Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「I’m home」に高級マンションリフォーム事例掲載

代官山T邸

これまで長い間片思いで、憧れ続けてきたインテリア雑誌「I’m home」(商店建築社)に代官山T邸が掲載されました。

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実はこれまでも幾つかのプロジェクトの写真を送って、掲載して貰えないかを打診してきましたが、尽く討死(?)してきた経緯があります。今年の3月頃に、I’m homeの角田編集長から直々に電話があって、マンションリノベーション特集に掲載できそうな事例がないかと問い合わせがあった際は、夢かと大喜びいたしました。

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今年の5月にお施主さまの予定を確認して、ほぼ丸一日(朝9時から夕方4時まで)掛けて、撮影と取材が行われました。ミノッティ、モルテーニ、フロス、ベッキオ・エ・ヌーボなどのハイエンド家具・設備の細かいディテールの表情まできれいに撮影して貰いました。

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この写真は、ナカサ&パートナーズのカメラマンが撮影している合間に、似たようなアングルで撮影させて貰った自分の写真です。いつもは照明をほぼ全開にして撮影していましたが、プロのカメラマンがほとんど照明を付けずに自然光で撮影している様子には驚かされました…。

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僕が撮った写真と如何に違うかが、如実に判ってしまいますね。室内をこれだけしっかり映しながら、屋外の緑も撮れているのは、露光を変えて2枚撮影して、後で合成しているのかもしれません…。

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全部で9ページに渡る取り上げ方で、全ての写真が美しく、そして十数年前に幾度か取材をしてもらった建築ライターの井上雅義さんに取材・執筆して貰った文章も読み応えがあり、とても充実した掲載となっています。

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雑誌「I’m home」のファンだったお施主さまからも、発売当日にご連絡があり、カッコ良い掲載にとても喜んでくださいました。

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こちらが今月発売になった最新号の表紙です。「既存空間を活かしたリノベーション」の特集とのことで、他には僕らが目標としている建築家の横堀建築設計事務所の横堀さんとコマタトモコさん、インテリア界の巨匠(?)グエナエル・ニコラさん、いつも研究しているUTIDEの斉藤さん、端正なデザインが美しい関デザインスタジオの作品と並べて掲載されています。
まずは今回取り上げてくださった角田編集長、素晴らしい文章を書いてくださった井上さん、ありがとうございます。そして、取材撮影に全面的に協力してくださったNさまご夫妻、本当にありがとうございました!
是非、本屋で見かけた際には手に取ってご覧ください。

床・壁下地作りからフローリング張りへ

お台場K邸

壁と床の下地を作成中の港区お台場K邸の工事現場です。

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高層階で天井高さが高い空間なので、壁下地のLGS(軽量鉄骨)も長いものが必要で搬入がほぼ不可能とのことで、変則的ですが解体した際にでた一度使用されたLGSの良い状態のものは使いまわすことなりました。

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こちらは床下地の製作中です。LL45相当の遮音等級を確保した置床システムを使って貰っています。その下に見えているコンクリートスラブに段差がありますが、その段差を箇所に接する給排水管は全てカバーを施して、コンクリートの角で傷がつかないように養生して貰っています。

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置床のパーティクルボードの上に、コンパネを一枚敷いて、その上に床暖房パネルを設置してゆきます。床からピョコンと顔を出しているのが、ガス床暖房との接続口です。

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床下に配管類が通っている個所は、置床の脚と配管が絡まないように、細かく調整しながら床下地を作ってもらいます。

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天井組のLGS下地では、仕上げ材の不燃羽目板のリアルパネルを仕上げた際にどのような取り合いになるのかを、施工をお願いしているSOUの中川さんに実際にその場で羽目板を当てはめて確認させて貰いました。

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ここからの写真は、その翌週の工事の様子です。床に何枚もの石膏ボードが置かれ、壁と天井に張られ始めています。今回のように天井が高い場合のボード張りは大変で、大工さん一人で写真のトンボという道具(?)を使って仮固定しながらビス止めをしてゆきます。

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天井を張る前に、天井カセット式のエアコンなどは全て事前に設置されています。こちらはリビングに接した書斎の天井ですが、床スラブの段差を利用して、最大限の天井高さを確保しながら、天井埋め込みのエアコンを実現することができました。

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床暖房パネルや、パネルを敷かない場所にはダミーベニヤを張ったうえで、フローリング張り工事も同時進行中です。今回もうちでお馴染みのスカンジナビアン・リビング社のオーク幅広ホワイトオイル拭き取り仕様のフローリングです。

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床下地の精度も高く、フローリングの実(サネ)の精度もぴったりなので、とてもきれいな床が作れそうです。

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床に浴槽がポロンと置かれたシュールな現場ですが、SOUの中川さんとうちの前田君はどんどん打合せを進めて、未確定のディテールや難しい取り合いを解決していってくれました。

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ちょうどユニットバスも組み立て中で、打合せをしているうちに浴槽の設置も見ることができました。

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現場の問題がある程度解決した後には、前田君が事前に用意しておいてくれた書斎のスチールサッシ枠の詳細についての打合せも行いました。これまでにも幾度か特注で鉄製冊子を作ったことがありますが、今回は開口部がなく、すべては嵌め殺しなので、いかに細くスタイリッシュに見せることができるかが勝負になりそうです。

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因みに、こちらが先ほどのスケッチを元にSOUが描いてくれたスチールサッシの制作図です。

 

石膏ボード張り後のクロス下地作成@青山I邸

青山I邸

先回のお施主さま同席でのコンセントスイッチ位置確認後、青山I邸の現場ではボードが張られました。

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移設して貰ったスイッチ類やコンセントの位置をお施主さまと再確認して回らせて頂きました。左手で測量している男女二人組は、お施主さまが依頼しているカーテン屋さんで、実測してくれています。

DSC_2480_pt造作家具が取りつく前に、収納の最終寸法なども現地を見ながら確認して貰いました。

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スッキリと大きく、そして風通しが良い空間で、お施主さまたちもとても気に入ってくださっています。

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玄関には大型のシューズクローゼットが入っています。見えている内部の棚はポリで作ってもらっていますが、まだ搬入取付されていない扉はナラ白拭き取りの突板仕上げとなっています。

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オーダーユニットバスも大枠が組まれていました。窓際にアルミ枠がついてしまうとのことだったので、M社の担当のKさんに相談したところ、何とか枠なしで、タイルを廻し込めるようにできないか調整してくださることになりました。最後まで悩んだ壁タイル、そしてジャクソン社の浴槽も共に持ち良さそうだとお施主さまも嬉しそうでした。

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リビングからダイニングとキッチンを見返した様子です。建築工事が仕上がった段階では、白い空間となる予定ですが、そこにお手持ちのチークの家具やアートを飾ってゆくことで、Iさまたちらしい素敵な空間に仕上がってゆくハズです。

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その10日後に現場を再訪した際の様子です。壁と天井はクロス張り仕上げですが、石膏ボードの継ぎ目やビス穴をパテで埋める作業中で下。ダイニングのセンターには、ビニールクロスに糊付けする機械も既に設置されています。

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天井の大きな折り上げ部分です。間接照明を組み込むためのアゴが作られ、その周りに天井カセット式エアコンやダウンライトが配置されています。

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玄関から繋がるホールから、主寝室への入り口を見たアングルです。壁ボードのちょうど腰高さ辺りには、将来的に手すりを付けられるようにベニヤ板を仕込んでもらっています。70代のお施主さまがバリアフリー仕様をお望みだったので、床もフルフラットで、主寝室と洗面・脱衣を仕切っている壁も簡単に取り外せるように作ってもらっています。

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ホールとLDの間には左右に透明ガラスを入れて、中央に黒檀突板の扉を作ってもらう予定です。左右のガラスは壁に埋め込まれたように見せたいので、事前に写真のようなステンレスのコの字型金物を埋め込んで貰っています。右上には先行取付されたピクチャーレールも見えています。

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洗面脱衣室の奥にトイレを設ける予定ですが、床のタイルが養生中で、給水や電源を立ち上げるためのライニングが立ち上がっていました。

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一通り現地をお施主さまたちを確認した後、下の階に用意して貰っていた打ち合わせ室で設計のHさんが作ってくれたパネルを見ながら、各部屋の仕上げ材の最終確認をいたしました。