Author Archives: Kenji Kagami
2023.05.10
ミラノサローネ2023_リストーネ・ジョルダーノ市内SR
[ミラノサローネ2023]
特殊なデザインのフローリングブランド、リストーネ・ジョルダーノの市内ショールームです。
この看板だと、リストーネ・ジョルダーノ単独のショールームのように見えますが、中に入るとキッチンと造作家具のヴァゼリや、照明器具のパンゼリ等との協同ショールームでアリーナという名称のショールームとのことでした。
中は中央に大きなドーム状の空間があり、そこに土が敷かれ植栽が置かれ、暗い中をスポットライトが照らす、不思議な空間でした。天然素材を使うことを強く意識したサローネ期間中の特別展示空間の様です。
所々にフローリングや照明器具が展示されています。
周囲は腰掛のように段差が作られていますが、その作りはリストネ・ジョルダーノのフローリングの張り方を参考にしているように見えました。
上階の回廊にジョルダーノのフローリングサンプルがありましたが…、
残念ながら日本代理店のADワールドの展示と大差がありませんでした。
面白かったのはヴァゼリの無垢大理石を削り出したようなキッチンでした。因みに、こちらの床もジョルダーノで、無垢のキッチンに十分に対応する力強さを秘めていました。
シンクはカウンターとは切れ目が入っているので、さすがに無垢材からの削り出しではありませんが、
カウンターの段差のディテールや、
扉材(扉も木下地に石が貼られていました)との取り合いもカッコよかったです(決して実用的ではありませんが)。
素材サンプルコーナーには、各社の素材が同じサイズで置かれており、打合せテーブルの上にそれらを出して、組み合わせながらインテリアを考えることができるシステムになっていました。
左がリストネジョルダーノのフローリング材で、右がヴァゼリの石材をゴワゴワに削り出した素材です。
2023.05.10
ミラノサローネ2023_アントリーニ市内SR
[ミラノサローネ2023]
希少で高価な大理石を専門で扱う石材会社のアントリーニのミラノ市内ショールームを見学してきました。
ミラノ中心部のドゥオーモ(大聖堂)近くのショールームには、一般の方が並んでいました。フィエラ(展示会場)も後半は登録さえすれば一般の人も見学できるのですが、市内ショールームもサローネ期間中は一般人もウェルカムなので、興味がある人たちが並んでいるようです。
こちらの家族もベビーカーで家族連れでの見学でした。
入って正面の壁とキッチンカウンターは、世界中で大人気、ブラジル産の超希少大理石のパタゴニアのブックマッチ柄(切り口から本のように見開き、左右対称にはる張り方)でした。
一枚の大理石の中に半透明な部分と全く光を通さない部分が混じり、それがカードを散らしたように見えるという本当に不思議な柄の大理石なのです。カウンターではコーナーの部分にも柄が繋がるように加工されていました。
右手奥には、人混みで見えませんが、色々な石材で作った製品や壁展示がされていました。
手前に見えていたのが、こちらのアラバスター(またはオニキス)をくりぬいて作った浴槽です。オニキスは脆くて割れやすい素材なので、実際に水を入れて水浴することは難しいと思いますが、技術の可能性を見せるための展示だと思われます。
手前に見える白いビアンコカラーラの大理石カウンターは、あまりに柄がきれいでセラミックの様に見えてきます(笑)。
窓側には、このようなブックマッチ柄の大理石に、違う色の大理石を象嵌して字を彫り込んだものが展示されていました。
間近で見ても、触ってみてもフラットに仕上がっており、レーザー技術の高さを誇っているかのようでした!
最後の一枚は事務所部分の写真です。壁際に希少大理石のサンプルが並んでいました。日本でアントリーニと共同でショールームを展開している関ヶ原石材では、サンプルが貰えないので、見たくて&欲しくて、ヨダレが出そうでした(笑)。
2023.05.10
ミラノサローネ2023_サルバトーリ市内SR
[ミラノサローネ2023]
加工大理石のサルバトーリの市内ショールームは、イタリアキッチン御三家のうちの一つのボッフィと同じ建物の中にありました。
ボッフィは2時間待ちの大人気の中、サルバトーリは行列の横をすり抜けて待ち人ゼロですぐに入ることができました(笑)。
古い集合住宅の中を改装したショールームなので、区切られた部屋が続くような空間展開です。ほとんどすべての部屋が水回りの仕様になっていました。
部屋ごとに石材の色味を同じにしているようで、こちらの部屋は灰色のグリス・ドゥ・マレの石材です。壁面は本来であれば捨てられる半端石材を接着剤で積層させてから直角に切って再生したリートヴェルデ柄です。カウンター上の無垢の大理石を削り出したボウルもサルバトーリ製品とのことです。
同じ石種でももう少し大きく面を取り、黒くて細い金属目地を入れたトラッティ柄だと、少し風情が変わって見えます。
こちらの部屋では、床と正面右側壁は白いビアンコカラーラの大理石に黒い目地を入れたトラッティを張っています。床にサルバトーリを張る考えは全くなかったので意表を突かれました。
こちらの壁材は、まだ日本では発売されていないプリッセ(プリーツ)柄でした。因みに床は、幅違いのストーンパケですね。
白いビアンコカラーラと、濃い灰色のピエトラ・ダヴォーラを重ねていますが、モダンに見えますね。
中央の一番大きな部屋には木と白大理石を組み合わせた本棚(こちらもサルバトーリ社製)が展示されていました。
横材が木板で小口に黒く塗装した金属板が被せられており、竪材は大理石となっていました。
さらに近くに寄ってみてみると、端部を抑えるT字型金物を木板に差し込んで、その立上り部分で石材を固定していることが分かりました。
棚には、やはりサルバトーリ社製の無垢大理石から削り出しの可愛らしい(しかし重い!)小物が置かれていました。
開口部を抑える石材枠のディテールや、
光を透過する大理石をくり抜いて作られた照明器具なども見ることができました。
うちの事務所では、水回りより、リビングダイニングや玄関などに使うことが多い素材ですが、本国では水回りを得意としているようです。