Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造り付け家具の取付け@中央区S邸

高級高齢者向けサービスアパートメントS邸

壁と天井のボードが張り終わった中央区高齢者サービスアパートメントMレジデンスS邸の現場に、造り付け家具(造作家具)が運び込まれています。

140611seiroka_zousaku1-01

天井もスッキリとした空間ですが、右側に積まれ始めているのが、これから組み立てられる造り付け家具のボックスたちです。

140611seiroka_zousaku1-02

今回はオーク(ナラ)材の白拭き取りと、クルミ材のオイルステイン(油性の塗料を沁み込ませて色調整したもの)の2種類が複雑に絡むデザインとなっています。

140611seiroka_zousaku1-03

玄関脇のコート収納(手前)と来客用トイレ(奥)が並んでいます。双方にデザインを合せた扉と建具を取り付ける予定です。写真では伝わりにくい、複雑なディテールを考えましたが、全ては仕上がりがスッキリ見える為です。

140611seiroka_zousaku1-04

キッチンも造作家具屋さんにお願いしています。こちらは裏返しで置かれたキッチンカウンターです。中央の白いふくらみ部分がシンクを裏側から見たところです。

140611seiroka_zousaku1-05

作り付け家具と同時にクロス屋さんも入ってくれています。手前の天井にはクロスが張られていますが、奥はまだパテをしごいている段階です。家具の取付け順番に合せて、クロス屋さんの張っていってくれています。

140611seiroka_zousaku1-06

主寝室とダイニングの間に設けた開口の枠もきれいに嵌められていました。ご夫婦のお互いの雰囲気が伝わるための小さな工夫です。

140611seiroka_zousaku1-07

当初は交換する予定だった浴室ですが、費用が掛かりすぎる為、工事契約直前で既存のユニットバスに新しい仕上げ材を張って内装リフォームすることとなりました。既存のUB壁には重たいものは張れないので、表面に大理石柄模様を印刷したアルミニウム、芯材に樹脂を使用した3層構造からなるアルミ樹脂複合板のアルポリックという製品を接着剤で張っています。写真はパネルが剥がれてこないように、木材でバリをかっている様子です。

140611seiroka_zousaku1-08

浴室の手前には便器を設置するのですが、横面が浴室へのサッシになっているので、手すりを兼ねた棒と紙巻器を取り付ける横板を取付けて貰いました。

 

 

間取りと動線で成功リフォーム エクラに掲載されました

高輪I邸

40代後半から50代に掛けての女性向けファッション誌エクラ(集英社)のリフォーム特集に記事を掲載して頂きました。

140603ekura-1

当初は、子育てを終えて自分たちの為に時間とスペースとお金を使ってリフォームをした事例の紹介をとのことだったのですが、ちょうど良い事例がなかったため、50代の女性が考えるべきリフォームについてのポイントについて説明させて頂きました。

140603ekura-2

「間取り」と「動線」について3つのポイントを纏めています。

  1. 空間に2つの役割をもたせて広々と
  2. 今後の暮らしを充実させる趣味専用のコーナーを
  3. 多彩な日常に対応できる裏の動線を設ける

具体的な事例としては、世田谷区N邸、千代田区HI邸、白金台S邸高輪I邸の図面を解説しております。

140603ekura-3

住空間のトレンドやエコロジーに関連して、建材や最新設備を紹介して欲しいとのことだったので、ビルトイン型のワインセラーユーロカーブ、間仕切りにもなるタオルウォーマーPSヒーター、天然素材の呼吸する壁紙ノイエローヴ、システマチックな収納ユニット金物のハーフェレ、天然クォーツの人工大理石シーザーストーン、場所を選ばない暖炉のバイオエタノール暖炉、複数の照明を一か所でコントロールするリビングライコンを紹介させて貰いました。

140603ekura-4

こちらが書いた記事以外にもエリア別に快適アイデアを解説したリフォーム実例も紹介されています。以前から知り合いだったBEAM前中さん渾身の記事で、女性誌でここまで住空間・フォームに力を入れた特集は久しぶり見た気が致します。是非本屋でご購入ください。

 

LGSと木(LVL)のハイブリッドで作る壁下地@番町H邸

番町H邸

ビンテージマンションリフォームの番町H邸では壁と天井に下地が出来上がりつつあります。

140825banchou_kabeshitaji-01

現場監督の坂本さんがいる辺りがキッチンとなる予定のエリアです。手前に伸びてきている腰高のLGS下地がキッチンカウンターの位置です。天井はすでに石膏ボードが張られていました。

140825banchou_kabeshitaji-02

斜め壁とユーティリティーへの子供の躙り口、キッチンカウンターの下地の間を縫って、排水管がセットされています。

140825banchou_kabeshitaji-09

逆方向のユーティリティー側から見た配管状況です。設計時に綿密に検討してきたことなので、図面通りに仕上がって当たり前なのですが、それでも想定通りに行ってくれると嬉しいものです。

140825banchou_kabeshitaji-03

LGS下地と木製下地の違いについては、以前記事で書いたことがありますが、番町H邸の現場ではLGSに木軸を組み合わせたハイブリッドな作り方となっています。ボードを張って、壁にする個所についてはLGSだけで十分な強度が出るのですが、造作家具や建具枠が取りつく箇所には、強度が出て細工もしやすいようにLGSに木軸を嵌め込んでいます。

140825banchou_kabeshitaji-04

こちらが、LGSに嵌め込むLVL(ラミネーテッド・ベニヤ・ランバー)でできた木軸の詳細写真です。LGSのランナー部分に反りや曲りが少なく安定度が高く、施工が簡単なLVLの芯材を組み込むハイブリッド工法です。

140825banchou_kabeshitaji-05

玄関回りの壁下地も、適材適所でLGSとLVLと木製下地が組み合わされていました。

140825banchou_kabeshitaji-06

こちらは来客トイレ前に設ける手洗いコーナーの壁下地と配管状況です。無駄なスペースが生まれそうな箇所でしたが、手洗い側からの収納と、トイレ内部からの引出収納を設けることで、無駄をなくしています。

140825banchou_kabeshitaji-08

洗面奥に設ける浴室の壁下地も出来上がっていました。青い給水管、赤い給湯管、そして天井裏を通る銀色の排気ダクトも間違いなく施工されていることを確認いたしました。

140825banchou_kabeshitaji-10

ユニットバスを設置する箇所に、以前はトイレの排水がありました。新しいトイレは背面壁抜きのタイプを使うことで、汚水管をうまくつなげることができました。ただ、短い距離で何度も曲がっているので、万が一詰まった時のために、リネン収納の裏に点検口を設けて、掃除口をつけることにいたしました。床スラブを貫通して下階の天井裏を通る排水管を再利用せざるを得ない、ホーマットシリーズのマンションのリフォームでは、このような細かい配慮が必要になります。

 

この日はコンセントや照明スイッチの位置をお客さまに確認して頂く日でもあったので、Hさまの奥さまに現場に来て頂き、それぞれの場所や高さ等を確認して頂きました。

また、すでに決まっていたフローリングや壁紙と合わせて、カーテンやブラインドの色も選んで頂きました。