Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

オーダーキッチンの組み立て@六本木N邸

六本木N邸

で六本木N邸の現場では、先日の黒いフローリング張りの終わりを待って、矢継ぎ早にオーダーキッチンの組み立てが始まりました。

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今回のキッチンはショールームを持たないスタイルのオーダーキッチン屋さんのSSKです。建築家が設計・デザインしたキッチンを忠実に作るタイプのオーダーキッチン屋さんで、ショールームがなく、従ってショールームに常駐するスタッフの人件費も掛らないので、安価にハイグレードなキッチン作りができることが特徴です(ただし、ショールームがないので、実物やサンプルの確認が難しいことや、設計者なしで施主が直にお願いしても設計は難しいこともあります)。

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黒いクォーツストーンのカウンターに、ウォールナットと濃紺の塗装仕上げの扉を組み合わせたシックでスタイリッシュなキッチンです。

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カウンタートップのクォーツストーンを現場で職人さんがカットしている様子です。普通は工場で空けて持ってくるものですが、こちらでは2枚剥ぎのカウンターで、現場で調整しながら設置したいとのことで、ガスレンジのクックトップが嵌る穴を空けていました。

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シンクはステンレスを手番金で加工してもらった特注のシンクです。カウンターに穴が3つ空いていますが、冷水と温水とディスポーザーの通気管の3つ用です。シンクが変形になった個所は、スポンジと洗剤置き場です。

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シンク下には、事前に建築工事側で用意しておいてくれた給水(水色管)と温水(オレンジ管)、それに排水管やディスポーザー用の電源も来ています。

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シンク以外のカウンター下は引き出しがベースとなった収納となっています。こちらは仕上げの面材が付く前の引き出しのディテールです。

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背面収納は、天井にエアコンの点検口がある関係で、吊り戸は天井まで届かないスタイルとなっています。右手前のパネルは、ウォーターサーバーを隠す為の板です、天井の点検口まで伸びていますが、ビスを2本外せばパネル毎外れる仕掛けとなっています。

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キッチン以外の工事も着々と進んでいます。こちらは廊下突き当りと、その横のライブラリースペースの天井の利上げ天井下地です。

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玄関ホール上にも折り上げ天井がありますが、リビングの折り上げも含めた4つの折り上げは、それぞれの天井裏の梁やスプリンクラー配管などの影響で全てがサイズ、折り上げ寸法が違っています。

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石張りの壁の厚み分目地をふかしたり、カラーガラス張りの扉の枠があったりで、本当に複雑な作りとなっています。

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こちらはダイニングテーブルの直上に来る、照明とエアコン吹き出し口を兼ねた混合ボックスです。

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照明が入る部分は裏板を放熱用に穴を空けており、吹き出し口部分はグリルが取り付けられるような作りになっています。このボックスを裏返しにして天井に取り付けて、枠を塗り込むことで吹き出し口が目立たない天井とすることができるのです。

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キッチンとダイニングの間仕切壁と引き込み扉を入れるポケット収納もできていました。ここにも細いピクチャーレールや壁紙を張り込めるためのパネルなどが複雑に絡み合っています。

黒いフローリング張り@六本木N邸リフォーム

六本木N邸

六本木N邸では、当初からお施主さまが黒くて幅広でシックなフローリングを使いたいとのことで、色々なメーカー&輸入元から出ている黒いフローリングを調査してきました。

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この写真の左下のフローリング2種類が着工前の仕上げ材決定時に使うことが決まった色味でした。フローリングやのIOCという会社の「サーモオーク40エボニーオイル2度塗り」という材料です。サーモオークとは聞きなれない言葉ですが、特殊な熱処理(燻煙処理)を施すことで、木が炭化され黒くなったオーク(ナラ)材のことです。

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六本木N邸の現場では、ようやくそのフローリング張りが始まっていました。張った個所をどんどん養生していっているのですが、黒でツヤなし塗装なので、どうしても張っている大工さんの足跡がついていってしまいます。

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フローリングが張られた個所の色味を見たかったので、現場監督にお願いして埃を拭き取ってもらった様子です。サンプルで見た以上の迫力で、とても良い具合に張られていました!

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この黒いフローリングが廊下からリビングダイニング、そしてキッチンまで続きます。

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リビングにはマンションの構造の丸柱があるのですが、その丸型に沿ってきれいに張られています。

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大工さんが何度も丸柱にフローリング当てて、型を取りながらテーブルソーで削り出していく、地道な作業です。

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ここでは、廊下正面の大理石壁を下からの照明でテラスための照明ボックス際のフローリングを張ってくれています。アルミのアングル材(直角なL字型の材料)を見切りとして入れて、そこにピッタリとフローリングを寄せて張ってもらっています。

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張る順に養生シートが貼られてしまうので、黒色フローリングの全容を見ることができないのが残念ですが、工事の最終段階で養生を取るときが楽しみです。

 

 

モルテーニの新しいショールーム見学

その他

アルフレックスが扱っているイタリアの高級家具メーカー・モルテーニの新しいショールームが青山に完成したとのこと、オープニングパーティーに伺って参りました。

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根津美術館の並びでB&Bやジャズ・ライブハウスのブルーノートなどが並ぶ通りから少し奥まった個所に新しいショールームがありました。

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モルテーニの家具デザインもしているパトリシア・ウルキオラがデザインした2層吹き抜けになった新しいショールームの空間でした。ハイエンドの家具ですが、ショールームのインテリアは、高級素材ばかりを使った派手な空間では決してなく、素材を上手に使った、モルテーニの家具作りにも通じる丁寧な作りのインテリアとなっていました。

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505という名前のシステム家具シリーズで間仕切られた空間は、シンプルで軽快で家具がとても見やすい構成になっていました。これまではアルフレックスの家具の裏に置かれており、大きさばかりが目立っていましたが、オリジナルなショールームという場所を得たことで、家具自体が生き生きとして見えました。

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スタッフ全員でショールームに伺ったので、担当の小牧さんと記念撮影をさせて頂きました。左からスタッフの竹田さんと前田君、アルフレックスの小牧さんと各務です。
本日は建築&インテリアのプロ向けのオープニングで、あまりゆっくり見学することができなかったので、また日を改めてじっくり見学に伺いたいと思っています。