Author Archives: Kenji Kagami
2023.05.18
大理石調大判タイルの巨大ショールーム見学@MIC/東亜企業
[ザ・ライブラリー]
TAGKENとの協同リノベーションブランド「ザ・ライブラリー」の勉強会で、横浜にある大判タイルの巨大ショールームを見学してきました。

横浜の倉庫&工場が立ち並ぶ湾岸の古い建物の中に、このような巨大なショールームがあるのです。会社としては石材を扱うMICとタイルの東亜企業の共同ショールームという形式となっています。

このショールームの何がすごいかというと、まずタイルのブランドが多様にあり、それらを一カ所で見比べながら見ることができることなのです。ブランドとしては欧州最大のタイルメーカーであるマラッツィ、白系の大理石調タイルで有名なイリス・グループのアリオステア、濃い色味や派手な柄の大理石タイルで定評のあるイモラ、他にも中堅どころのタイルブランドがブースごとに並んでいるのです。

更には本物の大理石や…、

特殊加工の大理石なども揃えており、予算を頭に置きながら候補を大理石とタイルを比較しながら見てゆくことができるのです。実はこちらは大理石のMIC(ミック)と輸入タイルの東亜企業が一緒に展開しているショールームなのです。

有楽町にもショールームがあるマラッツィ・ジャパンは、ザ・ライブラリーのメンバーが揃うとのことで、マラッティ・ジャパンの玉岡社長が来て下さり、更に偶然ではありますが、マラッツィ・グループのアジア担当セールス・マネジャーのアンドレア・シモニーニ氏も同席して説明してくれました。
以下、続きはザ・ライブラリーのブログでご覧ください。
2023.05.16
上階からの水漏れ対応の顛末-2
[成城Z邸]
ある日突然マンション上階のリフォーム工事が原因で、ご自宅のクローゼットや寝室の天井から水漏れが起こった成城Z邸の補修対応顛末のその2です。最初の水漏れ発生時の様子はこちらのブログをご覧ください。

ここまでの調査で水漏れが原因で使えなくなったウォークインクローゼットと書斎と寝室空間の補修と、床下や天井裏の水漏れチェックために開けた点検口の補修工事、そして水漏れをキッカケに色々とこれまでに気になっていたカ所をデザイン的にもっと良くしたいというZさまのご要望を盛り込んだグレードアップ工事の2種類の工事を見積もるための図面を作って貰いました。

図面だけでは補修やグレードアップ工事の内容を表現できない個所が沢山あるので、リフォームキューの工事監督の高木さんに現地に来てもらい、森井さんと一緒に改めて細かい部分をチェックして貰いました。こちらは家具の透明ガラス入り扉をカラーガラスに変える工事ですが、ガラスの厚みが違うので、どう処理するかを見て貰っています。

書斎の壁の色を気分をリフレッシュするために変えたいとのご要望で、良さそうなブルーの色サンプルを作って、

お客さまと一緒に選ばせて頂きました。

こちらも気分転換的な要素が多いのですが、リビングの黒いレザーのソファにあまり座ることが無かったそうで、それはリラックス感に乏しいからだとのこと、同じミノッティのソファのコネリーで、この写真の丸い部分一つだけを入れたらどうだろうかとのご相談も承っています。

靴を脱いで座面に乗って貰い座り心地を体験して頂きました。

サイズも柔らかさも座り心地(寝心地?)も良いとのことで、どのようなファブリックとレザーを張ればよいかもアドバイスさせて頂きました。

因みに、こちらの以前から使っていたソファーは、ミノッティに下取りに出すと、廃棄の費用が掛からないだけとのことが分かっていたので、数社の中古家具販売会社に資料と写真を送って見積もって貰ったところ、最大で30万円程度で売ることが出来そうだとのことが分かりました。
そうこうするうちに見積り額が出て、水漏れ原因の大手リフォームN社の担当者からのOKも出たので、仮住まいに引っ越して頂いて、工事が着工となりました。

床と壁は厳重に養生して、水漏れ箇所については天井を全て解体して更なる水漏れが無いか、

電気配線やその他の設備が傷んでいないかのチェックを行いました。

この写真は天井スラブを見上げたものですが、斜めに黄色いテープを張ってある箇所に長いクラック(ヒビ)がありますが、このクラックの真下の被害が酷かったの、ここから水漏れがあったのだろうと推察することができました。

記録写真として、全ての部屋の天井裏のスラブを見上げた写真を撮影しておきました。

N社の担当者にも来てもらい、水漏れ箇所を確認して貰いました。ここから先は新しい天井を作ってゆくことになりますが、クラック内部の水、そしてその水分によっての鉄筋の錆の可能性についても話をさせて貰いました。

N社としては、上階の工事もこれから進めるが、水漏れが起こってから既に3か月ほど経っており、その間に新しい水漏れは発生していないので、遊び水はもう残っていないと考えているとのことでした。また、下側からクラックを塞いでしまうより、上階の工事をする際にクラックのラインに沿ってU字型に溝を掘って可とう性エポキシ樹脂を入れて処理した方が良いと考えているとのことだったので、それには賛成だったので、そのことをN社からお客さまに伝えて貰うよう依頼致しました。

念のため、パッとは見えない造作家具の上面をのぞき込んでいる様子です。

天井のクラックはここまで伸びていましたが、石膏ボードには水染みはありませんでした。

こちらの材は、解体時に水漏れが酷かった箇所の石膏ボードを保管しておいて貰ったものですが、左側の丸穴周辺はボロボロになっていました。

他の造作家具の上面や、

壁周りから床下に水が落ちた痕跡が無いかもN社の担当者と一緒にチェックして回りました。

水漏れ箇所はもちろんですが、その他の空間も職人さんの出入りや物の運び出しで壁や床に傷がつかないようにしっかり養生がされていました。

廊下などはアーティストのクリストの作品のようになっていました!

解体された様子をお客さまにも確認に来て頂きましたが、水漏れでここまで解体しないといけないということを改めて見て、驚かれていらっしゃいました。
ここから先はようやく復旧工事とグレードアップ工事という段取りになります。
2023.05.13
ミラノサローネ2023_ポリフォーム・ラボ-2
[ミラノサローネ2023]
盛りだくさん過ぎて1回のブログではご紹介しきれないポリフォーム・ラボ(巨大ショールーム)の第2弾です。

まずはポリフォームの最も得意とする壁面クローゼット家具をご紹介いたします。今ではイタリア製ハイ・ブランド家具システムでは標準仕様ともなっている、クローゼットにガラス扉を取り付けたり、間接照明を入れて中の服を魅力的に見せることは、このポリフォルムが世界で初めて先駆けて手がけたとのことです。

また、こちらの事例のようにワードローブクロゼットで部屋を仕切るアイデアもポリフォルムが世界初の販売したとのこと、とにかくこの壁面クローゼットシステムのデザイン開発が、ポリフォルムの発展の基盤となっているとのことでした。

クローゼットシステムを大きく分類すると、箱を作るシステムと、ポールを立てるシステムと背面壁から持ち出すシステムの3通りが用意されています。

ポールを立てるシステムは、クローゼット空間に一定間隔で床と天井の間に突っ張り棒を立て、その間に棚板や引き出しボックスを挟みこんでゆくシステムです。建築をいじらずに後施工でできるので、比較的安価となります。安価ながら部材は豊富で、ポールに電気を通して間接照明をつけることも可能です。

こちらの右側濃紺の部分はは壁から棚板やハンガーを持ち出すシステムです。パネルの間にスリットがあり、そこに特殊な金物を差し込むことで可動式の部材を取り付けられるようになっています。こちらも比較的簡易なシステムではありますが、間接照明も可能となります。

こちらの写真の右側半分が箱型を組んだクローゼットです。前者2つは扉を取り付けることができないのに対して、箱型のみ扉を取り付けることが可能です。扉も塗装仕上げやガラス扉のバリエーションがあるので、3つのタイプを組み合わせると魅せる収納や隠す収納、特別感を出す部分などを自由自在に演出することが可能となるのです。

クローゼットのガラス扉の創始者(笑)だけあって、扉や取っ手のディテールには工夫があふれています。こちらは扉のフレームをシャープに見せるテーパー加工…、

こちらの扉はガラス面を大きくして、フレームをガラス背面に隠しつつ、使いやすい取っ手となっています。

クローゼット内部の引き出しや棚板、間接照明の収まりもとても研究されておりきれいです。こちらがガラスの小口から照明を入れてガラス棚そのものを照らすディテールです。

棚板の奥に黒い帯が見えていますが、こちらは新たに開発した除湿システム(PSE認証の関係で、日本での発売予定は未定)だそうです。扉付きのクローゼットだと湿気が溜まることを嫌がるお客さまもいらっしゃるので、もしコンパクトな除湿システムが組み込めれば、欲しいという方は多くなるだろうと思っています。

2000年に始めたという置き家具も毎年確実にコレクションを増やしているようです。

こちらはアクタスの新宿ショールームにも置いてある(あった?)モンドリアン・シリーズのソファとテーブル類です。

ソファの間に挟まっている木製テーブルの下が引き出しになっている優れものデザインです。すぐ見当たらなくなってしまう、テレビやDVDのリモコン類の収納に最適ですね。

ベッドやサイドテーブル類のバリエーションも増えてきています。こちらの寝室レイアウトではベッドを部屋の中央に置き、ベッド背面にスクリーン(こちらもポリフォルムの製品、ヒマ)を置き、その後背部の空間にセットアップカウンターとラウンジコーナーを設置しています。

ヒマ・スクリーンはロープ張りで光も風も適度に通しつつ、視線をうまく遮ってくれるので、こちら側に回り込むとベッドのある寝室らしさが薄れます。

こちらのベッドでは、壁いっぱいにまで伸ばしたレザー張りのヘッドボードが印象的です。レザーについては、ハイ・ブランド家具では牛皮から人工レザー(テクノレザー)への転換が進んできていますが、こちらはまだ牛皮の様でした。

ミラノサローネの会場展示のブログでも書きましたが、壁面パネルシステムもポリフォルムでは進化させているので、床と天井と照明計画だけをきちんとしておけば、このようなスタイリッシュな寝室を置き家具と壁面システムだけで組み上げることができるようになっているのです。

こちらのセットアップカウンターは、右側の天然石天板部分は置き家具で、左側のテーブルカウンター部分は壁面システムから持たせている形になります。

それらを部屋の隅で直行させると、このような空間作りができるというわけです。

こちらのソファーセットは、ベルポートのレザー張りに、センターテーブルのクリーク、木製コーヒーテーブル/チェアのウベを合わせ、得意の大型壁面収納で纏めたコーナーです。

ソファーの横には超希少な天然大理石のラピス・ラズリ(青色大理石)のサイドテーブルが置いてありました。アクタスの大岩さんに聞いたところ、特注の製品で、一般では販売していないとのことでした。

地下展示室だけでも300坪、

グランドフロアと合わせると3000坪の広さがあるので、一つ一つのコーナーをじっくり研究するというより、早歩きで回りながら気になった部分を撮影してゆくような流れでの見学になってしまいました。

最後のおまけはこちらの建具です。今回のツアーは皆さん、建築畑の方々なので、ディテールのチェックには余念がありませんでした。

こちらの建具は製品としては販売していない、ラボだけの特製品とのことでしたが、取っ手は家具の取っ手は表裏に貼り合わせたスタイルで、

内側からはボタンで開閉ができ、外側からタッチキーで制御できるシステムになっていました。

フロアヒンジで吊った扉でしたが、戸先も戸尻も特別な加工で気密性がとれるようになっていました。

程よく疲れた(というかかなり疲れましたが…)あとは、ラボの奥にあるレストランに招待され、

美味しいランチを頂きました!この日の午後は、さらにポリフォルムのキッチン工場を見学させてもらいます。