Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

恵比寿A邸の初めての現地打合せ&調査

[ザ・ライブラリー]

ザ・ライブラリープロジェクトのティーザー紹介記事です。
先月計画がスタートした築浅未入居の高層マンションリノベ恵比寿A邸の計画が進んでいます。

Aさまの不動産仲介の担当者と売主側との調整ができたとのこと、Aさまと一緒に打合せ&調査のためにお部屋に入らせて頂きました。実はAさまも初めてお部屋に入ったとのこと、その眺望の良さにとても喜んでいらっしゃいました。この写真で正面窓に向かって左側の壁を撤去して、手前のキッチンをあちらに動かしてと、リフォームの考え方ご説明させて貰いましたが、中々リフォーム後の姿を想像することが難しいとのことでした。

そこで、このアングルで見た室内の景色が…、

このようになると、スタッフの前田が作ったほぼ同じアングルのCGをお見せしました。それでも中々分からないとのことでしたので、

そこで最後の手段、田口がAさまにお渡ししたのがiPadで、立ち位置と最初の風景を合わせた所で、実物の空間と画面上のリフォーム後の空間を回転しながら見比べて頂きました。「本当にこのようになるのですか?」と半分疑心案議ではいらっしゃいましたが、どの空間がどのようになる予定なのかご理解頂けたようです!
その後お客さまに他のアングルのCGと仕上げ材のサンプルを見て頂きながらお打合せ進めました。お客さまが先に帰られた後に残らせて頂き、寸法の実測やディテールの調査、防災センターの図面確認などを進めさせて頂きました。ここから先の記事はザ・ライブラリーブログをご覧ください。

ミラノサローネ2023番外編_インテリア素材屋-2

[ミラノサローネ2023]

ミラノの市内で見掛けた、インテリア素材&ディテールの専門ショールームの紹介です。こちらのショップはCesare Ferrari(チェザーレ・フェラーリ)です。

旧市街でインテリアショールームが多数ある場所から少し離れた街角に、このようなショーウィンドウがあり、この石材の美しさに惹かれてお店に入ってしまいました。

こちらの石材を薄切りにしたものを壁材として使っているとのことでした。石の名前はセレナイトというそうです。ネットで調べた所、セレナイトは透石膏(トウセッコウ)とも呼ばれる、シルキーな輝きを放つ半透明の石で、石膏の一種とのことでした。

ライトアップしなくても、このような半透明の美しい肌理の素材でした。

こちらのお店は、インテリア素材とそれを組み合わせた特注家具や建築ディテールに強いとのこと、色々な事例を見せて貰いました。

特殊な石材、レザー、木、加工した金属等で見たことも無いような加工品を続々と見せて貰いました。

中央左の棒状のものはレザーにチェーンを巻いた手摺り材のサンプルとのことでした。

木材と金属目地の家具の取り合いのモックアップなども見せて貰い、このような所で特注家具を作ったら、どんなに素晴らしいもの(そしてどんなに高価なもの)ができるのだろうと、想像を巡らせてしまいました。

このようなお店/ショールームは日本にはほぼありませんから(素材という点では、エルクリエーションが代理店をしているアレクサンダー・ラモント位でしょうか…)、イタリアのインテリア・家具業界の奥深さに感心するばかりでした。

ミラノサローネ2023番外編_インテリア素材屋-1

[ミラノサローネ2023]

先月後半に見学してきたミラノの国際家具見本市(通称ミラノサローネ)で、市内のインテリアショールームを見て回った際に、面白いインテリア素材屋さんを見たので、ご紹介いたします。AREAEというインテリアブランドです。

ミラノ・インテリア素材屋

ショップ自体はとてもコンパクトで、空間の中央にテーブルがありその周りをぐるっと一回りするだけのスペースですが、日本では見たことのないインテリア素材のサンプルが沢山展示されていました。

ミラノ・インテリア素材屋

例えばこちらの大理石サンプル。大理石に模様を付けて、魅力的に見せるテクニックはサルバトーリリトス等で見てきました。サルバトーリでは石材そのものの柄や色だけでは魅力が足りない素材に刻み目やパターンを付けて陰影を加える手法ですが…、

ミラノ・インテリア素材屋

こちらの石材は、大理石そのものだけでも十分に魅力のある素材に、パターンを刻み込むことでさらにその魅力を倍増させるというオキテ破りの発想法でした!

ミラノ・インテリア素材屋

木のパネルにも同様の手法を加えて魅力を引き出していますね。これも木目がある程度ある材に対して加工を加えているのが特徴です。

ミラノ・インテリア素材屋

こちらのサンプルも、日本でも見たことがある素材で似ていますが、無垢感が強く素敵です。

ミラノ・インテリア素材屋

こちらのお店では、こういった魅力的な素材をさらに色味やテクスチャーで並べて見せてくれるのです。黄色と緑が同時に入ったインテリアはかなり上級者向けだと思っていますが、左上のヘリンボーンタイルが入ると全体が纏まりますね。

ミラノ・インテリア素材屋

ボルドーやバーガンディといった朱色掛かった赤も、怖くてなかなか手が出せませんが、大理石のロッソレバントとウォールナットやタイルと合わせるアイデアがカッコよいです。

ミラノ・インテリア素材屋

組み合わせセットで一番気に入ったのがこちらです。白とグレーと黒に少し赤味が掛かった木を合わせるマテリアルサンプルセットです。
日本だとどうしても木材は木質系で、大理石は石屋で、タイルはタイル屋でと別々の所で探さないといけないのですが、こういったインテリア素材に特化したショールームがあれば、どんなにインスピレーションが湧きやすいのかと、羨ましくなりました。