Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ファブリック生地選び@トミタ京橋ショールーム

代々木上原I邸

色々と事情があって、ブログの更新が滞っていた代々木上原I邸ですが、竣工お引渡し一年を機に、改めて途中からブログを再開することとなりました。見積り用の図面を施工会社の青に渡した段階で、ファブリックを見るために京橋のトミタショールームにお邪魔してきました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

これまでファブリックと言えば、マナトレーディングで選ぶことが多かったのですが、ここまで判ってきたIさまの好みから考えて、今回はトミタにお邪魔しました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

元々、洋服を見たり選んだり買ったりすることが大好きなIさまですので、建材や設備類を見ているときとは、ショールームに入った時の気持ちの高揚感が全然違ったようです!

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

布地の質感、滑らかさ、光沢感、色味を見比べながら、この生地をどこかに使いたい、この生地で家具を作りたい、或いはこの生地で洋服を作れないかと、発想が膨らむようで、このショールームだったら、毎日でも通いたいとのご感想でした。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

今回のショールーム訪問では一つ大きな目標がありました。主寝室のヘッドボードに使うファブリックの候補を見つけて、見積りの中に入れ込みたいのです。普段は人工レザーでヘッドボードをご提案することが多いのですが、レザーもお好きなIさまですが、寝室のヘッドボードはもう少し柔らかい素材で作りたいとのご希望でした。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

主寝室周りでここまで決まっている木目や、他の部屋で使う予定でIさまのテイストにあっている家具の張地などを見比べながら、ヘッドボードの候補生地を探してゆきます。が、どうも脱線しがちです(笑)。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

お気持ちが色々な処に飛んで行きそうなIさまを必死に追いかけながら、ヘッドボード生地の候補を探しました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

そしてついに候補として見つけることができたのが、この右側にある少しツヤのあるスペインのLizzo社の生地でした。緞子張りにするにはある程度の伸縮性が必要なのですが、それも十分に取れそうだとのことも分かりました。ただ、イギリスから輸入する生地とのことで、国内在庫はなく、スペインの在庫もそれほど余裕がないことが判りました。トミタの場合、2週間ほどまでは在庫を抑えることができるとのことでしたが、それ以上の期間は抑えられないこと、工事契約まではまだひと月ほどは掛かりそうなので、それまで在庫がなくならないことを祈るばかりとのことでした…。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

Iさまが先に帰られた後、トミタの担当者とファブリックの最終確認をさせて貰いました。上記の在庫抑えは延長できないことなどがはっきりしたので、工事契約の2週間前まで祈りながら待ち、その時点でまだ在庫があるようでしたら、在庫抑えをして貰い、工事契約と同時に工務店からトミタに発注及び入金をさせて貰う流れとすることにいたしました。

雑誌「I’m home.」の取材撮影風景@渋谷区Q邸

渋谷区Q邸

先日、インテリア雑誌「I’m home.」に渋谷区Q邸が掲載されたことをブログで告知しましたが、その一か月半ほど前に撮影&取材に来てもらった際の様子です。


実は今回発売された114号から、編集長が名物編集長と言われた角田絵理沙さんから、大南真理子さんに変わったのです。ただ、取材が決まった際も角田さんで、撮影当日も角田さんのディレクションでしたので、撮影時には編集長が変わることもこちらは伺っておりませんでした…。

以前であれば、撮影の1~2週間前に、事前視察をして、足りていないアートや調度品などをお客さまにも伺った上で、編集部側で用意して貰うのですが、今回はコロナで事前のゲネプロ(事前調査)ができなかったので、ぶっつけ本番でのインテリアセッティングとなりました。
レイアウトや調度品の飾り方、そして何よりカメラマンの撮影アングルに対しての角田さんのコダワリは相変わらずの迫力でした!

ナカサアンドパートナーズのカメラマンの方に撮影して頂くのは、これで2度目になります。お客さまご夫妻もどのように撮影してゆくのか、興味があるとのことで、会社を休んで(?)終日の撮影にお付き合いくださいました。

撮影の合間には、編集部の尾崎さんがお客さまご夫妻にどのような経緯でリノベーションを考えたのか、数ある設計事務所やリノベーション会社の中から、どうやってカガミ建築計画に絞ったのか、打ち合わせではどのようなご要望を伝えたのか等々、僕らも伺いたかったお話しを1時間ほどかけてヒアリングしてくれました。

僕らもQさま邸に伺ったのは約半年ぶりで、以前は家具や調度品がなく、生活感も感じられない空間だった寝室やクローゼット、シューズインクローゼット(SIC)なども、今回の撮影のタイミングで一緒に撮影させて頂きました。

主寝室奥のご夫妻のウォークインクローゼットや、

玄関横にある大容量のSICもご参考までに撮影させて頂きました。棚板はまだ多少の余裕はありますが、手前がご主人さまで、奥が奥さまというレイアウトで、ほぼいっぱいになっていました。

リビングの隅に設けた書斎コーナーもお二人のお手持ちのコレクションや本、調度品で素敵にコーディネートして下さっていました。

来客用トイレもアートや水回り小物が入って、とてもう良い雰囲気です。

この日はご夫妻お二人ともがお宅にいるとのことで、これからコロナが収まった後にホームパーティーを開く可能性のことも考えて、僕、各務の義理の姉で、イタリアンの出張料理人の岸本恵理子さんをご紹介させて頂きました。彼女は材料は持ち込みで、調理器具やお皿やカトラリーはなるべく訪問先の物を借りて料理を作るスタイルなので、この機会にキッチンを見て貰いました。

キッチン奥の調理機器やオーブンなどの仕様も見せて貰います。

特に大皿や大きなパスタを茹でる鍋、フライパンなどは重要なので、どのようなものが揃っているかをチェックさせて貰っていました。
朝9時から夕方4時まで掛かっての取材撮影でしたが、途中インタビューや、出張料理人の訪問、またここでは書いておりませんが、電気屋さんも入って照明の不具合の修理などもお願いしたので、あっという間に時間が過ぎていきました。
編集長の角田さん、長い間雑誌「I’m home.」を引っ張っての活躍、どうもお疲れさまでした。そして長時間の取材撮影に快くお使いくださったQさまご夫妻、どうもありがとうございました!

KONARAHOUSE茅ケ崎ショールーム訪問

湘南T邸

リゾートマンションリフォームプロジェクト湘南T邸の施工会社として白羽の矢を勝手に立てさせて頂いたKONARAHOUSEの茅ケ崎ショールームをTさまと一緒に訪問させて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

コナラハウスの小形さんご夫妻とは、2017年7月にあるインテリア関係の集まりで初めてご挨拶をさせて頂きました。当時は、コナラさんのことは存じ上げていなかったのですが、コナラハウスのプレゼンテーションを見て、トラディッショナルなインテリアをベースに、コンテンポラリーな色使いや素材を取り入れ、トランジッショナル(伝統と現代の融合)スタイルに昇華させるデザインに大きなショックを受けました。プレゼンテーション後にご挨拶に行こうとしたら、小形夫妻からこちらに寄ってきて下さり、「以前より、カガミ建築計画のブログのファンでした」といって貰って以降のお付き合いなのです。こちらに湘南エリアでご相談があったお客さまをコナラさんにご紹介したプロジェクトがうまく進んで、お客さまからも小形さん達からも感謝されたこともありました。お客さまをご紹介差し上げた経緯がコナラさんのブログの記事になっています…。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

その後も、インテリア関係のセミナーなどでお目に掛っていましたが、実力が広く認知されるようになり雑誌「I’m home.」や「Real Kitchen」や一般誌でも取り上げられることが多くなり、いつか何かのプロジェクトでご一緒したいですねと連絡を取り合っておりました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

そんな時に、湘南T邸のお話しがスタートして、施工会社としてお願いできないかをコナラハウスに相談させて貰ったところ、是非ご一緒したいとのお返事を貰いました。とはいえ、お客さまとの相性もあるので、まずは僕らが都合がつかなかった土日の日程で、Tさまご夫妻お二人で茅ケ崎のモデルルームを訪問して頂き、とても気に入って頂いたことを確認したうえで、改めてTさまと弊社担当スタッフの前田君と僕の三人でショールームを訪問させて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

まずは先に着いた前田君と僕でザッとショールーム内を見学させて頂きました。以前はご自宅を兼ねたショールームだったので、毎回の片付けが大変だとの話は聞いていたのですが、今は違う場所に小形一家は引越して、こちらはショールーム兼、撮影スタジオとして使っているとのことでした。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

当時は、色々な場所をご夫妻でインテリア雑誌や本を見ながら住みながら手を加えて行ったそうで、大変だった分楽しさも沢山あったとの話を聞かせて貰いました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

Tさまがいらしてからは、家具の作りや金物の使い方等、専門的なことも確認しながら、ご一緒に改めてお部屋を回らせて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

Tさまご夫妻のお好みのインテリアテイストとも合う部分も多々あり、実際の物を見ながら設計を相談できる強みを改めて感じておりました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

小形ご夫妻がかつては実際に使っていた寝室です。さすがにTさまはこれは黒くてシャープ過ぎて、リゾートライフには合わないと仰っていました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

廊下を腰壁や塗装で装飾し、天井を木張りにするアイデアは、どこかで是非取り入れたいとのお話しもありました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

約25~6年前にニューヨークのCicognani Kalla 建築事務所で修業していた頃は、このような腰壁やケーシング付きのパネル装飾建具の設計もしていたので、慣れ親しんだデザインではありますが、担当スタッフの前田君はこのようなデザインは初めてなので、細かい取り合いのことを小形さんたちに根掘り葉掘り聞いていました(笑)。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

楽しいインテリアや空間の工夫がいっぱい凝らされたモデルルームで、周囲の緑も相まって、日本にいることを忘れてしまうようなひと時でした。因みにこちらは2階の廊下突き当りに設けられたアトリエコーナーです。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

モールディングやケーシングを多用して、洋風な住宅を提案する作り手としては、輸入住宅というジャンルの会社があります。ただ、彼らはほぼすべての建材や素材やデザインを輸入先の北米や欧州に頼っているので、日本の暮らしと合わせる部分で齟齬があったり、デザインがパターン化されていることで、モダンな要素を取り入れることが難しい等の問題がありました。それに対してコナラハウスは、小形夫妻が自宅でのトライアンドエラーを繰り返しながらの実験と、モダンインテリアを研究することで、見事に日本風のトランジッショナルスタイルを作り上げることができていることが、大人気の秘密だと実地で理解することができました。

コナラハウス茅ケ崎木工場訪問

モデルルームの対面には、大きな納屋のような建物があり、内部がこのような加工場となっています。

コナラハウス茅ケ崎工場訪問

KONARAHOUSEの社員でもある職人さんが3人ほど造作家具などを作成中でした。

コナラハウス茅ケ崎材木小屋訪問

ウッドショックの影響も多少あるとのことでしたが、内部造作材などは小形さんが気に入ったものをある程度買い貯めしているとのことでした。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

最後のこちらの写真はおまけで、ポーチのブランコベンチで寛ぐ僕、各務です。
仕上げのレベルや隠れる部分の作り方、造作家具の金物等、カガミ建築計画が考えている施工レベルの空間を十分に作れる力があることが判り、会話の中でもお客さまのTさまとコナラ・小形さんたちの相性も良いことが分かったので、これから見積り作業に入って貰いますが、基本的にコナラハウスで施工を考えてスケジュールも組み立ててゆくことになりました。Tさまご夫妻、そして小形さんご夫妻、どうぞ今後とも宜しくお願い致します!