伊東の別荘デザインリフォーム現場もいよいよ終盤に差し掛かって参りました。以前のコラム別荘の新しい玄関の考え方でも書いたとおり、かつては建物下部のピロティーから、急勾配で上がっていた玄関を、年配のオーナー夫妻のために、外部に緩やかな勾配の階段とこじんまりとした玄関ホールを増築することになっています。古い別荘に対して、新しい要素が加わるので、デザイン的には全く別の構成要素が取り付くイメージとしています。
階段の箇所の上部には、既存の押入れが出っ張ってきているので、それを避けるように、階段が少し歪むことをデザイン要素として取り上げています。外側に歪んだ形となったことで、上手く人を招き入れるデザインになったのではと自負しています。古い別荘の外観は、ベージュが風化したような色なので、この玄関部分の色合いは、全く変えてダークグリーンとしました。
緑の植栽の中に埋もれた箇所であることと、緑の中を通り抜けて、新しく生まれ変わったインテリア空間に入ってゆくイメージで、この色を選びました。鋼板の張り方も、普通の葺き方ではなく、板金屋さんの技術が必要な一文字葺きとしました。増築部分が一つの塊に見えるようにするためです。