Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

廊下の役割とディテール 高輪M邸-10

高輪M邸

高輪M邸の廊下を紹介いたします。写真を見ていただくと、高級マンションの共用廊下のように見えますが、実はこれが個人邸の内部廊下なのです。マンションも150平米を超える広さになると、間取り的に廊下のあり方が変わってくるようです。
一般にマンションでは、廊下は最も無駄な空間とされています。廊下の分の面積をなるべく少なくコンパクトにして、その分リビングやダイニング、居室を広くするのがマンション・プランナーの腕と考えられています。

廊下の役割

しかし実際は廊下は決して無駄な空間ではありません。プライベートとパブリックを分離する役割を持ち、間取りに奥行き感をもたらすものなのです。特にこの高輪M邸のように、各部屋が違った雰囲気を持ったマンションの場合、廊下の存在がそれぞれを纏め上げているといえるのです。因みに、判りにくいですが、この廊下には防火扉がありますが、扉にも廊下と同じ仕上げをしているので、ほとんど目立たないようになっています。

廊下のディテール

この写真は廊下、玄関に共通で使用しているウォールナット腰壁、建具枠の装飾ディテール(詳細)です。無垢材と突き板を凝ったモールディングで纏め上げています。コンセントも堀金物の金属製プレートを採用し、違和感がないようにしています。廊下の巾が110センチもあるので、このような重厚感のある詳細が生きて来るのでしょう。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。

赤い塗装色と塗装用クロス 高輪M邸-9

高輪M邸

今回のマンションリフォームでは、各部屋毎に特別な性格(キャラクター)を持たせています。そしてこの書斎の特徴は、壁仕上げの赤色となりました。といってもただの赤色ではありません。英国製塗料「Farrow & Ball(フォロー・アンド・ボール)」のピクチャー・ギャラリー・レッドという色を使っています。

赤い書斎

塗料の色番の名前からも判ると思いますが、実はこの赤はクラシカルなギャラリーや美術館で使われる色なのです。照明によって赤にも赤茶にも見え、床のローズウッドのヘリンボーン張りフローリングやチーク製の家具とも良くあっています。そして不思議なのですが、とても落ち着く色なのです。

塗装用クロス

また、この印象的な赤色がベタッと見えないように、塗る前に壁下地用クロスを張っています。日本では、ルナファーザー社の製品が有名ですが、パターンが画一的なので、今回はイギリスのAnaglypta(アナグリプタ社)のStarling RD5002という壁紙を採用しました。写真のような特殊なパターンの凹凸が、微妙な陰影を生んでくれるのです。

書斎の特注オーダーDVDラック

この書斎は所謂普通の書斎ではなく、絵画のギャラリーでもあり、お施主様が趣味でコレクションしているDVDの書庫にもなっています。写真の造作家具は’特注オーダー品で、ウォールナット突板仕上げのDVDラックとなっています。内部に間接照明を入れ込んでいるので、DVDのタイトルが格子戸の外からでも確認できるようになっています。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。

リゾート雑誌に掲載されました

箱根S別荘

このゴールデンウィークに発売された、「リゾート物件情報 田舎暮らし物件ガイドの春号(281号)」に箱根の別荘リフォームが掲載されました。 「リゾート物件情報」は、別荘・田舎暮らしの情報を提供し、ライフスタイルの提案をする情報誌で、創刊25年目を迎えたリゾート雑誌の草分け的存在です。

 今回のこの記事は、実はこの別荘リフォーム記事を見たレゾンの編集者武笠さんから、「月刊リゾート物件情報」に別荘リフォームについて連載記事を書かないかとの話があって始まったものなのです。編集者は、「別荘のリフォームに関する連載記事を企画しており、専門的な知識とリフォームの実例を提供して貰える建築家を探していた」そうで、白羽の矢が立ったのは実に嬉しい事です。

記事では箱根S別荘の紹介、工事内容や掛かった工事金額の内訳、更に「自宅との関係を意識した別荘を」とのタイトルで、都内の自宅と田舎の別荘の関係を書いた記事も頑張って書いてみました。 自分なりの論点で書いたものですので、ご興味がある方は書店でご購入頂ければ幸いです。