Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

別荘らしいキッチン 軽井沢中古別荘リフォーム-11

軽井沢Y邸

「別荘らしいキッチン」とはどんなキッチンなのでしょうか?答えは幾通りもあると思いますが、考える際のヒントは、「都心の本宅のキッチン」にあると考えています。別荘は、都内の住宅の裏返しの面があるのです。都内で普段暮らす住宅で叶わなかった夢を別荘で実現したいというご要望が多いのです。
都内の住宅のキッチンが大きければ、別荘のキッチンはコンパクトでハンディーで整理が簡単な方が良く、反対に小さなキッチンで我慢していたのであれば、別荘には大きなキッチンが欲しくなるという補完関係があるようです。軽井沢Y山荘の場合、都内のお住いは、渋谷区の便利な場所にある代りに、面積が限られ、特にキッチンに不便を感じていらっしゃいました。

軽井沢別荘の大型アイランドキッチン

そこで、こちらのキッチンは思い切って大きく、開放的なものとなっています。大判の特注ステンレスカウンターのアイランドキッチンに、レンジフードの位置を考え、壁面に引っ込めた形でガスレンジカウンターを設けています。

ステンレス張りのアイランドキッチン詳細

グルリと周れて、お子様が手伝え、友達やご両親と一緒に調理が楽しめる、超開放的でノビノビとしたキッチンが完成しました。冷蔵庫や、電子レンジ等の機器はレンジ横の引戸収納の内部に収納できるようになっています。

子供が楽しめる別荘 軽井沢中古別荘リフォーム-10

軽井沢Y邸

軽井沢Y山荘には、現在4才のお嬢ちゃんワカちゃんと、生まれて4ヶ月の赤ちゃんがいます。子供たちにとっての別荘生活は、家の中より外遊びが中心になりますが、雪深い冬や雨の日には家の中で遊ぶ事になります。家族揃ってのゲームや薪ストーブを囲んでの団欒、お母さんの料理の手伝いなど、やる事は沢山ありますが、子だもたちだけの楽しみといったら、やはり隠れんぼうや鬼ごっこなどになります。こういった遊びがより楽しくなる工夫として、リビングと寝室の間に小窓を設けました。二つの部屋の段差と、造作収納を利用し、ちょうど子供だけが通れる、特別な出入り口となっているのです。

別荘の小窓

計画当初はお施主様もこの小窓が上手く使えるか懐疑的でしたたが、施主検査の日にワカちゃんが喜んで出入りしている様子を見て、僕らの小さな工夫に納得してくれました。

大人だけでなく、子供たちにとっても、別荘は非日常的な空間です。この小窓があることで、子供たちにも別荘が特別に楽しいスペースである事が体感できるのではないでしょうか。二人の子供たちだけでなく、将来遊びに来る友達がどのように楽しんでくれるか、僕らも楽しみです。

別荘ライフを広げる木製デッキ 軽井沢中古別荘リフォーム-09

軽井沢Y邸

別荘ならではの特別な空間の一つとして、大きなデッキがあります。今回は軽井沢別荘ライフの巾を広げる大きな木製デッキの話です。300坪もある広大な敷地と、この別荘を繋げる役目を担うのがこの木製デッキです。ここでは、従来から広さを倍にして、仕上げもタイル張りから木製デッキとし、室内の床とのレベル差もほとんど解消しています。
デッキの広さの感覚は、室内との相対的な広さも重要になります。従来より巾を広げることで、デッキとリビングがほぼ同じ広さになり、室内のテーブルや椅子を外に出せるようになりました。アウトドアリビング的な使い方が可能になるわけです。

ウッドデッキ拡張工事中

上の写真で手前に見える煉瓦張りの部分が旧来のデッキ部分です。その先の地面に埋まっているのが新しいウッドデッキの基礎となる部分です。

リフォーム計画中から既存の樹木は切らないで欲しいという、お施主様の強いご要望があったので、デッキを延ばす方向にあった白樺もデッキに取り込む事としました。ただ広いだけでなく、子供たちが周りを回る事ができる中心点が発生し、軽井沢の広大な林を構成している樹木がより身近に感じられるようになるハズです。

ただ、軽井沢は凍結深度(冬に地面深くまで凍ってしまうライン)が深いので、その点を十分に考慮した工法を採用しました。地元の工務店と良く打合せをして、凍結深度80センチより深い位置に基礎の底板をセットしてもらいました。快適な要素を作るためには、それだけ基礎となる物をしっかり作る必要があるのです。工事前と竣工間近の同じアングルの写真を比べると、新しいデッキの良さが判ってもらえると思います。