Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

トム・フォルクナーとB&Bイタリアの家具搬入設置

代々木上原I邸

代々木上原I邸では、竣工検査に向けて家具の搬入が始まっています。通常のリフォーム・リノベーション工事では、検査から補修のプロセスが全て終わってから家具の搬入設置を行うことが多いと思いますが、カガミ建築計画では、家具やカーテンまで含めて設計監理で請け負っているので、タイミングさえ許せば家具を入れた状態で検査をお願いするようにしているのです。

B&Bソファの搬入設置

まず最初に入ってきたのはB&Bイタリアのソファのアルネ(Arne)です。

B&Bソファ_家具搬入

裏返しにしてスチール製の脚を取り付けます。カーブした独特のフォルムが特徴的なソファなのですが、この段階ではまだその魅力が見えてきませんね(笑)。

次に届いたのは、玄関ホールに置くベンチシートです。アーテリアーズのパルメロ・ベンチ(Palmero Bench)です。

B&Bイタリアのソファとアルマーニ・カーザのスタンド照明のテルジラ(TERSILLA)を仮置きした様子ですが、部屋の形と広さに対して、ちょうどよい大きさと角度でした!

リビングに置くもう一つのパーソナルチェア、ポルトローナフラウアイーダ(Aida)と…、

キッチンカウンターに配置するハイスツールのモンテーラ(montera)も届きました。

トム・フォークナーの円形テーブル

そして、今回の家具では一番の山場のトム・フォークナー(Tom Faulkner)(イギリス)のダイニングテーブルが届きました!

トム・フォークナーの円形テーブル

真横から見ると、その不思議な脚の造形が良く分かるのですが、アヴァ(AVA)というダイニングテーブルで…、

トム・フォークナーの円形テーブル

天板は大理石のエラモサです。大理石の柄についてはIさまと一緒に大いに迷いましたが、最終的に選んだエラモサがとても美しい仕上がりで(大理石の天板は選べないのです…)、本当に嬉しく思っております。

下階の来客用トイレには、アーテリアーズのミラーが届きました。

今はもう廃盤になってしまったIsabel Rectangular Mirrorという製品です。

ダイニングテーブルのアヴァの直上には、ボッチ(Bocci)28シリーズのペンダント照明が吊られ、ダイニングチェアのモルテーニ(イタリア)のアウトライン(Outline)も揃いました。

リビングダイニングの窓周りのウィンドウトリートメントも入ってきました。ベランダ側の大窓には、壁部分もカバーするシルエットシェード(ハンターダグラス社)が、ダイニングの横の小窓には、同じハンターダグラス社のルミネットシェードを取り付けて貰いました。

B&Bでお願いした円形のラグも入って、一通りリビングダイニングの家具が揃いました!

ギャラリーライクなマンションリフォームの完成

六本木Y邸

生活感のない空間でお二人の好きなアートが飾られた中で暮らしたいというご希望の六本木Yさま邸リフォームが完成しました。

六本木Y邸竣工記念写真

まずは、家具とアートが揃ったLDKでYさまご夫妻と担当の前田君と僕、各務の4人での記念撮影です。

六本木Y邸家具入り竣工写真

出来上がった空間はこのような空間です。確かに、生活感が無く、ギャラリーの様ですね!

六本木Y邸バクスター家具搬入

竣工お引渡しのこの日の午前中は、新規ご購入の家具の搬入から始まりました。イタリア家具のバクスターミノッティ、そしてTOYOキッチンさんの3社の搬入がありました。

六本木Y邸バクスター家具搬入

バクスターは背もたれのない四角いデザインのパナマ・ボールド(Panama Bold)でグリーンのヌバックレザー張りとなっています。搬入時に立ち合ってくれてた南陽オモビト(バクスターの運営会社)の小田島さんが設置を手伝ってくれました。黄色と灰色の四角い箱は、ミノッティのソリッド(Solid)で、椅子にもミニテーブルにも使えるオブジェ的な家具です。黒いレザー張りのイームズチェアは元々お手持ちのものです。

六本木Y邸家具入り竣工写真

真っ白過ぎて、殺風景に見えていた空間も、Yさまご夫妻の好みのアートと家具が入ったことで、魂が入り込んできたようで、空間が急にイキイキとしてきました!

六本木Y邸家具入り竣工写真

こちらのスツールがTOYOキッチンのスプーンです。生活感のないモノトーンのキッチンダイニング空間にフィットしていました。

六本木Y邸家具入り竣工写真

草間彌生さんのリトグラフが飾られた玄関は、リビングダイニングへの入り口がスカイブルーの扉となっています。

六本木Y邸家具入り竣工写真

リビングから玄関ホール越しにプライベート空間を見返すと、ウォークインクローゼット扉のグリーンが見えてきます。アートと家具が入ると、このアクセントカラーが本当に効いてくるのです。

六本木Y邸壁色変更提案

Yさまからは、追加での費用が掛かっても良いので、もう1色ぐらいアクセントカラーを入れたいとのご相談があり、僕が指し示している棚にカラーと入れたらというお話をさせて頂きました。

六本木Y邸壁色変更提案

こちらはその夜に撮影した写真をフォトショップ加工で黄色く色づけてみた比較画像です。この画像をお送りしたところ、是非この黄色でお願いしますと即断即決のお返事が届きました!

黄色いアクセントクロス

こちらでイメージに合いそうなカラークロスを選んだがこちらです。こちらもすぐにBが良いと選んで下さり、来週には部分張替えの手はずをリフォームキューの坂本さんに整えて貰いました。

六本木Y邸壁色変更提案

因みにこちらの写真も左端に写っている壁を黄色でコラージュしてみたイメージ画像です。

六本木Y邸竣工写真

お引渡しの前日から荷物を運び入れる算段となっていたので、お引き渡し時にはご主人の書斎にも本がきれいに並べられており、すぐにでも暮らせるようになっていました。
短いようで長かったプロジェクトですが、Yさまご夫妻からは想像以上の素敵な出来だと喜んで頂きました!すぐに追加工事が発生してしまいましたが(笑)、どうぞ今後とも宜しくお願い致します。

オーダーユニットバスのリフォーム

乃木坂U邸

一般にユニットバスは、古びてしまったら新品と交換するのが一般的です。在来工法の浴室であれば、状況次第ではありますが、浴槽だけの交換や床&壁タイルの張り替え(張り増し)なども可能なケースがありますが、マンションのコンクリート構造の中にFRP樹脂で作られた軽量なユニットバスは、後から手を加えるのが難しいが実情です。
ただ、そんな中で、オーダーユニットバスの大手である日ポリ化工が作ったオーダーユニットバスだけは浴槽交換や床の張り替えが可能なのです。

オーダーユニットバスのリフォーム

上がリフォーム前で、下がリフォーム後のビフォーアフター写真ですが、ほとんど新品のように生まれ変わっていますね。それではなぜ、日ポリの製品だけが可能なのかというと、床下の作り方が二重構造になっているからなのです。

モールディング&パネリング装飾

まずは浴槽を撤去します。浴槽下はもっとドロドロになっているのではと想像していましたが、予想よりもはるかに良い状態です。

オーダーユニットバスのリフォーム

洗い場床を撤去したことで二重床構図であることが分かるのがこちらの写真です。と言われても判りにくいのですが…。

オーダーユニットバスのリフォーム

洗面からユニットへの入り口のステンレス枠の下端をアップで写した画像がこちらです。実は防水パンと呼ばれる、水が外部に出るのを防ぐための受け皿的に働く部品と、実際に人が載る洗い場の床仕上げが分かれている二重構造になっていることが、日ポリのオーダーユニットバスの特徴なのです。
他者のオーダーユニットバスであれば、ステンレス枠の下とほぼフラットに床仕上げ材があり、そのすぐ真下に防水パンがあり、これほどの懐がないのです。

オーダーユニットバスのリフォーム

隣の部屋の壁に立てかけられていた、このステンレス製のフレームが、撤去した洗い場の床だった部品です。

オーダーユニットバスのリフォーム

その洗い場フレームをアップで撮影したのがこちらの写真です。かつての洗い場床材の御影石の破片が残っていますね。一枚の洗い場床パネルが取り外せることで、洗い場床の仕上げ材を防水パンを傷めることなく交換することができるという、日ポリ独自の仕組みになっています。

オーダーユニットバスのリフォーム

浴槽が外された様子も良くわかります。浴槽の洗い場側の腰下の壁をエプロン壁といいますが、このエプロン部分壁もステンレスのフレームで組まれています。

オーダーユニットバスのリフォーム

右側が浴槽内側から見たエプロン壁です。エプロン壁のフレームもアングル金物とコーキングで固定されているだけなので、きれいに取り外すことができるのです。今回はそのまま再利用しましたが、水栓が取り付けられているライニング部分も同じ仕組みなので、こちらも容易に取り外すことができます。

オーダーユニットバスのリフォーム

浴槽、エプロン、ライニングをすべて撤去した状態で、内壁タイル仕上げ上から重ね張りができる薄型タイルを張っていきます。以前は3.5ミリ厚のブクシースリム(アドヴァン)を愛用していましたが、廃盤となってしまったので、今回はアーバンネイチャー(名古屋モザイク)を採用しました。

オーダーユニットバスのリフォーム

この写真でアーバンネイチャーのタイルの薄さが分かりますね!割れにくいように背面にはFRP樹脂で補強されていますが、それも併せて3.5ミリの厚みなのです。

オーダーユニットバスのリフォーム

3.5ミリの超極薄タイルではありますが、ステンレス枠との取り合いでは端部が見えてきてしまうので、端部抑えのためにこのようなステンレス鏡面仕上げのアングル金物を取り付けてきれいに収まるように工夫しています。

浴槽撤去後の下地をきれいに清掃してもらったうえで、日ポリオリジナルの新品の浴槽を取り付けてもらったところです。まだライニングも洗い場床も未施工です。

浴槽設置後に、浴槽の頭側の壁のタイル施工をタイル屋さんが進めてくれています。

造作家具取付け@クラシカルハウス

エプロンパネルを取り付けて、ライニング側壁のタイルが張り終わると、きれいになってきた浴室の全容が見えてきました。

オーダーユニットバスのリフォーム

洗い場床のタイル、ライニング甲板部分のタイルを張って、水栓を交換し、照明器具を新たなものに付け替えればオーダーユニットバスのリフォームの完成です。

オーダーユニットバスのリフォーム

プロが細かく見れば、新品ではないことは分かりますが、普通の方が見たら新品にしか見えないほどの出来の良さで、お客さまのUさまもとても喜んでくださいました!
当初は、①浴室のオーダーユニットバスへの全面交換:約600~700(含む解体工事費)、②今回採用した部分交換:約280万円、③お化粧直しの美装工事:約180万円の3つを比較検討しましたが、最終的にはそれなりの費用が掛かってしまいましたが、ここまできれいになったので②で良かったとコメントしてくだいました(上記の費用に工務店の経費と設計料と消費税が掛かります)。