESIGNの永井菜緒さんといった錚々たる面々で、とても大賞は狙えないだろうと気楽な気持ちで授賞式に臨むことができました(笑)。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

モダンリビング編集長の高坂さんと、ベストシックス賞受賞の各務と竹田さんが並んだ様子です。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

こちらはトロフィーを授与されている様子です。まだ名前が記名されていないトロフィーでしたので、頂いたその場で返却して、後日記名されたものが郵送される手はずとなっているそうです。ちなみに、お客さまの関西I邸のIさまご夫妻にも同じトロフィーが贈られることとなっております。設計者だけでなく、お客さまにも賞が授与されるとことが素晴らしいですね!

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

最終的にモダンリビング大賞に選ばれたのは井川さんでした!井川さんの住宅作品は素材感満載の素晴らしい住宅でしたので、こちらが大賞を逃したことは全く悔しくありませんでした…。井川さんとは今年の4月のミラノ・サローネで初めてお目に掛りましたが、爽やかな好青年なのです。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

授賞式が終わった後はお楽しみの懇親会パーティーでした。モダンリビング元編集長の下田結花さんとインテリアデザイナーの大場由里さん、そして住宅建築の名手彦根建築設計事務所の彦根明さんとの記念撮影です。大場さんは、事務所が歩いて4分ほどのお近くさんです。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

前日のバケラッタでのクリスマスパーティーでもお話したMDSの森清敏さん、以前から憧れておりこの日初めてご挨拶させて頂いた有名建築家の椎名英三さんともお話をすることができました。

2023年モダンリビング大賞ベストシックス賞受賞

最後の写真は、これまでお話しする機会も乏しかったインテリアデザイナーの方々との記念写真です。モダンリビングとの提携インテリアコーディネータで、左から今回のインテリアスタイリング賞のベスト3に選ばれたフリーダムデザインの小池祥子さん、以前よりインスタで知己を得ていたLuxe Designのみねぎしくみさん、そして今回初めてお話をさせて頂いたInterior Design Strasseの柳生千恵さんです。
今回のような素敵な賞を頂けたこと、まず第一には新築マンションの最上階住戸270平米のインテリアを設計させていただく機会をくださったIさまご夫妻に感謝あるのみです。そして数少ない現場訪問にも関わらずきちんとした施工をしてくれたK組の施工チームの皆さま、とにかく難しい技術を組み合わせたキッチン施工のリネアタラーラの牧野さん、イタリアからポルフィドという珍しい石材を輸入することに尽力してくださったアークテックの増田社長とペドレッティ社を紹介してくださった堀川絹江さん、共同設計者として間違いなくそして用意周到に図面作成をしてくれた竹田怜未さん、ありがとうございました。

リノベーションプランとCG(コンピューターグラフィック)

[新宿区T邸]

180平米声のマンション最上階住戸(ペントハウス)リノベーションの新宿区T邸では、細かい微調整をしながらリノベーションプランの作成が進んでいます。

最初のプランはメールで頂いたスケールも曖昧なPDF図面に手書きで、エリア分け程度のイメージプランを作ります。初回のお打ち合わせ時にこのラフプランに更に手書きで色々とお客さまのご要望を取り込んだところでまずは無料相談レベルのプラン提案の終わりとなります。建物の詳しい情報が分かっていない段階でのラフ・リノベーション案なので、実現度合いは70~85パーセントだとお客さまにはお伝えしています。

新宿区T邸のリノベーションプラン

有料の現地調査をした後のプラン提案では、現地の様子と建物竣工時の図面データから得た情報を入れ込んで、実現度合いがより高いリノベーション案を作ります。解体調査ができていない段階でのプランですが、竣工時の図面が正しいとすれば実現度合いは95パーセント程度まで高まったものと考えています。

新宿区T邸のリノベーションプラン

第2回目の打合せ時には、対案としてもう一案作ることがあります。すべての条件が合致した案ができれば1案だけでのご提示となりますが、ほかにも考え方があることをお示しするためにもう一つリノベプラン案を作ってみることがあります。

新宿区T邸のリノベーションプラン

どちらかの案で方針が決まった後は、CAD(パソコンで描いた図面)に作業は移っていきますが、その作業で少々時間がかかるので、スケッチパースや展開図で立体的なデザインの打合せをすることがあります。

新宿区T邸のリノベーションプラン

現場写真にペンで描き込んだコラージュスケッチや、スケールはいい加減ですが、空間の雰囲気が伝わるスケッチパースを作る等、状況に応じて臨機応変に提案していきます。

新宿区T邸のリノベーションプラン

スケッチ類で時間稼ぎ(笑)をしている間にスタッフの岸本さんが起こしてくれたCAD図面での提案図です。2番目のスケッチ案とあまり違わないようにも見えますが、壁の厚みや水回り、キッチンなどの寸法がかなり精密にできてくるので、信頼度はかなり高まった図面となります。

新宿区T邸のリノベーションプラン

4回目あるいは5回目の打合せからは、展開図も加わってのご提案となってきます。ここまでにインテリアのお好みのイメージのヒアリングもしているので、ある程度イメージに沿った展開図デザインができてきているハズです。今回の新宿区のTさまは、これまでのお住まいとはガラリとインテリアを変えたいのとのこと、黒をアクセントとしたキリッとしてデザインで考えて欲しいとのご依頼となっています。

今回は天井高さが3メートルあり、ダイナミックな空間が特徴となること、また費用的にもそれなりの額を掛けてのプロジェクトになるので、担当スタッフの岸本さんと前田君と相談して、CGも作ってお見せすることとしました。

初回のCGのご提示は白黒のパースとしましたが、立体的にどんな空間になるのかが読めて、とても分かりやすいと喜んで頂けました。

そして、展開図で示した素材と色味を落とし込んだカラーのCGがこちらです。まだ、黒い家具の木目がつぶれてしまって見えていたり、照明計画やアート等もご提案できていない段階ですが、かなりリアルな画像になってきました。

リビング側のCGも逆光なので、手前が暗くなってしまい、リアルな所までは近づけておりませんが、リフォーム前の現行の空間からは、かなりガラっと変わったことが実感できると、Tさまご夫妻も喜んで下さっております。

セミオーダーキッチン打合せ@クチーナ代官山

[渋谷区N邸]

渋谷の新築マンションリフォームのN邸の奥さまとキッチンの打ち合わせを進めています。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

先回の白黒CGを使った打ち合わせでリフォーム案の大枠が決まり、キッチンについては、ペニンシュラ(半島型)カウンターにシンクとコンロをもってきて、背面収納に冷蔵庫やビルトインオーブンを組み込む方針が決まっています。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

まずは担当スタッフで弊社副所長の前田君がラフに作ったキッチン展開図を見て頂きながら、今のお住いの代官山N邸でもキッチンをお願いした、クチーナの代官山ショールームに伺って参りました。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

クチーナ代官山ショールームは、都心にありながらかなりの規模の大きさがあり、多種多様なキッチンのスタイル、更にはシンク&水栓やコンロ&レンジフード、収納キャビネットの種類も豊富で最新キッチンの動向を見て貰うには最適なショールームとして重宝しております。クチーナの弊社担当者の清水さんと前田君で説明をしてくれています。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

5年前に代官山のお宅のリフォームをお手伝いした時も、キッチンはクチーナでしたが、あれからの5年の期間で、Nさまご一家はお子さまも育ち、新たに家族メンバーも増え、家族でご飯を食べる量も格段増えているとのこと、より使い勝手が良く収納量もあるキッチンになさりたいとのご意向でした。
ショールームでは僕らも良くご提案しているハーフェレ社の引き出し式パントリー収納をご紹介しています。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

コンロ下にはオーブンを設けないレイアウトになるので、コンロ周りの収納のアイデアを見て頂きました。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

食べ物の量が増えるということは、ゴミの量も増えるだろうとのこと、どのようなゴミ収納があるのかをご覧になりたいとのことでした。弊社事例では引き出しにゴミ箱を組み込むタイプが一番人気ですが…、

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

分別ができるもの、蓋つきのもの、ごみの容量と色々な種類があります。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

ワゴンタイプで下に車輪がついていて引き出せるタイプのゴミ収納です。こういったスタイルを見ると便利そうに見えるのですが、実はワゴンをしまう際に側壁や扉にぶつかりやすく面倒で、仕舞わなくなってしまった事例のお話しをすると、なるほどと納得してくださいます。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

シンクも、洗剤ポケットとつけるべきか、洗いカゴやまな板をセットできるタイプにするか、水栓をカウンターから立ち上げるか、シンクのステンレス部から立ち上げるか、サイズをどうするかといった選択肢が豊富にあり、パッと見ただけでは選ぶのは難しいのです…。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

ご自宅キッチンのCGを見ながら、どこに何を組み込めば、どのような流れで調理ができるかを想像して頂きながらレイアウトを考えていきます。これまではお子さまに料理を手伝ってもらうことは少なかったそうですが、これからどうするかによって、通路幅の考え方も変わってくることをご説明致しました。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

ビルトインオーブンも電子レンジを兼ねたコンベックだけでなく、スチームクッカーや、ディッシュウォーマー等の機能もご説明させて頂きました。ディッシュウォーマーは、単にお皿を温めるだけの機能ではなく、家族で食事をする際に時間差がある家庭では便利な、フードウォーマーとしても使えるものなのです。スープやシチューといった料理を器に入れたまま保温しておくことが出来るのは便利ですね。さらには大型の低温調理器として、プリンや塊肉のローストにも使える便利品へと機能アップしているのです。
カウンターや扉の素材についても一通りご説明させて頂きました。色味や、リビングダイニングと一体で考えてゆくのでまだですが、キッチンレイアウトは作ることが出来そうです。

クチーナでのオーダーキッチン打合せ

そして、こちらが10日後にクチーナの清水さんから上がってきたキッチンレイアウト図です。