Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

窓から緑しか見えない都心のオアシス・白金台P邸プロジェクトスタート!

白金台P邸

新しいプロジェクトがスタートしましたが、まずはこちらの写真をご覧ください。

R5540310_pt

大きなリビングダイニングの南面窓からの景色です。港区白金台の住所ですが広いテラス越しには緑しか見えません。

DSC_5596_pt

テラスに出たところの景色です。こちらも自分の建物の外観以外は鬱蒼とした自然しか見えません…。

DSC_6425_pt

築30年で180平米超えのこちらのマンションをご購入なさったお客さまからのPさまからご相談があって、ほぼスケルトンにしての全面リフォームのお手伝いをすることになりました。

R5538485_pt

一度大きなリフォームを経験済みのお部屋のようでしたが、空調や給排水設備関係はほぼ全て撤去して交換する必要がありそうでした。お施主さま立ち会いのもと、壁裏のエアコンを調査している様子です。

R5538480_pt

こちらは玄関ホールです。壁面いっぱいにクラッシックな造作家具と収納が据え付けられています。これらをどのようにデザインして再調理(?)してゆくかをお施主さまと工事をお願いすることになるリフォームキューの岩波さんと相談させて頂きました。

DSC_6431_pt

同じ玄関ホールを玄関扉側から見返した写真です。現時点では、既存造作収納や建具を活かして再塗装で色を変えて、よりシックでヴィンテージ感を感じられるようなデザインにリフォームしたいと考えています。正面には小さな和室が見えていますが、こちらもお施主さまとのご相談で、書斎に変えようと画策しています。

R5540402_pt

既存のキッチンは完全にクローズ型のとても広い空間です。本来はオープンキッチンに変えたかったのですが、壁式工法で作られているマンションなので、壁を抜くことは難しそうです…。

DSC_5591_pt

こちらは前のオーナーさまが水色タイルをベースにリフォームした水回りです。リフォームの費用を考えると、何とかこれを活かしてきれいに使いたいのですが、浴室洗い場と洗面の境はカーテンで、防水性能などに不安があるので、どこまでリフォームするかは要検討です…。

DSC_5590_pt

主寝室の奥に作られていた桐の突板で作られた既存ウォークインクローゼットは、とても素晴らしい出来なので、このまま再利用することが決まりました。

shirokanedaiM

前回リフォームされた時のきちんとした記録がなく、マンション管理組合に保管されている図面と見比べてみても、どこがコンクリート躯体で、どこをどのように変えたのかがはっきりとしない状況です。まずはお施主さまと現調時にお話をした内容を簡単に纏めてみたものがこちらの図面です。

R5538477_pt

お施主さまのPさまからは、とにかく都心に稀有な緑しか見えないこのお部屋の特徴を最大限に生かしたリフォームにして欲しいとお願いされております。これからどのような方針でリフォームデザインを進めてゆくか、担当スタッフの前田君と一緒に考えてゆきます。

検査直前の大事件とその後の完了検査&お引越し

青山I邸

リフォームアドバイザーとしてお手伝いしてきた青山の高級マンションリフォームI邸の工事が完了して、お施主さまの検査に立ち会って参りました。実はこの検査の3週間ほど前に、施主検査を予定していたのですが、検査前夜の清掃時に担当者が腰に付けていたボトルから有機溶剤を床フローリング上に垂らしてシミを作ってしまうという大事件が起こってしまいました。

DSC_3992_pt

シミの個所はクリーニングでは汚れを落とすことができず、ヤスリで削って汚れを落とす試みもして貰いましたが、横から見るとそこだけが凹んでしまうことが判りました。一か所だけであれば、その個所だけフローリングを張り替えることもできそうだったのですが、シミが部屋中に散らばってしまっていたので、急遽検査とお引き渡しを先延ばしにしてLDKのフローリングを全面張り替えることになりました。
その時点で、全てお引越しの手続きを終わっており賃貸中だったマンションを引き払ってしまったお施主さまご夫妻に対しては、リフォーム工事を請け負っていたM社の方で、家具付き賃貸マンションを手配して、荷物に対しても一時預かり先を用意してくれたので大パニックを何とか避けることができました…。

DSC_3813_pt

こちらが汚れてしまったフローリングをいったん全て撤去して、新しく床下地を作り直した際の様子です。すでに組み立てていたリビングのカウンター家具も一旦バラし、幅木類も取り外した状態にしてから、フローリングを張り直してもらう手筈になりました。

床材が特注のスカンジナビアンフローリングだったことも影響して、その後2.5週間で何とかLDK全面を張り直して、仕切り直しの検査に臨むことができました。

DSC_3995_pt

ここまでの経緯で、仮住まいをせざるを得ない状況になってしまったお施主さまご夫妻には、色々な気持ちが錯綜していたかと思いますが、検査は検査で重要ですので、気を取り直しての検査のお手伝いをいたしました。
こちらはトップライトがある、玄関ホールです。天井も高く、収納量の多い靴収納には満足してくださったようです。

DSC_4005_pt

LDの壁際に作られた御影石カウンタートップのステレオ・TV機器類を収納する造作カウンターです。フローリングも張り直したことを全く感じさせない、きれいな出来でした。

DSC_3981_pt

開閉式の扉で、リビングとの視線をコントロールできるキッチンです。ドイツ製高級キッチンメーカーのジーマティック社のオーダーキッチンです。

DSC_3982_pt

奥さまが特に気に入ってくださったのが、こちらの浴室です。特注の割れ肌石調のタイルがシックで、とても落ち着く空間になったと喜んでくださいました。

DSC_3985_pt

浴室と洗面所は、ステンレス鏡面仕上げの枠とテンパーガラスの扉で繋がっています。

DSC_3990_pt

長ーいカウンターがある洗面代です。背面には洗濯機が見えていますが、引き戸で隠すことができる仕掛けを作ってもらいました。また、お施主さまご夫妻が高齢になった際には、簡単なリフォームで寝室との壁を一部撤去して、この洗面とトイレに直結できる扉が作れるように工夫した作りとなっています。

DSC_4004_pt

こちらは、ご主人様が気に入ってくださった玄関ホールからリビングへの特注建具です。黒檀の突板を鏡面塗装に仕上げて貰い、南部鉄赤サビ仕上げの取っ手を合わせた扉です。両袖は透明ガラスを入れて貰いました。

検査で見つかった是正項目を補修した後にお引越しとなりました。そして引っ越し後2週間で訪問させて頂いた時の様子が以下の写真です。

DSC_5773_pt

家具なしではただただ広すぎるように感じられたLDですが、家具やピアノ、調度品やアート、さらにはカーテンや照明器具が入って落ち着いた来たとのことでした。当初はお手持ちのラグで十分と考えていらっしゃったようですが、さすがにこの広さだとラグが小さく感じられたので、特注オーダーで大型のラグを発注することになりました。

DSC_5774_pt

天窓付きのダイニング空間と横に繋がるキッチンです。壁際にはチークの家具が三つ並んでいますが、実はそのうちの一番右のものは、まだ駆け出しの建築家だった僕が、隣の家具に合わせてデザインさせて頂いた思い出の特注家具なのです…。その時から考えると十数年のお付き合いになるIさまご一家のリフォームをこのような形でお手伝いさせて頂くことができたこと、とても嬉しく思っております。改めてのリフォーム完成とお引越し、おめでとうございました!

施主検査&お引渡し@渋谷区タワーマンションリフォームS邸

渋谷区タワーマンションS邸

長らく時間が掛かった渋谷区のタワーマンションリフォームS邸ですが、ようやく工事が終わりお施主さまの検査に立ち会って参りました。

DSC_5095_pt

仕上げ材選定で迷われてしまったところから、途中で施主側のアドバイザーとして参加したこちらのプロジェクトですが、何とかお施主さまが考えていたイメージに近い仕上がりに持ってゆくことができたようで、正直ホッとしております。

DSC_5104_pt

キッチンの前面にある飾り棚の黒檀の突板は、リフォーム会社に何度もサンプルを作って貰って何とかギリギリのタイミングで決めることができたものですが、苦労が多かった分思い出深いものになりました。

DSC_5100_pt

大きなリビングダイニングの壁面も、石張りにするか特殊塗装で仕上げるか、或いは特殊なクロスを探すかで大いに迷いましたが、最終的にはマナトレーディングが扱う輸入壁紙で良いものが見つかりました。

DSC_5084_pt

キッチンの大理石アラベスカートのカウンターから黒檀突板の飾り棚、フェイクレザー柄のクロスと黒檀突板の両引き扉と濃密なデザインが続く空間です。

DSC_5089_pt

両引きの扉の背面が玄関ホールになります。取っ手部分のデザインは、僕らが良く使うものをアレンジして貰っています。右側壁面のウォールナットも無理して探してもらった縮み柄のウォールナット材で、とても良い色味でした。

 

DSC_5088_pt

玄関ホールの壁面仕上げは、高級大理石集成材のサルバトーリです。こちらも、何を使えばよいかお施主さまもリフォーム会社も困っていた時に、上手いタイミングで紹介できたことで何とか実現できたものです。

DSC_5114_pt

来客用トイレは、既存のカウンターや鏡をそのまま使っていますが、特殊ミラーガラスやモザイクタイルを使って、上手くデザインされています。

R0053125_pt

まだ未成工事が残っており、本日の検査で見つかった補修もありますが、明日のお引越しが決まっているので、このままお引渡しになりました。お引渡し直前に当日集まった関係者全員での記念撮影です。左から大手リフォーム会社N社の営業担当のNさん、お施主さまご夫妻、デザイナーのNさんに工事担当のKさんに僕、各務です。色々と難しい枠組みの中でのお仕事でしたが、特にN社側のデザイナーのNさんには本当にお世話になりました…。
一応アドバイザーとしてのお仕事はここまでですが、家具選定についてもアドバイスをして欲しいと追加のご依頼も受けておりますので、またこれからもこちらに伺うことになりました。