Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

セラミックカウンターのキッチン打合せ@アムスタイル

[元麻布I邸]

元麻布の200平米越えの超高級マンションリノベーションプロジェクト、元麻布I邸のキッチンは2社のオーダーキッチンショールームの比較検討で、アムスタイルにお願いすることになりました。

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モダンなキッチンと、スタイリッシュなリビングで、エレガントなダイニングを挟むようなインテリア構成を考えてきましたが、モダンなキッチンデザインということと、何より担当の宮本さんが熱意を持って、毎回のお施主さまとの打合せに臨んでくれることが決定の要因でした。
アムスタイルは新しい素材の取扱いにも熱心で、セラミックのカウンター材をコンロ側に提案してくれました。セラミックは、デクトンネオリスの二つを中心に比較検討してゆくことになりました。

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濃い色のカウンター材を使った場合に、キッチン全体の雰囲気が暗くならないか、また食材を置いた時に美味しくなさそうに見えないかを心配してくださっていたので、宮本さんに用意して貰った、オレンジとピクルスのビンを濃い灰色のセラミック材の上に載せて、色調を見て貰いました。
僕が手に持っているのは、レンジカウンターの背面に使う予定のフィアンドレの大判タイルのスタトゥアーリ柄のものです。

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ショールームでは、対面型のシンクカウンターの幅も実体験しながら決めてゆくことができました。

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ガスレンジ側のカウンターの高さを決める際には、大きな鍋を五徳(ゴトク:ガスレンジの火口の上に載せる金属製の鍋置き)の上に載せて、持ち上げた際に肩とヒジが窮屈に感じないかも実感して頂くことができました。

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シンク側のカウンター甲板は、ダイニング側からも見えてくるので、しっかりと厚みがある素材をとのことで、クォーツストーンから選ぶことになりました。シーザーストーンサイルストーンオキテといった人造石メーカーのサンプルを並べて、気になるものを選んでゆきました。

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新しく代官山ショールームに展示された、セラミックカウンターのキッチンも熱心に見比べてくださいました。

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宮本さんは早い段階から、緻密な図面を描き始めてくれて、ちょっとしたお施主さまご夫妻の要望に対しても、フレキシブルに対応してくれるので、打合せもスムーズに進んでいます。

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キッチン選びと平行して、フローリング材や内装材の色味についても検討を重ねてきました。グレーっぽいフローリングを使ってみたいとのことで、東京木材やADワールド、お馴染みのIOCやスカンジナビアンリビング等からサンプルを取り寄せたり、特注色を作ってもらったものを並べて比較させて貰いました。

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併せて、主寝室の床に敷き詰めるカーペットの色味も一緒に検討してゆきます。こちらは色味が何より豊富で、フカフカの触感が好評のchez(コンフォート社)のものを使う予定です。

オーダーキッチンは、選択肢が無限大にあるので、一度のショールーム訪問で全てを決めることはできません。僕らがお手伝いする場合は、平均でも5~6回ほどはショールームにお邪魔して、細かい収納や扉の開き勝手、引き出しの寸法、そして仕上げ材などを何度も確認してゆきます。

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全く同じセーターを着ておりますが(シャツが違っているだけです…)、これはまた別の日の打合せの様子です。

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セラミックカウンターは、まだ日本ではそれほど普及していないので、メーカー側でも在庫が乏しいとのことで、扉や壁などの他の素材と合わせて、セラミックの候補を絞ってゆく必要があります。

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フローリングがまだ決まっていないので、キッチンの仕上げイメージを固めることができていませんが、とりあえず抑えて貰うセラミックカウンター材を決めて、この色調でCGを起こして、それを見ながら最終的な色味を決定することになりました。

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当日の打合せが早めに終わったので、代官山のアムスタイルショールームから車で新宿に移動して、東京ガスの新宿ショールームでガスレンジを見学させて貰いました。

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ガスレンジの下に入るガスオーブンは、日本製ではあまり大きなものがありませんが、その中では一番大きなものを入れてもらうことになりました。

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同じビルの上階のリビングデザインセンター・オゾン内にある、レンジフードの富士工業のショールームも一緒に周らせて頂きました。こちらも良く訪問さてもらっているので、それぞれの機種の掃除の仕方などをご説明いたしました。イタリアのエリカ社と富士工業が共同で開発・販売しているアリアフィーナ・ブランドのレンジフードを使うことになりそうです。

 

 

 

解体現況チェック@横浜O邸

[横浜市O邸]

横浜市では初めてお手伝いしている高級マンションリフォームプロジェクト、横浜O邸の解体工事がひと段落ついたとの連絡が現場からありました。

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今回は、お施主さまが住みながら、LDKと洋室、玄関と来客用トイレをリフォームすることになっているので、スケルトンではなく床下地と天井下地は残した解体となっています。

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キッチンは、お施主さまと打ち合わせをしている、このシンクとガスレンジがついているカウンターが残っていますが、完全に養生されている状態で、調理は出来ない状態なので、洗面所に電子レンジとポットを持ち込んで使ってくださっているそうです。

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玄関部分の仕上げや間接照明などを、うちのスタッフの前田君がお施主さまご夫妻にご説明しています。設計施工でお願いしているリフォームキューからは営業・設計の坂本さんと現場・技術の織田さんが立ち会ってくれています(因みに、僕らはデザイン・アドバイスの立場でお手伝いしています)。

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玄関からLDKへの入り口部分には、色々な要素が絡んでくるので、坂本さんも腕を抱えて考え込んでいるようでした…。

家具製作図

因みに、これらの図面は、全てリフォームキューの坂本さんが書いてくれたものです。デザインアドバイス契約の場合、僕らは最初の指示用のスケッチまでは描きますが、制作図や施工図はリフォーム会社側に起こしてもらい、それをチェックしてゆくスタイルとなります。

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床下や壁裏に隠れていた設備の配管類です。左側壁際の太い灰色の管はトイレの汚水管で、床下の水色とオレンジ色の管は給水と給湯の管になります。設備配管の取り合いや壁位置の墨出し等は、僕らもお手伝いしながら詰めてゆきます。それでも一般的な設計監理契約であれば、それらの責任の一端を追う形となりますが、デザインアドバイスでの現場訪問は、お施主さまの代理人としてのチェックなので、責任が少ない分負担も楽になります(その分、当然設計・デザイン料も割安になります)。

高級オーダーキッチンの据え付け@原宿K邸

[原宿K邸]

造作家具の据え付けもまだ終わっていない段階ですが、以前から工程が組まれていた高級オーダーキッチン・アムスタイルのキッチンの据え付けが始まりました。

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以前のブログでもご紹介していた通り、解体時にキッチンの一部に逆梁(普通のコンクリートの梁は天井から下がっていますが、床から立ち上がっている逆型の梁のこと)が現れてしまい、レイアウトの大幅変更を余儀なくされたイワク付き(?)のキッチンです。

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こちらの壁際に問題のその逆梁が見えています。以前はこの箇所に冷蔵庫がくる予定でしたが、レイアウト変更したことで引き出し式のキャビネットが来たので、内部は上下二段の引き出ししかつくれませんが、表から見ると引き出しの表板を大きくデザインしているので、その存在を隠すことができそうです。

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今回は二日間でキッチンを組み立てる予定で、こちらは二日目の夕方の様子です。アムスタイルの現場担当の寺口さんと職人さんが、アイランドカウンターの据え付けや、扉の最終調整をしてくれています。寺口さんの背面に見えている濃い灰色のキャビネットの下部分に逆梁が隠されていますが、知らなければ全くその存在に気が付かないようになってきました。

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中央のアイランドカウンターは奥行60センチで、シンク側の通路幅が80センチ、背面のトール収納との間の通路が65センチで設計していますが、引き出しの使い勝手や通路の広さの感覚は、キッチンを本気で料理し始めなければ分からないので、アイランドは仮固定として、後日お施主さまのご意見を伺ったうえで固定する作戦としています。
高さ関係の寸法としては、キッチンの天井高さが低く見えるかもしれませんが、寺口さんが身長190センチと大きすぎるので、そのように見えるだけです(笑)。

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その他の造作家具も徐々に完成に近づいています。こちらは大理石ドラマチックホワイトのカウンター板が取り付いた洗面所です。

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リビングの飾り棚でスイッチ類が集中している個所には電線が延ばされてきました。

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多用している引き戸の現場に立て掛けられていました。ここにあるのは、ウォールナット突板張りとオーク突板の白拭き取り塗装張りのものですが、他にも塗装仕上げのもの準備されていました。

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取っ手部分は、まだこのように掘り込まれただけになっています。後日、特注でオーダーした引手金物がはめ込まれる算段になっています。

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先回来たと聞き時には、まだ浴槽が据え付けられたばかりの浴室は、防水層を保護しタイルの下地となるモルタルが塗られていました。浴槽を支えるエプロン部分のコンクリートブロックもモルタルできれいに化粧されていました。後はタイルを張るばかりの状態です。