建築家が考える上級リフォーム・リノベーション

元麻布I邸の竣工検査&低温ベイクアウトについて

長らく時間が掛かった200平米超えマンションリノベーションプロジェクト、元麻布I邸の竣工検査をお客さまと一緒に行いました。

こちらが検査後に、当日揃った関係者一同揃っての記念写真です。左から、造作家具屋ライフウッドの大迫さん、各務、お客さまのIさま、弊社担当スタッフの前田君、リフォームキューの現場監督の神成さん、同じくリフォームキューの石原専務、設計・営業担当の岩波部長です。

カガミ建築計画での検査は、施主検査でお客さまがいらっしゃる2時間ほど前に担当スタッフと各務が事前に伺って(場合によっては前日のこともあります)、一通り付箋を付けてチェックを行う設計検査を行い、その後にそれを参考にしながらお客さまと一緒に検査して廻るようにしています。家具やカーテンまで吊った後に検査を行うことが多いのですが、今回はスケジュール調整ができず、家具なしの状態での検査となりました。

こちらが、お客さまがいらっしゃる2時間前の現場の様子です。まだ、塗装の最終補修やお掃除の途中でした。

ダイニングの外壁側のパネル壁でも、ライフウッドの大迫さんと谷山さんが扉金物の調整をギリギリまで頑張ってくれていました。

昨今に行われている一般的な検査では、フローリングの傷や塗装のヒビやクロスの剥がれといった施工上のミスを探すことがメインになりがちですが、本来的にはそういった細かいことよりも全体的な施工精度のことや、扉の開け閉めの不具合、キッチンや家具の引出の硬さなど、これから住んで使ってゆくうえで気になりそうなことをチェックしてゆくことのほうが重要なので、ラグを敷いて隠れてしまう部分のフローリングの傷等の細かい事よりも、より本質的なことを俯瞰的に見て頂きたいとお客さまにはお話しております。

玄関ホールからLDへ入る扉では、取っ手金物が扉よりも出っ張ってしまっている個所が見つかったので、普段使いの際に手が傷つく可能性があるので、この部分は作り直してもらうことをお伝えいたしました。

ちょうどこの写真の左側の金物部分のことです。

洗面手洗いでは、トイレとのガラス間仕切り際の扉が、思いっきり開いた時にガラスにぶつかってしまう可能性があるので、80度以上は開かない金物を取り付けることをお伝えいたしました。

キッチンでは、以前お客さまのイメージ作りの為に作ったCGドローイングがあったので、出来上がったキッチンと見比べて頂きました。本当に良く似た出来になっており、CGが素晴らしいのか、施工の出来が良いのかの判らないとのお話になりました(笑)。

カメラもプロ級の腕をお持ちのIさまは、検査の後で室内の写真を撮影してくださいました。本日、お子さまのことで現場に来ることができなかった奥さまに、きれいに仕上がった室内写真をお見せしてくださるそうです。

全体のチェックが完了した時点で、チェックを一緒に廻ってくれたリフォームキューの岩波さんが、補修箇所をお客さまと一緒に確認している様子です。実は、今回のプロジェクトでは、ちょうどお子さまが生まれるタイミングとリノベーション工事の完成が重なってしまったのですが、どんなに建材や施工方法に気を付けていても、新しく入れる家具などからもVOC(揮発性有機化合物)発生してしまうので、ここから補修後も、一か月間毎朝窓を全て全開にして、夜には閉じて揮発性物質を出しきってしまう作業を行うことになっております。窓を閉じている夜間に暖房を付けて40度以上に室温を上げて、昼間の間に風通しでそれを外部に排出してしまう一連の作業はベイクアウトといわれていますが、室温を急に上げてしまうことで、家具や建具が歪んでしまうことや、塗装壁にヒビが生じてしまうなどのリスクもあるため、通常のベイクアウトの期間が1週間程度のところを、低温ベイクアウトな代わりに一か月間の期間を設けることにいたしました。

このように、昼間は窓を全開にしたうえで、全ての引出しと扉を開けた状態で放置して、夜に全てを閉めて窓も閉じる作業をひと月続けるのです。

とにかく収納が多いお宅なので、毎朝夕にこの作業をするだけでも結構な手間ですが、それ以上に折角リノベーションが完成しているのに、仮住まいで待ってくださっているお客さまのお気持ちの方が重要なので、この作業もリフォームキューに頑張って貰っています。

こちらは、最後のオマケ写真です。今回施工だけでなく、限られた時間のなかで図面描きまでサポートしてくれた、リフォームキューの石原専務(左)と岩波部長の記念写真です。ここまでのご尽力、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

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2016年12月09日 | 元麻布I邸の竣工検査&低温ベイクアウトについて はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリノベーション 元麻布I邸

インテリア用小物&植栽でステージングされた一番町A邸

リフォーム後に販売することが決まっている一番町A邸にインテリア用の小物を購入してステージングして参りました。ステージングとは聞き馴れない言葉かもしれませんが、不動産販売時に家具や植栽、小物類を生活のシーンを想像しながらコーディネートして入れることを示す言葉です。

主に青山エリアにあるインテリア・家具ショップを、担当スタッフの前田君と巡って、これはと思ったものを購入してきました。巡ったショップは順不同で、Wooodアクタスフランフランザラ・ホームシボネで、さらに食品系でスーパーの成城石井にも寄ってきました。

一通り小物を設置した後でも、まだ食卓上やトイレ・洗面・浴室が寂しかったので、水回り用の小物類を中目黒にできたニトリで購入して追加いたしました。

植栽については、オーナーのAさまがご自宅に入れている植栽屋さんにお願いしてインテリア植栽を入れて貰いました。

家具、ペンダント照明、そしてインテリア備品が揃ったところで、再度写真を撮影させて頂きました。

植栽と小物が入ったことで、少しこの場所で生活するイメージが膨らむことを実感いたしました。

特に植栽の効能(?)は抜群で、スタイリッシュで少々固めに感じていた空間に柔らかい雰囲気が漂ってきたように感じました。

本当はテレビも置いて、モデルさんに座って貰いたいところですが、さすがにそこまで予算が付きませんでした…。
ここまで徹底したステージングは初めての経験で、大いに楽しむことができました。

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2016年12月01日 | インテリア用小物&植栽でステージングされた一番町A邸 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリフォーム 一番町A邸

解体現場で考える天井のデザインについて@横浜伊勢山Y邸

解体工事が始まった、横浜市西区の伊勢山Y邸の現場を確認して参りました。

165平米の専有部分のうち、LDKと玄関を中心に床と壁を解体してゆきます。以前は引き戸でリビングとダイニングキッチンが分割されていましたが、引き戸をなくして全体が一体化するデザインとしています。

以前のキッチンが解体撤去された後の床下の配管を設備屋さんが引き直しをしてくれています。設備屋さんの後ろに縦に伸びているのが、上下階を貫いている排水竪管(はいすいたてかん)です。

その排水竪管(黒い管)と既存の排水管の接続部分です。上下階の区画を貫通した個所から1メートル以内は耐火二層管(通称トミジ管)というものを使っています。写真中、濃い灰色の管は一般的なVP管で、薄い灰色の管がトミジ管です。

解体途中の状況を、担当してくれているうちのスタッフの前田君とリフォームキューの設計・営業の坂本さん、現場・技術の織田さんが確認して回ってゆきます。

リビングダイニングの天井の見上げ写真です。二つの別々に分かれた折り上げ天井だったものと、少しでもデザイン的に繋げて、一体感を持たせたいと考えていましたが、思っていた以上に梁が大きかったので、デザインを練りなおしになりそうです。

こちらはキッチンの天井部分です。空間としては大きく空いていましたが、折り上げても却って狭く見えてしまいそうでしたので、従来の天井高さに抑えて、新しい天井を組み直してもらうようにお願い致しました。

こちらは玄関部分の天井です。図面で見ていた寸法より、天井の懐寸法が大きかったので、こちらは思い切って天井の高さを40センチほど上げて、さらに石張りの壁を照らす間接照明を仕込むことにいたしました。

現場ではちょうど床暖房の配管を結びなおす作業をしていたので、じっくりと勉強させて貰いました。

使われているのは東京ガスのTESシステムの床暖房で、配管そのものは架橋ポリエチレン管でした。既存の管と新しい管を繋ぐ方法を順次撮影させて貰いました。架橋ポリ管同志をソケットで繋ぎ、バンド金物でパチンと留めるとそれで水漏れが起こることがないとのことでした。

こちらは既存のキャビネットの箱を活かして、天板を交換して、さらに扉を塗装し、PSの柱型横まで一体化させたデザインに作りなおす予定の洗面カウンターです。

その他照明スイッチやコンセントの納め方の注意点などを現場側と確認して、現場を後にしました。

 

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2016年11月29日 | 解体現場で考える天井のデザインについて@横浜伊勢山Y邸 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 投資・賃貸用リフォーム 横浜伊勢山Y邸

造作家具が組み上がって全容が見えてきた元麻布I邸

元麻布I邸の造作家具の組立てが進み、ほぼ全容が見えて参りいました。

キッチンとダイニングを仕切る可動扉が付いたダイニング壁の様子です。二枚の引き戸を開けると、大きくキッチンが見えてくる仕掛けで、建具もキッチンカウンター下の収納扉も、オークの黒色塗装で仕上げています。

斜めから見ると、可動建具とその後ろのパネルの様子が少し判るでしょうか…。

扉を開けた先に見えるキッチンも、大理石調タイルがブックマッチ柄で張られ、ほぼ完成しております。大理石タイルの白さを目立たせるために、ダイニング側の建具を黒く見せています。因みに大理石タイルは正面壁だけでなく、サイドのトールキャビネットの側板、さらには手前のオープンカウンターの(こちらから見て)左袖にまで伸びています。

キッチン横のワイン・コーヒー用のカウンターコーナーに人造大理石カウンターが設置中です。

カウンター設置が終わり、扉も取り付けられるて、このようなコーナーに仕上がりました。正面右側のカウンター下にはビルトイン型のワインセラーが入り、左側のカウンターにはご主人さまの趣味でもあるコーヒーメーカーが4種るほど並ぶ予定です。

リビングのTV&AVカウンターも大理石が貼られ、ほぼ全容がわかる状態になりました。

窓からの光のコントラストが強くて、黒いネロ・クラウンの柄が良く見えませんが、わざわざこの柄を探しに岐阜大理石探しツアーを行った甲斐があって、とてもきれいな模様でした!

その後、窓枠部分にも黒く焼き付け塗装した金属製パネルを貼って貰い、よりスキのない出来になってきました。

ダイニングのパネル壁は半分は造作家具ですが、あとの残りは現場で調整しながら加工して貰っています。

既存のアルミサッシ窓の存在感を和らげるための可動フレームを調整して貰っている様子です。

まだ調整中ですが、手前の窓フレームが取りついた様子です。後で框を入れてゆくことで、この壁が一枚の壁パネルのように見えてくる予定です。

同じように壁パネルのように見せたい主寝室の窓も造作も進行中です。箱で作る棚や造作家具は現代製作所にお願いしていますが、壁と一体化する調整が面倒な家具やパネルはライフウッドの大迫さんたちにお願いしています。

既存窓下に、このようなモールディングと框枠を回してもらい、窓そのものの正面にも窓フレームを作って、アルミサッシの冷たさを消す計画となっています。

洗面所の造作家具にも吊戸棚が設置され、LEDの間接照明や扉&引出の調整が進んでいました。

玄関ホールからリビングダイニング入る部分のレザー張り建具のレザーパネルも取り付けられました。

レザーパネルを貼る前の建具のディテールです。框仕様で特注金物のレザーパネルの厚みだけ出っ張らせて作って貰い、そこに工場まで訪問して作り方を検討してきた人工レザーパネルを貼ってゆくという作りになっています。

写真の色味が上手く出ていませんが、これがほぼ完成した状態のレザー建具です!

アメリカのヴィジュアル・コンフォートのシャンデリアも現場に届いたので、電気屋の望月さんに組み立てて貰っています。

早く点灯した様子を見たかったので、望月さん親子に無理を言って、仮接続をして貰いました。

こちらが点灯時の様子です。横から見ると傘があってそれほど派手ではありませんが、ダイニングに座って上を見上げると華やかなガラスの構造が見えてくるという二重仕掛けのシャンデリアです。物理的にも、デザイン的にも部屋がパッと明るくなりました!

同じくビジュアル・コンフォート社のシーリング照明を、日本代理店のベイカー@東京の梶田さんに、主寝室に取り付けて貰っている様子です。

 

 

 

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2016年11月24日 | 造作家具が組み上がって全容が見えてきた元麻布I邸 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリノベーション 元麻布I邸

新規:高層マンションリノベーション世田谷区Y邸

新しいプロジェクトが始まりました。世田谷区にある高層マンションのお部屋の全面リノベーションプロジェクトです。

広い公園に面した素晴らしい景観の高層マンションです。元々は戸建て住宅を建てる予定で、それまでの仮住まいということで暮らし始めてみたところ、あまりの利便性の良さでこちらのマンションに住み続ける決意をなさったそうです。とはいえ、部屋の内装のグレードは気に入っていらっしゃらなかったので、戸建て用に用意していた費用をリノベーションに掛けて、好きな素材とディテールに囲まれた空間に変更なさりたいとのご希望でした。

インテリアや家具、素材には以前より大好きだったそうで、インテリア関連の本もたくさんお持ちで、お部屋の家具もインテリアデザイナーの方に提案して貰った空間にお住まいでした。まずは、プランのことよりも、素材や色、家具や収納システムのことから一緒に研究したいとのご依頼でしたので、こちらで持っている素材のサンプルで、白やベージュ系で清潔感を感じるものを並べて、どのようなものに興味をお持ちかをヒアリングさせて頂きました。

それらを見たうえで、まずは近場のショールームを巡ってみたいとのことでしたので、目黒にある輸入大判タイルのアークッテック社のショールームを訪問してフィアンドレの大理石調タイルを拝見しました。

こちらはアークッテック社が輸入している人造大理石(クオーツストーン)のサンプルです。スペインから輸入のコンパック社のものです。

クオーツストーンには色々なメーカーがあって、それぞれに色味や柄が違うお話をしたところ、他の製品も見てみたいとのことで、次は白金台にあるコンフォート社でシーザーストーンの大判サンプルを拝見いたしました。

大判タイルでは、五反田のラミナムもショールームが近いので、その後にご一緒させていただきました。

こちらは別の日の素材ショールーム巡りの様子です。天然の大理石も比べてみたいとのことで、原宿のアドヴァンにご一緒しました。

こちらはアドヴァンが輸入している大判大理石調タイルのメガスラブです。まだショールーム見学ツアーは始まったばかりですが、お好みは本物の大理石であることは再確認できました。ただ、水回りに大理石を使うのは水染みのリスクがあるので、何とか大理石に代わる品の良い清潔感が感じられる素材を一緒に探してゆくことも決まりました。次回はキッチンや浴室関係のショールームを巡ることになりそうです。Yさまご夫妻、まだ始まったばかりですが、どうぞこれからも宜しくお願いいたします。

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2016年11月21日 | 新規:高層マンションリノベーション世田谷区Y邸 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリノベーション 世田谷区Y邸

造作キッチン&造作家具の組立て設置@青山M邸

青山P邸の現場で、造作キッチンの組立てが始まっています。

通常のリフォーム&リノベーション工事では、キッチンはオーダーキッチン屋さんにお願いするか、既成キッチンを造作家具に組み込むスタイルを採用することが多いのですが、今回の工事では施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビングさんが良くお願いしている造作家具屋さんがきちんとしたキッチンも作ることができるとのことで、お願いすることになったのです。

人造大理石のシーザーストーンのカウンターに、塗装や突板仕上げの扉材を組み合わせた、本格的なキッチンですが、手慣れた職人さんたちによって、どんどん組み立てられてゆきます。

ガスレンジの奥には、室内型の給湯器が設置される箱が設置され、

灰色と白の塗装で塗り分けられたL字型調理カウンターの上には、ウォールナット突板の吊戸が設置されてゆきました。

リビングダイニングに沢山置かれていた箱類が2日間の間に見る間に組み立てられてゆく様は圧巻でした。この写真の右側には読書ベンチ横の飾り棚も設置されています。

まだ、中央のアイランドカウンターがありませんが、機器類を除いて、ほぼ全容が組み上がった様子です。

その他の造作家具も組立て設置が進んでいます。ダイニングの横の読書ベンチはカウンターと飾り棚が組み込まれました。壁付けの可愛らしい読書灯も既についていますね。ベンチの天板は跳ね上げ式で、内部に子どものおもちゃ等をいれる収納となっています。

リビングのニッチのライブラリーコーナーも書棚が組み上がってきました。

本棚の一部が壁に組み込まれたり、コーナーの納まりを工夫していたりと、簡単ではない造作本棚ですが、とてもきれいに組まれていました。

こちらは家族用のトイレの手洗いカウンターです。ウォールナットのキャビネットと人造大理石のカウンターがデザイン的にもマッチして、シックな空間に仕上がりそうです。

造作家具ではありませんが、玄関のシューズイン・クローゼット(SIC)の壁のカラーガラスも張られています。それまでの無愛想な壁が、ツヤ感のある高級な壁に変身しました。

こちらはダイニングから玄関ホールとSIC側を見返した写真です。大理石やガラスとパネル張りのクロス壁の組み合わせがきれいです。

プライベート廊下のクロスパネル壁もほぼ出来上がってきました。パネルのリズムに合わせて天井のダウンライト照明が設置さています。

廊下の突き当たりのカラーガラスも張られています。廊下が長い場合は、突き当りをどのようにデザインするか迷いますが、カラーガラスは品が良くて大成功です。突き当り左手は主寝室となっています。
造作キッチンと造作家具が組み終わると、ほぼ工事の終わりとなるのですが、追加で壁に大理石や突板を貼ることになったので、完成にはまだ少し時間が掛かりそうです。

 

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2016年11月18日 | 造作キッチン&造作家具の組立て設置@青山M邸 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリノベーション 青山P邸