Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットの設計

[新宿区T邸]

約半年前の4月にイタリアのミラノで開催された国際家具展示市(通称ミラノサローネ)とその後の研修で、工場見学から企業理念、デザイン方針まで聞いてきた影響で、ウォークイン・クローゼットでのポリフォームを推すケースが増えています。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

新宿アクタスショールーム2階のポリフォームの展示スペースはそれほど広くはありませんが、このウォークインクローゼットシステムにの展示だけは、必要最小限ではありますが、きちんと一つのコーナーが作られていて、ほぼ全容を確認することができるようになっています。向かっ左側が箱を組んでスライド式の扉のシステム、正面はコーナーに角パイプを立てるシステム、その間にはコーナーシステム、右側は一本ポールを床と壁で立てて支えるシステム、そして中央にはガラス天板と引き出しのアイランドカウンターとなっています。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

今回は新宿区のTさまご夫妻と、主寝室横の約6畳スペースのウォークインクローゼットのお打合せです。実は、この前にはイタリア他社ブランドのクローゼットシステム、そしてこの日の午前中にも国産のクローゼットシステムを見学してからの訪問でしたが、この日の見学の初見で(お見積りが前提とはなるが、)お二人共このシステムが一番いいねと気に入って頂けたようです。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

まずはザッとそれぞれのシステムの違いをご説明した後は、特に興味を持っていらっしゃる部分に注目して、ポリフォームの営業担当の三上さんに説明して貰いました。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

引き出し式のスラックス(ズボン)ハンガーです。他社のスラックスハンガーは取り出すのは簡単でも、仕舞うのがかなり面倒でした。ところがポリフォームのシステムはハンガー1本1本が取り外し式になっているので、そのご説明を実演をして貰ったところ、これであれば使いたいとのお話しになりました。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

ちょっと分かり難い写真ですが、こちらはハンガーバーのディテールです。こんな箇所に本革のレザーを巻いているのです。更に丸形のトップ(頂上)部分に金属が埋め込まれているのが見えるでしょうか?ハンガーを横にずらすことでレザーが削れてしまうことを防ぐためにトップに金属バーが貼っているのです。

引き出しシステムのディテールも中々秀逸なのです。甲板がガラスになっているので、中身が良く見えるようになっているのですが、引き出しを引き出すと、その後ろの部分からジャバラが出てくるのです。浅い引き出しで、転がりやすような装飾品などをしまった場合、引き出す動作の反動で後ろから下に落ちてしまいそうなカ所をジャバラで守っているという仕組みなのです。

一通り見て頂いた後で、カガミ建築計画とポリフォームで事前に打ち合わせをしたうえで、作って貰っていたウォークインのラフプランを見て頂きました。青い部分がウォークインで、緑色の部分は寝室の壁面クローゼットです。ウォークインは手前の主寝室からも、奥の洋室からも出入りできるレイアウトで、L字とI字、そして壁から突き出たペニンシュラ(半島)型カウンターで構成しています。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

ポリフォームの打ち合わせ室で、クローゼットプランのご説明をしている様子です。お話しをしている内に、クローゼットの上部に棚を作ってカバンを収納なさりたいこと、そしてウォークイン内はカウンターは不要で、なるべくハンガーパイプの長さを長くなさりたいとのことも分かったので、ここからレイアウトも変更することになりました。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

色味についてもご興味をお持ちでしたので、暫定的ではありますが、ここまでに決まっていた床フローリング材と床タイル材の候補、壁に使うカラーガラス、建具や造作家具等で使う予定の突板や甲板の候補を並べて…、

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

またコーナに戻ってポリフォームのサンプルを確認しながら、こちらも暫定ではありますが、お見積り用に素材と色味を決めさせて頂きました。まずは一旦この日のお打合せはこれで終わりです。
そして2週間後…。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

新しいレイアウト図と見積りも揃ったとのことで、改めてTさまご夫妻とショールーム訪問です。

ポリフォームのウォークイン・クローゼットシステムの設計

2週間の間に、奥さまからハンガーパイプの高さ寸法について悩んでいるので、アドバイスが欲しいとのご依頼があったので、弊社担当スタッフの岸本さんが自分の服と自前ハンガーでどのような寸法体系になるのかを纏めてくれた資料です。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

男性用のジャケットについては、ご主人さまのジャケットをお借りしてハンガーに掛けてみて、床に摺らない寸法を割り出すことができました。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

こちらは先回からアップデートした最新版のレイアウト図です。先回のペニンシュラカウンターを止めて、L字型を2本互い違いに並べた案となります。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

そのCGも用意してくれていました。左右対称なので、一つのCGで大よそが判るのです。上部にカバン置き場を入れたのが新しいアイデアです。先ほどの寸法で、奥さま用とご主人用のハンガーバーの高さを調整することになりました(このCGのような箱型のシステムの場合はハンガーパイプの高さは後でも変更できるのですが、上部のカバン収納のことを考えると最初に決めておく必要があるのです)。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

仕上げ材の選び方で価格もかなり変わるのですが、ご提示したお見積りでは、箱部分はメラミンとなっているので、このサンプルを見て頂きながらご説明致しました。イタリアのメラミンは世界一と言われるほどで、サンプルを触って頂いても安っぽさが無いことをご理解頂きました。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

こちらが最終的に決まった仕上げ材のサンプルです。

ポリフォームのクローゼットシステムのディテール

当初僕らでご提案した素材群と少し変わりましたが、全体の色調なポリフォームらしい、カッコよくスタイリッシュな感じになりそうです。
イタリアブランドでは、ポリフォームと双璧のモルテーニ、そして華麗なデザインのB&Bイタリアのクローゼットシステムもそれぞれ大好きなのですが、最後に見積りをお客さまにお示しすると、ポリフォームに決まってしまうのです…。今回は国産ブランドとの相見積もりになりますが、どのくらいの費用の差が出るのか、こちら設計側も興味津々です。

設計&施主検査からのお引渡し@中央区S邸

[ザ・ライブラリー]

高層メゾネットマンションリノベーションの中央区S邸は、上下階の2段階に分けての工事となりましたが、ようやく二期工事の上階の検査を行うことができました。検査は、ザ・ライブラリーの設計検査とお客さま立会いの施主検査の2つがありますが、まず最初は設計検査です。

設計の各務と田口さんと前田君、そして現場監督の栗原さんの4者で全ての空間を回って、仕上げの不具合や傷、使い勝手上の問題、そして安全瑕疵に関わる問題が無いかをチェックして回ります。

ここから途中端折って説明しますが、設計検査での指摘事項を補修した1週間後がSさまご一家立会いの施主検査となります。工事中に幾度か現場を見たことがあるご主人さまに対して、リフォーム前の状態から一度も現地を見ていなかった奥さまとお子さまは、まさにテレビ番組の「劇的ビフォーアフター」かのような驚きで、特にお子さまはご両親の制止も聞かず、お母さまを連れてメゾネット上階へと昇って行ってしまいました!

この10日後に予定されている竣工お引渡し日には、奥さまがご用事で現地に来ることができないとのことでしたので、この施主検査の日に、キッチンをお願いしたクチーナに取り扱い説明をして貰うことになっていました。

キッチンの説明の間も、お子さまは電子レンジ置き場のカウンター上に一人立って歌を歌いながら、とても楽しそうでした(笑)!

奥さまとお子さまと一緒に皆で記念撮影をするチャンスは最後になりそうでしたので、お引渡し前ではありましたが、工事関係者の記念撮影をさせて頂きました。以下、詳細はこちらのブログをご覧ください。

新規プロジェクト_渋谷区N邸がスタートします

[渋谷区N邸]

新規プロジェクトの渋谷区N邸がスタートします。来年2024年に渋谷区で竣工予定の新築マンション、150平米(45坪)のLDKを中心とした間取り&仕上げ変更のリフォームプロジェクトです。こちらのプロジェクトは、設計はカガミ建築計画とザ・ライブラリーとが共同で行うというちょっと変則的なスタイルでのお仕事となります。

こちらがNさまから頂いた、新築マンションの間取り図です。今回、寝室や浴室・洗面といったプライベート部分は触らないで良いというお話しなので、玄関とリビングダイニングキッチン部分の既存図だけお見せしています。実はNさまは、5年ほど前に同じ渋谷区内の代官山で中古マンションリフォームをお手伝いしたお客さまでした。

こちらがNさまの今のご自宅、代官山N邸のビフォーアフターです。このときは、間取りを大きく変えるリフォームで、LDが面積的には1.5倍、オープンキッチンも取り込んだことで、体感的には2倍ほどになったことをとても喜んで下さいました。その後お子さまが生まれたこと、勤務先により近い場所で住みたいこと、この新築マンションを特別に紹介して貰ったことから、思い切って購入することが決まったとのことでした。こちらのお宅がとにかくとても気に入っていたので、もし住み替えることになったら、必ず各務に相談したいとお二人でお話しして下さっていたそうです!
まだ新築マンションのご購入前にご相談のお電話を頂いたので、まずは一度ご自宅近くの喫茶店で、既存の間取り図を拝見しながらザッとしたお話しを致しました。その後、ご希望の間取り変更はできそうだとラフなリフォーム案をお見せしたところ、購入が決まったので、正式にスタートしたいとのご希望を頂きました。

まだ、給排水設備や空調換気設備の図面、そして床スラブの段差範囲が判る図面を見ていない段階でのラフなリフォーム案を2つ作ったうちの一つがこちらです。キッチンを直角に回転させて、今のお住いの代官山のお宅のようなキッチンのアイランドカウンターにダイニングテーブルがくっついた形にしています。リビングはほとんどいじらず、来客用トイレへの入り口の向きを変えることで、玄関ホールを少しコンパクトにして、LDKの入り口部分をその分広げた案となっています。

もう一つの案が、こちらB案です。洋室2があった個所にキッチンを移動し、キッチンとダイニングとリビングが一体的に繋がる案となっています。LDKはダイナミックで家族での食事も子どもたちの勉強にも使えるジャンボテーブルが特徴となっています。ただ、お子さまの個室となる洋室2が無窓の居室になってしまうことが問題となります。法規的には、LDKとの間仕切り壁の半分の面積を大きな引き戸に変えて、二室一室採光を取ることで法的な採光基準はクリアできるのですが、「やはり子ども部屋に窓がないのは…」とのお話しになっています。

とはいえ、家族がほとんどの時間を過ごすLDKは魅力なので、もう少しA案とB案の折衷案のようなものができないかを検討することとなりました。キッチンについては、今のお住いのキッチンが大変使いやすいとのこと、当時クチーナに作って貰ったオーダーキッチン図面を参考にしながら、最低でもこちら以上に収納量があって使いやすいキッチンを目指す指標としています。

こちらは購入時にお客さまが選ばれた仕上げ材の一覧です。この資料と間取り情報があれば、まだ完成していない新築マンションのお部屋CGを立ち上げることが出来そうです。

お客さまのNさまも2度目のご自宅リフォームですので、僕らが差し上げた図面を携帯で撮影して、それにこのようなマークを付けて、「こんなことができないか?」、「このデメリットを解決する方法を考えて欲しい」と細かくメールでリクエストをして下さるので、思っていた以上にスピーディーに設計案を進めてゆくことが出来そうです。

そうこうしている内に、お客さまがマンションデベ(開発業者)にコンタクトを取り、給排水設備図と空調換気図を手に入れて下さったので、A案は98%実現可能、B案でも95%ほどのレベルで実現可能との根拠を見つけることができました。現地調査ができるのはマンション竣工時で来年になるので、もう少しリフォーム提案を詰めた後、CGを作ってゆく作業に入ります。