Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

軽量鉄骨造住宅の現調 床下から天井裏まで

戸建住宅リフォーム

夏にメールにてご連絡をいただいて以来、何度か東京で打合せをさせて頂いた、愛知県春日井市の住宅リフォームの現地調査に伺って参りました。これまでの戸建住宅のリフォームで、在来木造や重量鉄骨造の住宅のリフォームの経験がありますが、軽量鉄骨造の住宅のリフォームは初めての経験です。因みに軽量鉄骨造とは、「薄い鋼材を折り曲げて作られた細めの鉄骨(軽量鉄骨)を、柱や梁に使用して”骨組みを構成”した構造」のことです。
重量鉄骨に比べ、一つ一つの材料が軽いので、大型の重機であるクレーンなどを使わないで、家の構造を組み立てることができます。今回伺った春日井の住宅は、軽量鉄骨で主体構造を担い、間仕切りや天井は、木軸を使った構成となっていました。

軽量鉄骨造住宅の床下

住宅を建てた際の竣工図面が残っておりましたが、どこまで正確なのか不明なことと、何度かリフォームをなさっているとのことだったので、確認のために、床下から天井裏まで入り込んで、調査をして参りました。床下には60センチほどの空間があり、床下収納から入り込むことが出来るので、潜り込んできました。 軽量鉄骨柱の位置や、配管のルートを確認し、想定していたリフォームが可能かを探りました。

軽量鉄骨造住宅の屋根裏

天井裏は、押入れの点検口から覗いてみました。きれいにトラスが組まれた構造で、比較的しっかりしていることが確認できました。他に、大工さんにも来てもらい、10箇所程度の壁に孔を開けて貰い、
筋交いや構造柱がないことを確認して貰いました。約半日掛かっての現調でしたが、リビング・ダイニング間の壁が抜けないことが判った他は、ほぼ想定通りの結果で、有意義な現調でした。大工の佐伯さん、色々と細かいことに対応してくれてどうもありがとうございました。そしてほぼ半日、現調にお付き合いくださったAさま、どうもありがとうございました!

ワールドビジネスサテライトで放映されました

広尾K邸

テレビ東京の深夜報道番組ワールドビジネスサテライト(以下WBS)で二世帯住宅のリフォームについて取材をうけたニュースが昨晩放映されました。

WBSではCO2を削減する暮らし方を特集したニュースコーナーにて放映されました。設備機械の効率化によるCO2削減は、そろそろ限度に来ているようで、人がバラバラに暮らすより、集まって暮らす方が、CO2を削減できるのではないかという視点でのニュースでした。

年取った両親と子世帯が暮らす二世帯住宅でも、子どもたちが大きくなると、一人暮らしを始めてしまいます。親の部屋だけでなく、子どもたちの部屋にも十分なプライバシーを確保することで、皆が一緒に暮らす時代が長くなる。そんなリフォームの事例として広尾K邸が取り上げられました。

このお宅では、屋根の手直しと外壁の塗り替え、そして耐震補強と断熱改修を行ったことで、家の基本性能が大幅にアップしています。その上で、娘さん一家が暮らす二階部分は、かつては家族4人が一緒に大きなU字型の部屋で寝ていたのを分割し、男の子と女の子の部屋へと変えています。

夫婦の部屋は、かつて納戸だった箇所を、天窓を設け明るくし、ウォークインクローゼットとセットになった快適な寝室へとリフォームしました。

お祖母さまの部屋については、これまで慣れ親しんだ生活を変えないように、ほとんど手をつけ加えていません。やはりお年よりは、これまで暮らしていた空間が、リフォームによって一変してしまうことで、精神的に参ってしまうことも多いので、なるべく変化がないようにと考えました。

テレビという形で紹介された、この2世帯リフォーム事例が、どのような反響を生んでゆくのか、楽しみにしています。

オザワデザインの自宅オープンハウス

見学記

大学からの親友、尾沢俊一、敦子夫妻が主宰するオザワデザインが設計した、彼らの自宅のオープンハウスに伺って参りました。

横浜ランドマークタワーを見下ろす、急勾配の崖地の敷地に、二つの箱が重なったような構成の住宅が立っていました(写真はオザワデザインより借用)。コンクリートの箱でしっかりとベースを固め、その上部に鉄骨造のスマートな空間が乗っている構成でした。

オザワデザイン 自邸

外建築家の自宅というと、変に懲りすぎたり、実験的(野心的?)なディテールばかりで、これでもか!という住宅になっていることが多いのですが、外部の明快な構成がそのまま内部へとうつされた、とても素直な住宅となっていました。下部の箱が、天井高のある彼らの設計事務所空間で、上部の切り口鮮やかな明るい箱が自宅でした。

このオープンハウスには大学の同級生や、設計の仲間、共通の知り合いなどが招かれており、尾沢邸を肴に建築談義に花が咲きました。次回はゆっくり伺って、仕事をしながらの自宅設計の苦労や、彼らのこだわり、ディテールの工夫など、じっくり話を聞きたいと思っています。

改めて、尾沢夫妻、ご自宅の完成おめでとうございます!