Author Archives: Kenji Kagami
2012.08.16
水廻りボックスの組み立て
[神戸M邸]
先月解体工事が終わり、リフォーム工事が本格的に始まった神戸M邸の現場に、スタッフの竹田さんに監理に行ってもらいました。
ガランドウだった現場には、床下地と天井の下地も作られ、水廻りを納めるボックス状の構造体も徐々に姿を現し始めていました。
このボックスは天井まで届かない高さに抑え、天井を介して空間がつながっていることを感じられるデザインとしています。上部には子供が載れるミニロフトとする予定なので、ある程度の荷重に耐えられるように、60ミリ角の木柱を使って組んでもらっています。
箱の内部には、既にオーダー式のユニットバスも組み立てられています。床が下がった所に、給水と給湯管、更には排水管も見えていますね。床は浮き床というシステムで上げることで遮音性能も確保しています。
こちらがオーダー式のユニットバスの内部です。大理石を使ったハイグレードな仕上げとなっています。
設備絡みでは、キッチンの個所の設備配管の立ち上がりもきちんと設けられていました。チョコとした様子が可愛らしくて、つい撮影してしまいました。
因みに、こちらが事前に工務店から送って貰っていた
床下の配管状況写真です。
こちらは曲がり天井の下地部分です。カーブした部分に、水回りボックス越しのLED照明が光を当てて演出する予定です。東京のマンションリフォームではLGS下地が多くなっていますが、久しぶりに木製下地の工事を見ると、在来木造の新築現場のようで、嬉しくなります。
当日は、現場監理だけでなく、造作家具と建具の打ち合わせもありました。遠隔地はそれほど頻繁に現地に行くことができないので、行ける際にはなるべく多くの打ち合わせを入れて貰い、一度で多数の用が済ませるように手配をお願いしています。
こちらで用意した図面に沿って、造作家具屋さんが図面とスケッチを起こしてくれ、それを現地で寸法を当たりながら、建築との納まりを考えて、問題になりそうな部分をピックアップしてゆきます。今回はこの段階で一度東京の持って帰って貰い、こちら側の考えをメールで伝え、訂正をお願いする流れとなっています。
2012.08.10
キッチン円形シャフトの成形
[杉並区S邸]
以前から出来上がる様子を徐々に説明してきた、キッチンのアイランドカウンターを貫通する円形シャフトの成形工事の最終段階です。
まずは、VU管に15mのベニヤ板を割いた下地を取り付けてゆきます。
これはVU管の厚みだけでは曲げベニヤ板を固定させるには脆弱過ぎるので、きちんとビスが効くように下地を組んでいます。
その上から曲げベニヤ板を張り込みます。曲げベニヤ板は、通常のベニヤ板とは違い、張り合わせる薄板の繊維方向を統一させることで、ある一方向に曲がるように作られた建材です。因みにVU管の外形が218ミリで、そこに15mの木製下地を両側に張っているので、248ミリの丸形に厚さ4ミリの曲げベニヤを張っています。このベニヤは最小曲がり直径が250ミリなので、ちょうどギリギリのサイズになっています。
この曲げベニヤをビスでかっちり固定し、更にその上からもう一枚曲げベニヤを張回します。
その上から、以前から水に浸してある程度丸形に形を付けておいたFGボードをビスで固定してゆきます。FGボードは、石膏系でありながら曲面施工が可能な不燃ボードで、特徴としてはソフトで腰が強く、厳しい曲率半径でも容易に施工でき、靱性や遮音性に優れている建材です。
5ミリ厚のFGボードを二重に張って、円型シャフトの完成です。朝9時から夕方5時まで掛かって、ようやくこのレベルまで仕上がりました。最終的な仕上がり寸法は計算上は284ミリです。実際にはそれより少し膨らんで290ミリ程度に仕上がったようです。完成後の様子は杉並区S邸リノベーションをご覧ください。
最初の頃の様子も思い出すために、参考写真を以下に載せておきます。
本来はブロック壁があることで防火の区画をしていましたが、そのブロックが当初から壊れていたので、上下階を貫通する配管類を全てフィブロックで防火処理をしました。
その上で、排水管を遮音用の鉛で覆って、エアコンのドレイン管を寄せて一本に纏めた段階です。
VU管でその上から覆ったところです。ここをベースに本日の作業が進みました。
2012.08.08
特注スチール製扉の吊り込み
[杉並区S邸]
リビングと廊下、リビングと書斎廊下を区切る、特注のスチール扉の吊り込みの様子です。
六本木T邸では、横桟を何本か入れて細かい影を付けましたが、今回は空間もおおらかでザックリした仕上げを多用しているので、それに合わせてシンプルに四方に厚めの枠を回すデザインとしています。吊り込み作業は二人掛りで、ガラスをはめた状態でガラスに吸盤を付けて持ち上げています。
珍しい鉄扉の下端の様子です。四角い鉄製の部品の個所に床のフロアヒンジを組合せて、その部分を中心に扉が回転します。因みに、扉は錆び防止塗料で塗られた状態で、まだ最終的な色になっていません。
こちらが床に埋め込まれたフロアヒンジです。フローリング材でカバーしていますが、その下に機構が隠されています。
こちらは天井で吊っている個所の様子です。ガラスが入っていますが、まだ押し縁も横だけが留められた状態で、竪は固定されていません。
押し縁を留めた時点で、この変性シリコンを押し縁とガラスの隙間にシールしてゆきます。
因みに変性シリコンは通常のシーリング材と比較すると、シールした上から塗装することができる代わりに、経年変化による劣化(ヒビ割れ)が起こりやすいことが特徴です。今回は室内使用で、防水などの機能を負っていないので、色味を考えて採用しています。
完成後の様子は杉並区S邸をご覧ください。























