Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

登って降りての回遊性 ミニロフトの工夫-2

伊豆OK別荘

子どもたちが遊べる別荘リフォームの工夫の紹介、第二弾です。先日書いたミニロフトの工夫-1で、ミニロフトへの登り壁の工夫を紹介しました。実はこのミニロフトへは、もう一つ登る(下る?)手段があります。

回遊性のあるロフト

それがこの正面に見えるすべり棒です。手で棒に掴まって、足を突っ張りながら登る棒は、同時にロフトから降りる際に消防士さんたちのように滑って降りることができます。登り壁から登って、すべり棒で降りる。この回遊性が生まれることで、上り下りの工夫や、速さの競争、或いは追いかけっこといった、遊びのアイデアが生まれてくるようです。

先日、初めてお孫さんと一緒に行かれたお施主様から、写真と一緒に嬉しいご報告を受けました。お孫さんたちは、あまりに楽しいロフトで、ずっと遊び続けたそうで、「東京の家を引っ越して、この伊東の別荘に移り住みたい!」と言ってくださったそうです。

設計者冥利に尽きる言葉で、担当の笠原君共々、本当に嬉しかったです。

造作家具-3 本棚と机がからんだ書斎家具

白金台S邸

港区のマンションリノベーションの現場報告です。今回のリノベーションの一つの見せ場でもある、書斎の造作家具の組み立て情況です。

リノベーション前には、長い廊下に面した、細長くて暗い部屋だった部分ですが、廊下との壁を取り去り、廊下も取り込んだ、大きな書斎へと作り変えています。かつての廊下と部屋の間は、所々に適度な隙間を空けた本棚で仕切っています。

作り付け本棚

廊下に面して、両側に本棚が7本あり、書斎側には、本棚が10本付いていることになります。以前にお住まいだった住宅の本と、ご主人さまが仕事場に置いていた本を全て持ってきても、まだ余る計算の大容量本棚です。

造作本棚

ただ本棚を並べただけでは、空間が単調になってしまうので、作り付けの机と本棚を絡めてデザインしています。机の延長した部分が本棚の棚板になったり、机の一部が欠けた箇所に、本棚が入り込んで、一種のパズルのような組み立て方になっています。

また、本棚の一部も奥行きを深くして、来客が腰掛けるベンチを作ったり、上部の使いにくい棚には、間接照明も仕込んでみました。この写真は完成後のものです。

小さな場所で、沢山の家具が複雑に絡む工事を、慎重に進めてくれた職人さんたちに感謝です。

ナゾの棒の正体は?ミニロフトの工夫-1

伊豆OK別荘

伊豆の中古別荘リフォームのデザインの工夫の紹介です。

のぼり壁の工夫

写真の床に転がっているナゾの棒、長さはマチマチで、太さも途中で削ってあり、太い部分と細い部分があります。テレビの某劇的リフォーム番組であれば、ここで匠(タクミ)が登場して、棒を削りだして、プログラムの最後まで、その正体を明かさないのでしょう。ここは普通のブログですから、もったいぶらずに説明いたします。

登り壁の工夫

この写真で、スタッフの岸本さんが登っている壁の取っ掛かりが、この棒の正体なのです。子どもたちが登れる、ミニロフトを設けましたが、そのロフトへの登る一つの方法が、この「登り壁」です。ランダムな配置で、ランダムな長さ、子どもたちが自分の身長や体力に合わせて、どの棒に捕まって、或いは足を掛けるのかを判断しながら自力で登ってもらう、そんなイメージの壁です。大人にとってはリラックスしたい別荘も、子どもにとっては体力が有り余って、動き回りたくなることが多いようです。こんな工夫があれば、雨の日でも、子どもたちは退屈しません。

上り壁の詳細

デザインとしてスケッチを書いたり、ランダムな配置をレイアウトするのは、設計上、とても簡単な作業です。しかし、体重30キロを超える子どもたちが、登ったり降りたりする荷重を支え、しかもレッドシダー張りの壁に金物は見せたくない、そんな工法的な問題を、大工の棟梁と相談しながら、取り付けの工夫を考えました。レッドシダーの裏側に、合板を二枚張りにして、表と真ん中の一枚には棒の直径に合わせた穴を空けておいて貰う。
その穴の位置に合わせて、棒を設置し、最後に裏側から閉じた合板をビスでしっかりとめる、そんな方法でこの棒をきれいに固定して貰いました。棟梁の佐々木さん、きれいな納まりで作ってくれて、どうもありがとうございました!